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2008年11月

2008.11.28

Library of the Year 2008 天の邪鬼な感想

 既に多くのブログ等で取り上げられていますが、第10回図書館総合展内で開催されたLibrary of the Year 2008に千代田図書館が選ばれたそうです。

Library of the Year 2008大賞は千代田区立千代田図書館(カレントアウェアネス-R)

 いや、千代田図書館、誰がどう見ても受賞に値すると思うのですよ。思うんですけどね。「何で今更?」と思ってしまいました。
 落ち着いて考えてみればリニューアルオープンしてから1年半しか経っていなくて、去年はまだ評価するには時期尚早だったと思うのだけど、何なんでしょう、この違和感は。去年の選考結果でも何で別のノミネート館が大賞をもらわないの?と思ったものですが、あれは「違和感」というより「意外感」だったなあ。
 当然ここがもらうに決まってるだろ、という所がもらわなければもらわないで「あれ?」と思うし、もらうべき所が当然のようにもらっても「何で?」って思う。我ながら何て勝手で天の邪鬼なんでしょう。主催者&審査員の皆様ごめんなさい。

 というわけで、今日はこれから図書館総合展に行ってきます。夏冬の某イベントでも買い専な私なので、ひたすら「見る専」「聞く専」ではありますが。

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2008.11.27

堺市立図書館のBL図書引き上げ問題に寄せて

 所謂堺市立図書館のBL(ボーイズラブ)図書引き上げ問題(参照リンク)について、以下、少しだけ語らせてください。

 初めに。自分自身はBLに特に抵抗はありませんが、積極的に読む方ではありません。というより、「BLだから読む」とか「BLだからイヤ」とかそう言う区別はほとんどしていなかったりします。そもそも絶対的な読書量が多いとは言えませんから、BLだからもどうもこうもないのですけど。
 BLの熱心な読み手でも書き手でもない私ですが、漫画界では24年組、小説界では栗本薫ら先駆者の先生方が、自分の作品世界を自分が本当に描きたい形で描くためにいかに苦労したか、というエピソードを見聞きしてしまっているので、彼女らの作品の血脈を何らかの形で汲んでいるであろう今のBLについて、あまり感情を抑えて見ることができずにいます。そりゃ物によっては目のやり場に困るようなどぎつい内容の作品もあると理解してはいますが、何と言うか、必要以上に聖域化してしまっているとでも申しましょうか。
 自分の本質をえぐり出す程にディープに好きな本は図書館で買ってもらうのではなく、どちらかと言えば見つかる危険を冒してでも手元でひっそり保管して愛でたいと考えています。もし自分がBL好きな「腐女子」だったとしても、それらの本を図書館にリクエストするという行動を起こすことは、まずないでしょう。
 自身の傾向としてはそんな感じですが、BLに一定の読者層が存在し、その作品世界を大切に愛しているという事実は理解しており、そうした読者の愛が不本意に引きずり出され汚されるようなことはあってはならないと思っています。

 図書館側の人間としては、所謂「町の図書館」について、「図書館の自由」だなんだと言っても行政機構の一員である以上、いくら図書館の資料収集方針に沿って購入された図書資料であろうと何だろうと、条例で有害図書指定をかけられたり、個人情報を晒している等の理由による閲覧制限扱いが決まったりしたような図書資料の閲覧規制には従わざるを得ないと考えています。
 ましてや今回の堺市の問題には、ある種の団体だの議員だのの圧力等ドロドロした裏があるっぽい話も、ちょっとググっただけでいくつも出てきます。
 でも、有害図書にも閲覧制限図書にもなっておらず、しかも市民(10代の自活していない子供だとしても市民は市民)に一定の需要がある図書資料を一括書庫行きにして、更に廃棄を約束させられるという状況が許される根拠が、どうしてもよく分かりません。
 安価な文庫類は購入しないとか、文庫でもBLやラノベのレーベルは買わない、とか資料収集方針で決められているんなら話は別ですが、堺市の場合そういう収集方針ではなかったようです(参考:堺市立図書館資料収集方針)。むしろ、基本方針の2の、

(3) 子どもたちが読書の喜びを発見し、情緒豊かに成長していくのに役立つ。
(4) 若者たち(ヤングアダルト)が多様なメディアによる資料を介して、自己の可能性を発見し、健やかに成長するのに役立つ。

という条文に、青少年が多種多様な資料を貪欲に摂取して大人になることを全肯定する姿勢が見出せますし。

 というわけで、一図書館業界人としては、この問題、どんどん叩いちゃってくださいって思っているのでした。叩けば叩くほど、「図書館の自由」という概念がいかに脆い足場に立っているかについても、その脆い足場をどうやって強化していくかについても、議論を深めることができるのではないか、という期待を持っています。
 一方、図書館の一利用者、否、読書という行為に思い入れのある一個人としては、
「もうBLを、そしてその世界を愛する人々をもうそっとしておいてやってくれ」
とも強く思ってしまっていたりもします。どうも今回の問題を叩くことによってそっちの世界が土足で踏みにじられるんじゃないかという恐れから抜け出せません。議論が深まれば誰かが傷つくことは避けられないので、所詮は甘ったれた考えだと頭では理解できているのですけれどね。

 ……それとも、腐女子はそこまでヤワじゃないですか、そうですか。
 それに、何だかんだ言われつつ、BL作品も例え図書館に置けなくなったとしても、雑草のように出版界で生き残っていくことでしょうし。図書館屋的にはだから安心、では全く済まない問題ですが。

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2008.11.16

ATOKダイレクトのAmazon検索プラグインを使ってみる

 最近、ATOKダイレクト API for Perl/Rubyの機能を使ってamazonの検索ができるプラグインを作った人がいるらしい、という話を目にしました。
 作者さんのブログはこちらです。
 ATOKでAmazon検索。(SaikyoLine.jp)

 「ATOKダイレクト」というのはATOK2008から採用されたメニューで、ATOKに簡単にプラグインを追加して、ATOKの変換メニューからWeb検索等を行えるようにしているものです。そのプラグインをPerlやRubyで作れるようにしたAPIを使ったのが上のamazon検索プラグインだそうで。
 私はかなり保守的な人間で、検索ぐらい横着しないでブラウザから直打ちすればいいじゃん、というのが通常の姿勢です。しかし、図書館屋として、「amazonが辞書のように引ける」という機能を見過ごせず、つい釣られてしまいました。

 以上、前置きが長くなりましたが、自分のWindows PC(OS:Windows XP Professional SP3)にAmazon検索プラグインを導入してみました。
 ちなみにPerlはラマ本で挫折、UNIX系アプリは一般ユーザ権限でしか使ったことのない素人です。PCはあくまで道具箱。どうやらアタマがスクリプトに向いた構造になっていないようです。
 導入手順は次のとおり。

  1. amazonの「AWS Access Key ID」を取得する。
  2. ATOKダイレクトを有効にする。
    (参考:ATOKダイレクトって何?(Windows版)
  3. 以下のPerlとRubyをセットアップする。
    【Perl】ActivePerl 5.8.8 build 822
    【Ruby】Ruby 186-25
  4. nokogiri(1.0.0)もセットアップする。
  5. 作者さんのブログから、amazonプラグインのセットアップファイル(ZIPで提供)をダウンロードして、解凍。
  6. 解凍フォルダ内のスクリプト本体(DATA\amazon_search.rb)の9行目の「AWS Access Key ID」を、1で取得したものに書き換えてから、セットアップする。
  7. ATOKダイレクトの環境設定で「Amazon検索」を有効にする。

 基本的にはこれで導入は完了です。
 自分的に迷ったポイントは、次の2点でした。

「AWS Access Key ID」って何?
 初耳だったのでとにかくググってみました。
 Amazon Web サービス(AWS)の概要 [Perl講座 -Smart]

によれば、よく分かりませんが(オイ)、AmazonのWebで提供されているデータを流用して別のWebサービスで利用するためには必須のIDらしいです。
 amazon.co.jpのアカウント登録なら持っていましたが、どうもこのIDはamazon.comでないと発行していないらしいので、amazon.comにアカウント登録してIDを取得しました。

PerlやRubyに下位互換はない?
 上にPerl, Ruby, そしてnokogiri(Rubyのモジュールの1つ)のバージョンを併記していますが、このバージョンをきっちり守らないとAPIが動いてくれません。
 最近はWindowsでも、ソフトウェアのバージョンによりVista未対応というのは珍しくありませんが、UNIX由来のアプリケーションを久々に触ったので、最初うっかり新しいバージョンのPerlを入れてしまい、しばらく悩みました。
 困ったのはnokogiri 1.0.0。Rubyでは

gem install [モジュール名]

でモジュールをリモートから引っ張ってきてインストールできる、ということは分かるのだけど、これだと最新版(1.0.6, 1.0.5)しか引っ張ってこないみたいだし……と散々悩んだ末、自力解決をギブアップ。人に尋ねて、以下のとおりバージョン指定してやれば良いということがやっと判明しました(悲しいぐらい素人)。

C:\ruby>gem install nokogiri --version '= 1.0.0'
Select which gem to install for your platform (i386-mswin32)
1. nokogiri 1.0.0 (x86-mswin32-60)
2. nokogiri 1.0.0 (ruby)
3. Skip this gem
4. Cancel installation
> 1
Install required dependency hoe? [Yn]  y
Install required dependency rubyforge? [Yn]  y
Successfully installed nokogiri-1.0.0-x86-mswin32-60
Successfully installed hoe-1.8.2
Successfully installed rubyforge-1.0.1
Installing ri documentation for nokogiri-1.0.0-x86-mswin32-60...
Installing ri documentation for hoe-1.8.2...
Installing ri documentation for rubyforge-1.0.1...
Installing RDoc documentation for nokogiri-1.0.0-x86-mswin32-60...
Installing RDoc documentation for hoe-1.8.2...
Installing RDoc documentation for rubyforge-1.0.1...

C:\ruby>

 肝心のプラグインの実行については、下2図のような感じです。

Adamazon01

 単語を入れて、ATOKで変換前に[Shift]+[Ctrl]+[Ins]を押下し、「Amazon検索」を選ぶと、下図のような「ATOKダイレクト候補」が提示されます。
 ちなみにISBN入力(ハイフンなし)でも商品名を引くことが可能です。

Adamazon02

 候補間の移動はSpaceキーで。
 適当な候補で[Shift]+[Enter]を押下すると、amazon.co.jpの該当商品ページが開きます。

 このプラグイン、書名のうろ覚え検索にももちろん便利ですが、上記のようにISBN検索にも対応してるし、あと、簡易にamazonの書名を引っ張ってきて文書に入力したい時にも便利そうです。
 機能的にはジャストシステム公式のサンプルで提供してくれても良い位だと思います。ただしその場合はPerl, Ruby抜きで(^_^;)。

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2008.11.15

イオンが屈服するニオイ?

 我が家では約2年前からSANYOのAQUA(品番:AWD-AQ1)という洗濯機を使っています。  この洗濯機の機能として、洗剤を使わずオゾンの力で洗う「洗剤ゼロコース洗濯」というのが付いているんですが、これまでその機能を利用したことがありませんでした。以前「洗剤ゼロ」で洗おうとした時、洗濯所要時間として表示された時間が信じられない長さだったため(2時間とかそういう単位だったと思う)、急遽中止してそれきり使わずじまいだったのです。
 ところがつい最近、 「どうせ洗濯は朝タイマーをかけて夜洗い上がるようにセットするんだから、時間がかかってもいいじゃないか!」 と気がついて(もっと早く気づけ)、初めて「洗剤ゼロ」でタイマー洗濯を試してみたところ、予想以上に綺麗に洗い上がることが判明。早速愛用し始めたのは良いんですが、一つだけ問題が起こりました。

 ……何故か落ちないのです。私の靴下のニオイだけ
 確かに私の足は臭いですが、職場ではできるだけミュール(来客時にも失礼にならないよう、一見普通の革靴っぽくデザインされたもの)を履いて、臭気を醸成しないよう努力しているつもりです。
 なのに洗った靴下は臭いままなのです。革靴を履いている時間が私の何倍も長い連れ合いの靴下のニオイは綺麗に落ちているのに。この足、イオンでも分解できない臭さだったなんて。
 いえ、足の臭さそのものが、足指・足裏への防臭クリーム塗布や靴の天日干しや除菌スプレーで改善されることは、長年の経験で学習済みなのですが、「自分のニオイだけ落ちない」という事実は結構ダメージが大きかったりします。
 エコな洗剤として定評のあるイオンを屈服させたニオイ。ひれ伏せさせても全然嬉しくございません(T-T)。
 ということで、次回はもっと違うことで勝ち運を使いたいものです。

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2008.11.06

知恵袋に老婆心を働かせてみる

 最近、それなりに日常で愉快なこととか考えさせられることとか色々起きているんですが、大半は仕事がらみなので流石にここには投下できません。
 先日取り上げた図書館ねこの本は、記事を書いた翌日ぐらいに連れ合いあてにamazonさんから届いて、まだ読んでいる途中。また、最近の最大の趣味の話は別ブログの方で盛り上がっている最中です。

 というわけで、世間様にネタを頼ります。早速、本日知ったニュースから。

Yahoo!知恵袋、All Aboutと連携
Yahoo!知恵袋×All About プロファイル 専門家回答 - Yahoo!知恵袋

 専門家の皆さんがYahoo!知恵袋で回答してくださる部門は今のところ、「住宅」「マネー」「法律」「ビジネス」「キャリア」「医療・健康」の各部門だそうです。

 All About プロファイルにはある「ペット」部門が何故か知恵袋にないのは謎。

 これらのうち「法律」「ビジネス」「医療・健康」については図書館でのサービスも試みられていますが、ビジネス以外はさほど一般的になっているわけではありません。
 今後、分からないことは専門家に直接訊く、が当たり前になる時代がやってくるのでしょうか?
 一応、公共図書館からは「類縁機関」と呼ばれる所に勤めているので、困った時に専門家を頼りにしてくれるのは基本的に歓迎です。私自身で答えることはできないけれど、道筋をつなげることはできますからどうぞご利用ください、という感じです。まあ、類縁機関の図書館の資料もあわせて頼ってくれるならもっと歓迎しますが(^_^)。
 一方で、その前に自分で調べるという文化も廃れないで欲しいと願う気持ちもあります。自分で調べない人を揶揄するググレカスという言葉もありますが、もっとネット以外も含めた幅広い範囲の話。
 こういう考えは普通の人から見て、所詮司書のエゴに過ぎない?と思ったりもします。調べ物を渋々やっている人に取ってはさっさと答えが分かる方が良いでしょうし、それに明らかに調べ物に向いていないタイプの人というのもいます(どういう人か具体的な言及はしません)。大体私自身、レファレンサーとしては圧倒的に修行が足りない上にもう何年も実務を離れているので、レファレンスの勘みたいなのはかなり薄れてきている実感があります。

 迷わず専門家に相談した方が良い事例(上の知恵袋の専門家常駐部門に属するもの、一刻一秒を争うもの等)もあれば、自分で調べることで実になる事例(以前、どう見ても司書課程の宿題だろう、という内容が知恵袋の質問に掲載されていたなんてこともありました)や、自力でとことん調べることでやっと納得できる事例なんてのもあります。
 ……なんてこと、今更私ごときが語らなくても良い、多分杞憂なことなのだろうけれど、物事を調べて知るには色々なルートがあるということを、誰にも忘れないでいてもらいたいものです。

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