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2005.08.15

ミュージカル『モーツァルト!』

さて、土曜日に東京ビッグサイトを後にして、友人たちと早めの夕食を済ませた後向かった先は・・・有楽町は帝国劇場です。友人のひとりNさんからお誘いいただいたミュージカル『モーツァルト!』。小学生の頃見た劇団四季の子ども向け演目以来とんとミュージカルに縁のなかった自分にとって、実質的な初ミュージカル観劇となります。
劇場独特の華やいだ緊張感にとまどいつつも、Nさん持参のオペラグラスをお借りして席に着き、17:45に開演。休憩を挟んで21:00終演と聞いていたので、自分のテンションが3時間も保つか?寝てしまったらどうしよう?と心配していましたが、始まると面白さに引き込まれて時の経つのを忘れている自分がそこにいました。
もともとはシンガーソングライターだったという主演の中川晃教さんの歌声ももちろん素晴らしく、屈折した天才青年のイメージをしなやかに表現されていましたが、何と言っても惹きつけられてしまったのは大司教を演じていらした山口祐一郎さんの存在感です。声量たっぷりのバリトンの力強い歌声で、舞台に登場しただけでオーラを放つ美丈夫。天才作曲家に執着し手の届くところに閉じこめようとする権力者を、華やかに重々しく、ちょっぴりコミカルに演じていました。終演後劇場入口前に集まった際に友人たちからは、コミカルな演出は「ちょっとやりすぎ」という意見も出てましたが・・・。とにかく、座席は比較的舞台に近い側なのに、それでも彼が登場するたび眼前にオペラグラスをかかげて見守ってしまいました。それから、主人公の父レオポルトを演じたベテラン市村正親さん。そんなに大柄な方ではないのに、舞台の上での存在感はやはり尋常ではないものがあります。息子の才能を育て上げたと自負し、自らの死後もなおその息子から離れることのできない父親の哀しみを、安定感のある歌声とともに見事に演じきっていました。
ストーリー自体はかなり救いのない内容です。神童と呼ばれた幼き日の自分の影を捨て去ることができない青年が、あふれる才能を武器に家族や権力者の執着や、世俗のしがらみを断ち切ろうと抵抗しつつ、裏返しのもろく流されやすい性格故か、切り捨てた筈のものに心を絡め取られ、自らを孤独な死に追い込んでいきます。曲折はあったものの相思相愛で結ばれた筈の妻コンスタンツェも、彼を救うにはあまりに純粋で幼すぎ、愛を求めるばかりで与えることはしてくれませんでした。貴族という特権者ではありましたが彼の才能の煌めきを温かく見守り、彼の自立を支えようとしてくれた数少ない人物である男爵夫人(香寿たつきさん好演!)がこの物語の唯一の救いだったと思います。劇中、モーツァルト父子が対峙し葛藤する節目で流れる曲「星から降る金」。男爵夫人=香寿さんの優しく包み込むような歌声を思い浮かべるたびに何故か泣きたくなるのです。

そして自宅に戻った日曜日。近所のCDショップには、帝劇の売り場でCDを入手しなかったことを悔やみながら山口さんの出演作を探しまくる筆者の姿がありました。しかしそのショップのミュージカルCDの品揃えの悪いこと。地元で2番目ぐらいには大きいショップの筈なのに、と舌打ちしながら仕方なく山口さんのファンサイトの情報を頼りにネット通販を当たったところ、東宝のサイトで山口版『エリザベート』の在庫があることを確認できたので、早速注文しました。明日お金を振り込めば、1週間程度でCDが届くはずです。楽しみが一つ増えました。

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