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2006年8月

2006.08.24

『図書館雑誌』2006年8月号

 書物蔵の記事で、『図書館雑誌』2006年8月号掲載の「2006年度定期総会議事録」の話題を2点ほど取り上げていました。人の褌を借りるようですがアンテナに引っかかってどうしようもなかったので、以下、元記事をチェックした感想です。

 1点目は、2006年5月号の特集「地域に生きる図書館」に載った根本彰先生の論文が、同じ特集の他の記事と内容的に違っており、基調論文の役割を果たしていない、という指摘が総会の席上、滋賀県立図書館の方からあったとのこと。
 根本先生の論文を読み返してみましたが、他の特集記事と比べてとりわけ浮いているということはないように見えました。多分、書物奉行さんもおっしゃってるように、公共図書館の経営戦略として「貸出」にこだわり続ける前川先生への反論を述べたのがいけなかったのだろうと思います。
 ただ、よく読むと根本先生の論文は、貸出冊数向上のための努力そのものを批判しているのではなく、単にこれからは貸出だけにこだわってちゃだめだよ、とした上で地域コミュニティの中での新たな情報拠点としての図書館活動(特集で取り上げているビジネス支援や街興し支援も含む)をお勧めしているだけのことなので、「そんなに批判しなくても…」というのが正直な印象です。
 前川先生の功績の大きさは少しでも図書館史を学んだことのある人間であれば十二分に承知している筈で、今やそれはご本人の意図とは無関係に大きな「権威」になってしまっています。ビジネス支援がベストの手段かどうかはさておき、いつか権威はぶち壊さないと新しい物が産まれないというのがお約束だと思いますが、いかがなものでしょう。少なくとも日図協さんは、あの特集について
「たしかに結果を見てみると、ややばらばらな印象がある」(8月号p541より)
とかおっしゃらず、もう少し自信を持っても良いんじゃないでしょうか。

 もう1点は、上と同じ方から、くだんの根本先生の論文について、
「『図書館雑誌』が送られてくるかなり以前に、公共図書館員が匿名でやっているブログの中で論文の中身が流れていたようである」(同号同頁より)
という話。
 これは単純に、雑誌の配送事情によるタイムラグから生じた誤解のようではありますが、確かに、「東京っていいな」と思うのはこういう時です(笑)。前も同じようなことを書いたような気がしますが、東京から離れれば離れるほど郵便も宅配メール便も届くのが確実に遅くなるわけで。よくBBSやSNSで見かける、
「『少年ジャンプ(例)』ネタバレは○曜日まで禁止」
と同じように、東京の日図協会員には『図書館雑誌』ネタバレは一週間待って欲しいな、と願う人の気持ちも非常によくわかります。ただ、他方でインターネットならではのブログやBBSを活用した速報性というのも大事ですので、インターネットで情報を集められる以上は「ネタバレあり」のブログ等の存在も是非許容して欲しい、と思います。

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2006.08.23

夏休み食事記?

 今夜、2泊3日日光の旅から戻ってきたところです。眠いので食べ物中心に簡単レポ。

 日曜夜~火曜朝まで日光に滞在し、日光金谷ホテルに宿泊こそしませんでしたが、レトルトでしか食べたことのなかった「百年ライスカレー」をいただいてきました。現在のカレーに比べるとややどろっとしたソースで、あまり辛くなく単純そうで決してそうではない、とても食べやすい味でした。ちなみに宿泊はホテルナチュラルガーデン日光で、滞在中朝晩の食事はここのものでしたが、山葵ソースのステーキなどなかなか美味で、小さいホテルなのに頑張っている、と失礼ながら意外でした。
 帰路、昼食は宇都宮に行くたび寄っている青源で水餃子を食し、佐野のアウトレットモール等をぶらついた後、佐野ラーメンで夕食にしようとしたところ、18時過ぎというのに何と2店連続で店休日またはメン切れのため(?)閉店。3店目の正直でたどりついた赤見屋本店でようやくありついたチャーシューメンは、佐野ラーメンらしくやや塩気は強いながらさっぱりとした癖のない味で満足。ややメンが多めだったのは、閉店間際の大盤振る舞いだったのでしょうか。

 明日は午後から久々の出勤です。午後もお休みするという手はありましたが、前々から決まっていた予定があるので出勤予定です。
 旅行中少しずつではありますがメールをチェックしていたので、少なくともいくつかの仕事がたまっていることは承知しており、ややため息。それでも出勤拒否をしているわけにもいかないので、とりあえず出勤後割り切って片づけをすることにします。

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2006.08.20

『真面目な人には裏がある』批判について

 ただいま夏休み中です。当初遠くへの家族旅行をもくろんでいましたが諸般の事情でそれは叶わなかったので、取りあえず近場に避暑の宿を予約し、後2時間ほどで出発予定です。帰宅は明後日になります。

 さて、川原泉さんのマンガ『真面目な人には裏がある』(『レナード現象には理由がある』所載)について、同性愛者の描写に偏見があるとする批判が起きていることを知りました。
 昔々のちびくろ・さんぼ論争の時にも感じたのですが、こういう問題は相手が「差別・偏見の対象になった」と感じてしまったらそれはもう、対象でない(と思ってる)人が違うと考えても「差別」「偏見」として認められてしまうのだと思います。
 実際、例えば主人公とその親友が、クラスメイトの少年にホモ測定の悪戯を仕掛ける場面や、主人公の兄のゲイパートナーである青年(クラスメイトの少年の兄)の作中「バシリスク」と呼称される過激な性格設定は、カーラ教授、ちょっとやりすぎたかも知れません。

 ただ、1点気になったのは、問題の批判を書かれている方はご自身の性的マイノリティを穏やかながらきちんと前に出して主張されているということ。一方で、『真面目な人には』のゲイカップルはかなり両極端。片方は過剰なまでに強引に自らの志向をマジョリティな人たち(主に自分や相手の家族)に主張して丸め込もうとし、もう片方は多分初めから自分の志向がマジョリティに理解されることを諦めています(ある意味乗り越えているような気もする)。つまり、後者のカップルには「中庸」というのが存在しないわけです。
 この辺の設定が、性的マイノリティを「異形」ではなく数ある性格や志向の一つとして包み隠さず認めてもらった上で穏やかにありふれた生活を送りたい人達には、うんざりするものでしかないんだろうな、と思います。そして、マイノリティに対して比較的平らかな視点を持っていると信じていたカーラ教授の作品で、性的マイノリティをおちょくるような描写が現れたことは許されないのでしょう。
 このあたり、自分は少なくとも性的にはマイノリティではないので(他にマイノリティな所は山ほど持っていると自負してますけど)、あくまで想像でしかありませんが。

 本音を言えば、あのバシリスク氏の強引さに隠された内面とか、主人公の兄のどこがバシリスク氏を惹きつけたのかとか、また主人公の菩薩のような性格の兄がバシリスク氏を選んだ経緯とか、あの作品で直接描かれていない物語を読んでみたい気持ちはあります。決して川原作品に限って、本当に「ゲイの側が家族からあんなにひどい仕打ちをされてもほとんど怒りも悲しみもしない」ということはないと思うので。
 でも、カーラ教授にそれを描くことは求めません。だって正面切った恋愛物はお得意じゃないだろうし。そもそもあの方の絵柄でベタな恋愛描写は読みたくないですし(暴言?)。

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2006.08.19

別館オープンのお知らせ

 最近こちらのブログを観劇関係の記事が徐々に圧迫してきて気になっていたため、これまで書いた「ミュージカル」カテゴリの過去記事を以下の別ブログにコピー、分離してオープンすることにしました。

 日々記 観劇別館

 こちらのココログの過去記事もそのまま残しておきます。今後観劇関係(と言っても今のところミュージカルばかりですが)の記事は上で書いていく予定ですのでよろしくお願いいたします。

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2006.08.17

Web訪問者分析ツール“Demographics Prediction”

 5号館のつぶやきを偶々読んでいてMicrosoftのDemographics Predictionというアプリツールの存在を知りました。WebサイトのURLを入力するだけで、MSN Search経由などでそこのサイトを訪れる人の年齢層や性別を分析予測してくれるという楽しいツールです。

 ということで、お約束の当ブログの分析結果が以下の画像。

Msadlab_1

 性別(Gender)は男性:女性=66:34で、何故か男性の方が多い模様。も、もしかして、無駄に文章が長いから?最近お仕事(図書館)ネタは減少気味で、趣味(観劇)ネタが増殖しがちなので、長ければいいというものではありませんが。
 そして年齢層(Age)は25-34歳。ということは、自分よりややアンダーな世代が対象?うーん、確かに目上の方々を刮目させるようなネタは書いてないかも。……って、この分析アプリ、そこまで読んでるんかい!大体うちのブログは日本語だというのに、どういう仕組みで分析してるのかが謎です。恐らく全体の文字量や文節の区切り方、画像の多少やリンク先の傾向などで総合的に測っている?というところまでが、文系人間の推測の限界であります。
 ちなみに別のところで綴っている写真メインのブログを同様に解析したところ、性別はやはり70:30と男性の方が圧倒多数。そんな、中身はぬいぐるみストーリーなのに…(^_^;;)。

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2006.08.16

『ダンス・オブ・ヴァンパイア』観劇記(8/14マチネ)

 キャスト:クロロック伯爵=山口祐一郎、アブロンシウス教授=市村正親、アルフレート=泉見洋平、サラ=大塚ちひろ、ヘルベルト=吉野圭吾、クコール=駒田一

 この日は友人3名との観劇でした。うち2名、NさんとSさんは素敵な浴衣姿。もう1名の土曜日もご一緒したAさんは遠方からの3泊4日ハードスケジュール上京の疲れを押しての参加。華やいだ気分だったためか、以前は特段はまることもなかったクロロック伯爵の細かなエピソードが、本日は妙にツボに。キャストが前回の観劇と全く一緒で驚きが少なかったというのも原因のひとつかと思います。

 城を訪れた人間どもに息子のヘルベルトを紹介する時、猫を撫でるがごとく愛おしげにほっぺたを触る触る。モンスターとは言え、こんな妖しい父子がいていいのか?と、1人で爆笑。
 さらにアルフレートにスポンジを渡す時、あんな老いぼれ教授など捨て置いて自分を解放せよ、と誘いかけながらまたほっぺたをぺたぺた触ります。そんなに若い男の子のエネルギーが恋しいか!?と突っ込みMAX。また、伯爵のスポンジを使った一連の演技が実はとんでもない下ネタだということを他の観劇ブログで見知って観察していたところ、本当にそうだったということが判明。あまりに上品でさりげなさすぎて気づかず、はうぅ、と1人赤面。
 そして、メインの獲物はサラだというのに、どういうわけか「アルフレートは私のものだ」と教授に宣言する伯爵。ヴァンパイアの本能に根ざす欲望に苦悩しながら、でも舞踏会ではしっかりサラを吸血する。何て欲張りなんだろう、この初老のヴァンパイアは!

 ……というわけで、伯爵が出番は少ない癖に噛めば噛むほど実に味のある、人間の獣性と理性の双方を体現したキャラクターだということに、観劇4回目にしてようやく目覚めつつあります。実際に物語を回していくのはヘタレアルフレートと、回を重ねるごとに身なりのぼろさ加減が増していく教授の2人ではあるのだけど、やっぱりこのお話の主人公は伯爵なのだと改めて納得した次第。

 Aさんとは電車の時間の都合でカーテンコールもそこそこにお別れしなくてはなりませんでしたが、残った2名とお茶に向かう道すがらで伯爵番外編その1。その日の朝起きた首都圏停電騒ぎの原因が、何故か友人の一言で「実は伯爵のクレーンが送電線を(笑)」という話に。いや、「クレーン船」が原因の大変な事故だったのは重々承知しているのですが、あのロングトーンで伯爵が声を響かせながら電線をぶった切っている様を想像して笑いを抑えるのが苦しかったです。
 番外編その2。銀座でお茶した後、山野楽器でミュージカルCD等を物色している最中、Nさんが、
「そう言えばここ5、6日、伯爵の御髪がずーっとほつれっぱなしで気になって気になって」
と発言。実は筆者も「何アホ毛立ててるんじゃ」と髪の乱れは気になっておりました。劇場入りの際、時々朝起きたままっぽい髪型でお出ましになるという話は見聞きしたことがありましたが、よもやカツラでもやって下さるとは。……さて、翌日の公演ではちゃんととかしたのでしょうか?

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夏の大イベント参戦

 8/12は、今回で70回目を迎えた某イベントに参加してきました。
 前夜は翌朝の早起きに備えてノー残業で帰宅するつもり、だったのが、想定外に仕事が押してしまい、結局睡眠時間3時間で参加することに。
 友人Aさんの要請を受け、十数年ぶりに売り子及び買い物要員としての参加でしたが、とにかく会場は暑く、かつ熱かったです。途中14時頃、激しい雷雨が降り出しました。雨という予報だったので、おー、すごいなー、位にしか感じておりませんでしたが、宅配便屋さんには想定外の大降りだったらしく、午後というかき入れ時の時間帯に荷物発送受付が1時間近く中断。さらにクロネコさんは館内放送によれば「資材冠水」、つまり段ボールが冠水してしまったらしく、ペリカンさんより受付再開で大幅に後れを取っていました。うちのスペースは幸いにも本日送る荷物は全くなかったので閉会直後には撤収することができましたが、帰り際に見ると、まだまだ列は途切れることがないように見えました。

 会場の喧噪を抜け出して友人達と新橋の中国茶店で美味しい豆入りかき氷をいただき、続けてとある沖縄居酒屋に入ったのですが、睡眠不足と暑さがたたったのか軽い脳貧血状態に陥り、ほとんど食事を口に出来ないまま無念のリタイヤと相成りました。

 何とか電車を乗り継いで帰宅し落ち着いた頃、連れ合いから、某映像ネット配信掲示板に、恐らくはフジテレビの8/11あたりの夕方のニュースの映像と思われる、
「3日間で41万人?真夏のイベントに大集結」
というのが公開されていると聞かされ、早速視聴。
 定番の最寄り駅にあふれる群衆や会場内を走る人々の映像の他、塾通いに忙しい娘の為に仕事を休み、某同人ベテランのプロ作家さんの壁サークルに行列するお母さまのエピソードが紹介されていました。同じ年頃の自分であれば、親に自らの心の闇や煩悩をさらけ出すぐらいなら塾で泣く方を選んだだろう、と思いを馳せるうち、ニュースは何故か同人誌の著作権の話に移り変わっておりました。

 そして、「無断引用は著作権法違反」とのテロップとともに、識者のこんなコメントが。
「漫画家の人や出版社からすればそのパロディが作られるというのは、ある種それだけ人気があると…。それが今度あまりにも有名になってしまったりあるいはそれがビジネスになっていったりするとそれが今度は許せない」
 さらにこんなテロップ。
「同人誌はあくまで個人作製のためオリジナルの引用などは許可なしがほとんど」
「同人誌は非営利のため、出版社は著作権侵害を黙認しているのが現状」
 ……あのー、だから「無断引用」自体は、引用であることが明確になっていれば別に著作権法違反じゃないんですけど。また、同人誌が個人利用であるか営利目的であるかと、著作権法違反であるかも関係ないはず。確かにマンガの場合は1つの作品のどの部分までが「引用」として認められるのか?などの問題はありますが、そもそも同人誌と著作権には他にも様々な問題――例えば思いつくところでは芸能サークルでの歌詞掲載や、著作権ではないけど肖像権の問題等々――が横たわっているのだから、中途半端な味付け程度に著作権に言及して同人誌にマイナスイメージを持たせる位なら、取り上げないで欲しかった、と心底思いました。

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2006.08.09

あえて世間を敵に回してみる

 DORAさんのところで国家公務員の休息時間廃止の件に触れられていたので、ちょっと知っている人の職場の事例をひとつ。
 そこの職場ではそれまで、以下のようなタイムテーブルで営業していました。


  08:30-12:00 勤務時間(午前)
  12:00-12:15 休息時間
  12:15-12:45 休憩時間
  12:45-13:00 休息時間
  13:00-17:00 勤務時間(午後)


 ところが、今回休息時間が廃止になるのに伴い、タイムテーブルが以下のように変更されました。


  08:30-12:15 勤務時間(午前)
  12:15-13:00 休憩時間
  13:00-17:15 勤務時間(午後)


 元々17時ダッシュで帰る人というのはそこの職場では氷山の一角なので、勤務終了時刻が15分延びることについては多分大した影響はありません。ちなみに子育て中の方は、書類で申請すれば時短勤務が可能となっております。休憩時間はその分短縮されますが。
 問題は、今回の改正によって、お昼休みが短くなったと言うこと。これまでは、休息時間30分、休憩時間30分と合わせて計1時間昼休みを取れていました。ところが今度からは、お昼休みは休憩時間の45分間のみ。本当にダッシュで食事して、ちょっと食休みしたらあっという間に勤務時間です。間違っても「今日は外でランチ」などはできそうにありません。ちなみにそこの職場は結構な田舎なので、歩いていける距離に食事処は皆無。社食は一応ありますがそこの評判は(略)。

 社食があるだけ恵まれているという見方もありましょう。また、45分とは言え昼休みがあるだけありがたいと思え、と大方の人は考えられるかも知れません。……しかし、実際にそこで働いてみると、体力的には結構きついらしいです。ちなみに、民間と同じく、公務員とはいえ、毎日確実に12:15にご飯を食べ始められるとは限りません。なお、都会の霞ヶ関というところも最近同じ勤務体系になりましたが、予算要求作業がピークを迎えるシーズンになると、昼休み・昼食抜きで夕方まで働き続けることも珍しくないそうです。

 ――と、ここまで人ごとのように書いておりましたが、かくいう筆者自身も、国家公務員ではありませんが、これまではとある事情から国家公務員と同じタイムテーブル、休息時間付きで働いていました。しかし、つい最近、休息時間廃止の影響により、やはり勤務時間が、


  08:30-12:00 勤務時間(午前)
  12:00-13:00 休憩時間
  13:00-17:30 勤務時間(午後)


という形に変更になりました。微妙に国家公務員と時間が違うのがミソです。幸いなことにお昼休みは1時間確保されておりますが、その分勤務時間が30分延長になっております。

 「休憩時間」というのは確かに民間から見れば「えー?なんでー?」な制度で、これを廃止することによって国家公務員(と、それに準ずる立場の労働者)の勤務時間には何ら後ろ暗いところはなくなったと言えましょう。……でも。言わせて下さい。実質的に勤務時間が延びると、精神的に結構辛いです。そりゃ、毎日平均2時間近く残業するのが当たり前になってはいますが(だって仕事が終わらないんだもの。能力不足が最大の要因ではあるけど)、昼間夢中になって働いて、ふと一瞬だけ心に隙間が出来た17時過ぎ、終業の鐘が鳴らなくなったという事実に気づいた時、「まだ終わらないのかよ!」と叫びたくなる時が多々あります。
 と言うわけで、誰に何と言われようと、世間に甘ったれるなと罵倒されようと、筆者は「休息時間」を廃止に持ち込んだ議員さんを猛烈に恨みます。別に議員さん個人が嫌いなわけではありませんが、その仕事を決して許しはしないぞー(『オペラ座の怪人』のファントム風に)。今後恐らくそこの政党へも投票することはないでしょう。自民党と投票先をどちらにするか必ず選ばなければならないような状況になったら100%投票しないとは言えませんが。

 以下は個人的偏見に満ちた脱線解釈なので、お気に障ったら申し訳ありません。

 国家公務員及びそれに準ずる仕事に就く人々は政府の下で働く以上、政府に文句を言うことはできないわけだけど、多分これから国家だけでなく公務員関係の職場というのは、政府の方針でどんどん「美味しくない」職場になっていくことが確定しております。言い訳に聞こえたらアレですが、自分は別に美味しさを求めて公の仕事についたわけではありません。ただ、その世間から見て美味しくない職場をあえて選んで入ってくる人というのは実際に減り始めているわけで。ある仕事に就く競争率が減るということは、それだけ就職する人の質が落ちるということにつながると思います。「民の時代」とは言うけれど、では、公をないがしろにして良いか?と言うと、決してそうではない筈です。
 最も、「では、今まではそんなにいばれる品質だったのか?」と突っ込まれると、うーん、と天を仰ぐしかありませんが。でも、これから、今までの品質以下に落ちていく一方なのではないかと、そんな気がしてならないのです。この不安が、これから杞憂になることを願ってやみません。

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2006.08.06

『ダンス・オブ・ヴァンパイア』観劇記(8/5マチネ)

 キャスト:クロロック伯爵=山口祐一郎、アブロンシウス教授=市村正親、アルフレート=泉見洋平、サラ=大塚ちひろ、ヘルベルト=吉野圭吾、クコール=駒田一

 8月初、トータル3回目のダンス・オブ・ヴァンパイア(TdV)観劇に出向いてきました。同行の友人は夏らしく浴衣での観劇。服装は考えた末、手持ちのプリーツプリーズのベージュのシャツに別のスーツのベージュのパンツ、シースルーの白い八分袖シャツのセットといたしました。我ながらあまり突っ込みどころのない服装で、少し心残り。

 今回も、全体的に大きなハプニングもなく、実に楽しい舞台でした。2ヶ月公演も後半戦となり、キャストの皆様に良い意味での余裕が出てきたように見えます。

 今回は、ようやく伯爵の客席登場通路に近い席(1FJ列センター)に座ることができました。噂通りの気配を消した静ーかな足運びで雲を突くように大きい、黒マントをまとった伯爵(ベタな比喩だ…)が通り過ぎる瞬間、何故か自分も息を殺して見守ってしまいました。
 山口さん、本日の歌声も絶好調、バズーカロングトーンも見事でした。ただ、今さらなんですが、何故この方は歌う時両手を胸の当たりに構えて、前に出したり横に広げたりして動かしてしまうんでしょう?きっと一番声を出しやすいポーズなんだろうとは思いますが、今まで見てきた演目(4つくらいしかありませんが)で、歌い上げるナンバーの時は割とこのポーズを取られていることが多いです。あんなに手を振り回して風呂場で迫ってたら、サラが惹かれるどころか退いちゃうぞ?と思わないでもありません。でも顔と声と立ち姿が美しくて、舞台も客席の隅々までも我が手の内にあり!というような立ち居振る舞いを見せてくれます。「抑えがたい欲望」他のナンバーでは、歌声ひとつで観客をヴァンパイアの哀愁に包み込んでくれます。だから好きです。

 教授も絶好調でした(笑)。早口ことばの流暢さはただ口を開けて見守るばかりです。どのシーンでも軽やかで弾むような所作に、教授という奇天烈で愛すべきキャラクターが余すことなく表現されていて、ひたすら上手いなあ~、という感じ。

 そして本日のアルフレートは泉見君。浦井アルフが、箱入りで育ったけど、変わり者と評判の父上の酔狂で教授に身元を預けられてしまった、格の高い貴族の三男坊だとしたら、泉見アルフは家の商売が傾きかけて兄さんがお店を支えている中、苦学して大学に入ったら何故か教授につかまっちゃった商人の次男坊だと勝手に妄想しております。どっちも長男ではないところがポイントです。
 浦井アルフは母鳥の翼の下を離れたばかりの弱々しい雛鳥が初めて美少女を見て刷り込みされて目覚めた感情のもと、教授に叱られそして伯爵に煽られて突っ走る感じ。こっちはこっちで好きなんですが、泉見アルフは、今までも数々挫折してきたけど、この一世一代の恋だけは!と、弱い自分と戦う純粋な男の子ぶりが見ていて気持ち良いです。実年齢ではたぶん浦井君より十歳ぐらい上なのに、全く違和感がないのは凄いと思いました。

 アルフの悪夢シーンのダンスはだいぶ直視できるようになりました。加賀谷さんのしなやかな振りが割と好きです。このシーンの他にも、サラの家出ダンスや墓場のヴァンパイアダンスなど、7月の最初の頃に比べると随分アンサンブルの動きが自然になってきたように思います。

 ヘルベルト入浴シーンは、カーテンが開いたらいきなり片肌脱ぎしていました(^^;)。同行の友人(吉野さんファン)によれば「泉見君、素で驚いているように見えた」そうですが、観客にも衝撃的な場面でした。

 カテコは8月に変わるらしい、という話でしたが、どこが変わったのか素人目にはよく分かりませんでした。自分にわかるのは、伯爵が舞台の中央に立ってにっこりとスタンディングを煽ると脊髄反射でスタンドアップしてしまうということだけです(^^;)。

 ――さて、本日の私的ハイライトは幕間恒例のクコールお掃除にありましたので、これをもってしめくくりといたします。最近どんどん1幕最後の伯爵への頭突き&すりすりがエスカレートして、可愛い度が急上昇しているクコール。休日なので伴奏無しのお掃除。時々息をついて伸びをしながら紙吹雪をハタハタするクコール。そこに「彼はどこー?」とクコールに語りかける野太い声が。上手から現れたのは、真っ黒な日傘にサングラスをかけ、トランク(たぶんアルフの)を持ったヘルベルト!服装は1幕登場時のスーツでした。も、もしかして、昼下がりなどの日が陰ってくる時間になったら、あの格好でお外をうろついてるんですか?ヘル。彼は「アルフレートー!」という呼び声を上げながら下手に捌けていき、クコールも首をかしげながら退場して行きました。意外な共演が見られて何よりでした。

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2006.08.03

佐々木丸美さんの訃報と著書復刊

 以下の記事を読んで、作家の佐々木丸美さんが昨年亡くなられたこと、また、佐々木さんが生前ひたすら拒まれていた、絶版になった著書の復刊が、ご遺族の許可を得て実現することになったことを知りました。

 Copy & Copyright Diary - 著作物は誰の物
 復刊ドットコムblog: 佐々木丸美復活!

 高校在学中に母校がこの方原作(後から振り返るとストーリーはかなり違ったけど)の映画『雪の断章』のロケに使われたことで初めてお名前を知りましたが、実際に『雪の断章』に始まる連作小説を友人に借りて読んだのは大学生になってからでした。どっぷりはまるというまでは行きませんでしたが、あの独特のファンタジックでほんのりミステリーの香りも漂わせた、異なる作品の登場人物同士がゆるやかに連環している佐々木ワールドには一時期かなり惹きつけられました。そんなわけで、訃報を聞いてひたすら嘆息しています。

 以下、さっき事実を知ったところなので、後で気持ちが整理されて変わるかも知れませんが。
 一般にリリースされた著作物は既に著者だけのものではなく、読者のものでもある、という考えは、本当にそうだと思います。しかしその一方で、それでも著者の固い意向があるなら仕方がない、著者がそう願っているのなら諦めもつく。そのように納得していた自分がここにいます。権利問題というのは情実抜きでシビアに判定されるべきものであり、ご遺族が了承されたということなので文句を言う筋合いはどこにもないのですが。…でも作家本人の遺志がどんなに強かったとしても、ご本人がこの世からいなくなられた以上、今やどうにもならないのだな、と思うとやはり「複雑」なのです。

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