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2006.08.09

あえて世間を敵に回してみる

 DORAさんのところで国家公務員の休息時間廃止の件に触れられていたので、ちょっと知っている人の職場の事例をひとつ。
 そこの職場ではそれまで、以下のようなタイムテーブルで営業していました。


  08:30-12:00 勤務時間(午前)
  12:00-12:15 休息時間
  12:15-12:45 休憩時間
  12:45-13:00 休息時間
  13:00-17:00 勤務時間(午後)


 ところが、今回休息時間が廃止になるのに伴い、タイムテーブルが以下のように変更されました。


  08:30-12:15 勤務時間(午前)
  12:15-13:00 休憩時間
  13:00-17:15 勤務時間(午後)


 元々17時ダッシュで帰る人というのはそこの職場では氷山の一角なので、勤務終了時刻が15分延びることについては多分大した影響はありません。ちなみに子育て中の方は、書類で申請すれば時短勤務が可能となっております。休憩時間はその分短縮されますが。
 問題は、今回の改正によって、お昼休みが短くなったと言うこと。これまでは、休息時間30分、休憩時間30分と合わせて計1時間昼休みを取れていました。ところが今度からは、お昼休みは休憩時間の45分間のみ。本当にダッシュで食事して、ちょっと食休みしたらあっという間に勤務時間です。間違っても「今日は外でランチ」などはできそうにありません。ちなみにそこの職場は結構な田舎なので、歩いていける距離に食事処は皆無。社食は一応ありますがそこの評判は(略)。

 社食があるだけ恵まれているという見方もありましょう。また、45分とは言え昼休みがあるだけありがたいと思え、と大方の人は考えられるかも知れません。……しかし、実際にそこで働いてみると、体力的には結構きついらしいです。ちなみに、民間と同じく、公務員とはいえ、毎日確実に12:15にご飯を食べ始められるとは限りません。なお、都会の霞ヶ関というところも最近同じ勤務体系になりましたが、予算要求作業がピークを迎えるシーズンになると、昼休み・昼食抜きで夕方まで働き続けることも珍しくないそうです。

 ――と、ここまで人ごとのように書いておりましたが、かくいう筆者自身も、国家公務員ではありませんが、これまではとある事情から国家公務員と同じタイムテーブル、休息時間付きで働いていました。しかし、つい最近、休息時間廃止の影響により、やはり勤務時間が、


  08:30-12:00 勤務時間(午前)
  12:00-13:00 休憩時間
  13:00-17:30 勤務時間(午後)


という形に変更になりました。微妙に国家公務員と時間が違うのがミソです。幸いなことにお昼休みは1時間確保されておりますが、その分勤務時間が30分延長になっております。

 「休憩時間」というのは確かに民間から見れば「えー?なんでー?」な制度で、これを廃止することによって国家公務員(と、それに準ずる立場の労働者)の勤務時間には何ら後ろ暗いところはなくなったと言えましょう。……でも。言わせて下さい。実質的に勤務時間が延びると、精神的に結構辛いです。そりゃ、毎日平均2時間近く残業するのが当たり前になってはいますが(だって仕事が終わらないんだもの。能力不足が最大の要因ではあるけど)、昼間夢中になって働いて、ふと一瞬だけ心に隙間が出来た17時過ぎ、終業の鐘が鳴らなくなったという事実に気づいた時、「まだ終わらないのかよ!」と叫びたくなる時が多々あります。
 と言うわけで、誰に何と言われようと、世間に甘ったれるなと罵倒されようと、筆者は「休息時間」を廃止に持ち込んだ議員さんを猛烈に恨みます。別に議員さん個人が嫌いなわけではありませんが、その仕事を決して許しはしないぞー(『オペラ座の怪人』のファントム風に)。今後恐らくそこの政党へも投票することはないでしょう。自民党と投票先をどちらにするか必ず選ばなければならないような状況になったら100%投票しないとは言えませんが。

 以下は個人的偏見に満ちた脱線解釈なので、お気に障ったら申し訳ありません。

 国家公務員及びそれに準ずる仕事に就く人々は政府の下で働く以上、政府に文句を言うことはできないわけだけど、多分これから国家だけでなく公務員関係の職場というのは、政府の方針でどんどん「美味しくない」職場になっていくことが確定しております。言い訳に聞こえたらアレですが、自分は別に美味しさを求めて公の仕事についたわけではありません。ただ、その世間から見て美味しくない職場をあえて選んで入ってくる人というのは実際に減り始めているわけで。ある仕事に就く競争率が減るということは、それだけ就職する人の質が落ちるということにつながると思います。「民の時代」とは言うけれど、では、公をないがしろにして良いか?と言うと、決してそうではない筈です。
 最も、「では、今まではそんなにいばれる品質だったのか?」と突っ込まれると、うーん、と天を仰ぐしかありませんが。でも、これから、今までの品質以下に落ちていく一方なのではないかと、そんな気がしてならないのです。この不安が、これから杞憂になることを願ってやみません。

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コメント

地方は何でも国に準拠、ということで、通知が廻ってきまして...休息時間を廃止してもさして体制は変わらないのですが、仕事をテキトーにやってる癖に有給の休息時間を剥奪されたと騒ぐ人を見掛けたので苦言のエントリーでした。真面目にやっていて拘束時間が延びても実質変わらない人も大勢いることは十分承知してますけど(^^;)

>>「美味しくない」職場
その通りだと思います。図書館も開館時間延長、祝日開館などで勤務条件が悪化する一方、延長分は時差勤務で吸収、つまり残業にはしない...さらには国の勧告により給料は下がる一方という状況で、公務員が安定した職場というのはこれからは「神話」と化すのかもしれません。結局、技能を要するお金が掛かる仕事はすべて民間に任せてしまおうという事でしょう。それでも司書になりたいという希望は沢山あって、安い賃金でも飛び付いてしまうので悪循環です。だから、本音を言えば、世間から見てもう少し魅力を感じるような勤務条件をつくってもらいたいです。

愚痴っぽいコメントになってきたようですので、この続きはまた自記事で書きます。
では。

投稿: dora | 2006.08.10 05:43

>dora様
この系統の話をするとやはりどうしても愚痴になってしまうのはやむを得ないかと思われます。給与据置も定員削減も民間委託も、公費節減という目的に叶ってはいるのですが、将来を考えると、節減できたからそれで落着、という単純な扱いはして欲しくないものです。

「面白いけどそれだけで食べていけるプロは一握り」な仕事というのが世間にはいくつか存在しますが、司書という仕事のプロ性が一般社会にあまり知れ渡っていない上、そのプロ性とやらを発揮する場がどんどん狭まっているのはやりきれません。
#そもそも発揮できるほどのプロ性を有しているかについては人によりけりかと思いますが(^^;)

投稿: MIZUKI | 2006.08.10 21:20

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