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2005.10.21

災害と図書館

 『図書館雑誌』の2005年10月号に、9月4日の東京を襲った集中豪雨が原因で館内への浸水被害を受けた練馬区立南大泉図書館の、水に浸かった蔵書が山積みになっているさまの写真が掲載されていました。開架蔵書6万冊の約半数を廃棄せざるを得なくなったそうです。
 推測になりますが、床上85cmの浸水ということは、書架の低い位置に置かれる児童書類や、辞典等高額な参考図書類の被害が大きかったのではないでしょうか。建物が敷地や法の制約(同誌より)から半地下構造で造られていたので被害を防ぐことが難しかったようです。自分は必ずしも「本好き」とは言えないと思いますが、人生(本生?)の幕切れを恐らくは不本意な形で突如迎えた本たちの立場、そして、職員、利用者などこの図書館に係わるあらゆる人々の気持ちを考えると、部外者の感傷に過ぎないと分かってはいても心が痛みます。加えて言うまでもなく、ここ1、2年に起きている数々の災害で同様かそれ以上の状況に置かれた図書館は他にもたくさんあるわけで。

 災害というのは世界のどこかで何らかの形で恒常的に起きているものであり(ごく身近ではつい昨日も茨城県南部を震源とするやや強めの地震があったばかりです)、人間は災害にあったとしてもたくましく生きていくことを求められてしまう生き物ではありますが、それでも災害が人にも物にも深刻な、時に回復の難しいダメージを与えることがあるのは事実です。

 だからこそ日頃から危機管理意識を持って、避けられる被害はどうしたら未然に防げるか?避けがたい被害はいかに最小限で済ませるか?などを想定しておくのは大事なことだと思います。そしてそのためには災害時の記憶やノウハウを受け継いでいくことが必要であり、まさに図書館にこそ、それらを適切に保存し継承していく情報源となることが求められているのではないでしょうか。
 その手段は書物という媒体に限らず、音声や映像の媒体、そしてネットアーカイブなど、幅広い形を取っていて良いでしょう。神戸大の震災文庫のように大々的なものだけでなく、また、被害を受けたことの有無に関係なく、どこの図書館でやっていても良いことだと思います。

 ばくぜんとではありますが、23日の中越地震1周年を前にそのようなことを考えました。たくさんの自戒を込めて。

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