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2006.05.25

『エリザベート』感想(5/23夜)

 当日のキャスト:トート=山口祐一郎、フランツ=鈴木綜馬、ゾフィー=寿ひずる、少年ルドルフ=塩野魁土、ルドルフ=パク・トンハ

 いよいよ私的エリザ楽日を迎えました。
 夢を見よう、と思いつつ、それでもオープニングでゴンドラに乗って上手から登場した山口トートの凄絶な美しさに息をのんでしまいました。確かこの日は昼夜2公演をこなしているとは言え、頬はより一層こけ、目元もややくぼみ気味。なのに歌声のバズーカぶりは変わりません。ダンスはよく取りざたされるようにかなり省力化(笑)されてますが、それすら許せてきます(寛容すぎ?)。
 本日のフランツは綜馬さん。つくづく感情の揺れを表現するのが上手い方だなあ、と思って観ていました。政治犯の母親に対峙した時の迷い。現状を打ち破るものが欲しくてシシィを選んだ筈なのに、妻と母との間で揺れ動く優柔不断ぶり。取り返しの付かない過ちを犯してしまい、母に決別を告げる際にもなおこの皇帝陛下は迷っています。「夜のボート」の場では、妻に受け入れられない嘆きよりも諦めのムードに包まれているのが良いです。
 そして一路シシィは今日も光り輝いていました。シシィを皇后としていただくのはちょっとどうかと相変わらず考えてしまうのだけど、今期のシシィは「ただのわがまま女」と断じるには抵抗を覚える程の存在感を保っており、初めて、自由を求める魂を抑制できず苦しむ一人の女性として向き合うことができたように思います。魂の苦悩と挫折を経て、ルドルフの棺に取りすがる黒衣の彼女の壮絶な美しさと言ったら!
 最期のシシィとトートのキスは結構短め。ルドルフとのそれより短い気がします。まさか一路さんへの遠慮?とか変なことを勘ぐってしまいましたが、それでも絵のように美しい終幕には変わりありません。
 今期のエリザ観賞はこれで本当にラストです。「最後のダンス」の山口トートのバズーカ歌声も、マント翻しも、1幕ラストのシシィの豪奢な白ドレスも、2幕のドクトルから正体を現すトートの白い胸元も、初日近くは影が薄かったのに徐々に存在感を増してきた革命家トリオも、ナイフをもてあそぶトートの上品な色気も、ミルクに娼婦にHASS!にと変幻自在の活躍を見せるヘレネ姉さんも、そしてトートダンサーズの大活躍も、全て胸の奥に焼き付けました(何だかんだでトートが多い(^^;))。世間からは「何故何度も(結局5回通いました)観に行くのか?」と不思議がられましたが、後悔はしていません。これで心おきなく現世に戻れます。

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