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2005.07.16

がんばれ専門図書館

 自分は所謂専門図書館というところにいるわけですが、この業界って非常にモデルケースが少ないと思うのです。もちろん専門図書館協議会という業界団体があり(うちの職場は入ってませんが)、様々なお役立ちセミナーや研究集会も開催しているのですが、やはり図書館業界全体から見て「先駆的」と言われることをやってるのは国立国会図書館とか大学図書館とか、図書館員が「何か新しいことをやる」ことが認められる土壌のあるところだと思うのです。
 大学図書館と専門図書館というのはそもそも客層が違っているため、業務の動かし方からして異なっています。例えば利用者指導一つにしても、専門図書館では「使い方」さえ教えればよいのだけれど、大学図書館の場合は学生を「教育」することを念頭に置いて考える必要があるわけで。つまり、先生方に利用していただくだけでなく、学生が学問を修めるためにいかに図書館を活用してもらうかを前提にした利用者教育が求められています。
 また、昨今の大学図書館界を代表する最新のプロジェクトとして「学術機関リポジトリ構築ソフトウェア実装実験プロジェクト」というのがありますが、これはNIIという情報学研究の専門機関と大学とが大学の活性化、ひいては学術研究の振興という目的があってこそタッグを組めたのだと考えています。かたや専門図書館には親組織から学術振興という役割はあまり求められていません。求められているのは企業としての利潤追求の支援であるとか、特定の産業を振興するための研究の支援であるとかそういう役割であることが多いのではないでしょうか。また、専門図書館というのはNIIと決して良い関係ではないと思いますし。
(NIIが専門図書館に常日頃抱いていると思われるいらだちについては、先日身近で大変怒りを覚える出来事として耳にしたのですが、他館のことでもあり終わった話なのでここでは触れません)

 こんなことばかり書いているとひがんでいるようにしか見えないかもしれませんが決してそうではありません。例えば学術研究振興の旗振り役として最新技術を駆使してがんばる、という役割が求められていないとしても、専門図書館には専門図書館にしかできない仕事があると信じています。企業や公共の研究機関が学術研究に寄与する役割というのもこれからは無視できないものがあると思いますし。それに、旗振り役にはなれないかも、という思いを抱きつつ、それでも最新技術を身につけ活用しようと努力している人間が、現実に専門図書館業界には何人も存在しています(自分はその技術のしっぽの切れそうな毛にしがみつくのがやっとです)。マイナーな立場って悲しいなあ、と思いつつ、それでも専門図書館業界にはねばり強くがんばってほしいという希望を捨てないのはそんな理由からです。

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