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2009年11月

2009.11.24

図書館総合展参加報告(3) : 第6回ARGカフェ&ARGフェスト@横浜

 図書館総合展のメイン会場の隣りのパシフィコ横浜会議棟で開催された「第6回ARGカフェ&ARGフェスト@横浜」。参加してから10日以上が過ぎてしまい、今更ですがレポートを記させていただきます。
 第1部は、若干加筆いたしましたが、ほぼその場で取ったメモそのままの内容です。第2部では遠方かつ翌日通常出勤につき1次会で失礼してしまいましたが、本当に名残惜しかったです。

第1部:ARGカフェ
《岡本さんの開会の言葉》

  • ARG400号達成、ARG企業化のご報告
  • 雑誌『情報管理』2009年10月号:長神さん、岡本さんの執筆記事へのアクセスが1位でした。

《ライトニングトーク》

  1. 文学資料はどこにある?」岡野裕行さん(文学館研究会)
    図情大での修士論文:三浦綾子の書誌作成
    三浦綾子記念文学館での調査経験→図書館情報学の観点からの文学館研究への取り組みにつながる。
    文学館:文学資料を専門的に収集し保存し公開している施設
    2つの系統:文学博物館、文学資料館
    文学館研究:文学館は博物館の一種と考えるのが妥当、との意見をもらったこともあるが異議あり
    「文学館研究会」の発足:2009.1 個人的に設立
    文学館という建物を図書館の一種(専門図書館)として捉えることにこだわり
    しかし文学館という用語を用いている限り図書館畑は注目してくれない。
    「文学館研究」を個人的に創刊:図書館情報学、博物館学、アーカイブ学などの観点から研究

    【私の感想】
    後からフェスト会場でご本人と少しお話しする機会がありました。文学館は博物館的要素(保存・展示)だけではなく図書館的要素(利用提供)も有しているので単純に博物館と断じることはできない、という考え方に大変納得しています。


  2. 「あなたの疑問に全国の図書館員が答えます―レファ協私設応援団のひそかな野望」宮川洋子さん(福井県立図書館)
    レファ協私設応援団副団長(団長は宮城県図書館の熊谷さん(ブログ「レファ協ほめまくり」の中の方))
    レファ協参照三位:アントニオ猪木座右の銘
    レファ協を見た方からある日電話:作者判明
    →あえてレファ協は「未解決」にしてある(該当事例)。
    福井県立「覚え違いタイトル集」:情報募集中!
    自分の覚え違いも混じっている。
    →Twitter→はてブ→ITmediaの記事に
    記事になった直後は多数電話をいただいたが……情報募集中。
    図書館の定番事例から、ちょっとくすっと笑える事例をぜひ教えてほしい。

    【私の感想】
    長いことレファ協の参照ランキングで「猪木座右の銘」は1位だったのですが、少し見ない間に別の調査が1位と2位になっていたという事実に驚きました。


  3. 「研究コミュニティを俯瞰してみよう」大塚真吾さん(物質・材料研究機構)
    研究会やシンポジウムのプログラムを解析したらその研究コミュニティの生々しい人間関連が見えた。
    シンポ等のプログラム:Webなどで公開
    セッションが同じ発表者:異なる大学や研究所の関連付けとみなし過去10年ぐらい、40回分の研究会等を解析
    →Graphvizで解析、図を作成
    ・先生と弟子の関係なども明確に。
    ・ハブ的な人は若手の研究者だった。→将来的な活躍を期待
    結果があっているかどうかの判断は自分の知っているコミュでしかできないので客観的評価が難しい。

    【私の感想】
    今回のお話はあくまで本来の大塚さんの研究の隙間から生まれた内容なのかも知れませんが、本気で『情報管理』辺りに載っても良さそうな内容だと思いました。


  4. 「目は口ほどにものを言う?-Web情報探索行動における視線情報の分析」江草由佳さん(国立教育政策研究所)
    Web情報探索行動の研究
    CRESプロジェクト:全員所属も分野も違う。
    ・利用者に実際に検索を行ってもらい、操作記録、操作画面の映像などの分析を実施、眼球運動を測定
    視線情報の分析方法:見た場所をブロック(Lookzone)に分けて人手でカウント(担当:佐藤翔さん(笑))
    眼球運動測定装置をつかって情報探索行動のこんなところをとるとおもしろい、などのアイディアをぜひ。

    【私の感想】
    あの「かたつむりの人」こと佐藤さんはこんな所でもお手伝いをされていたのか(笑)、ということはさておき、もしこれを使って人体の動きからウェブアクセシビリティを測定できるとすれば面白いです。


  5. 「内と外-勉強会@中央線2年の軌跡」福林靖博さん(国立国会図書館)
    中央線に縁のあって情報ネタに興味があるメンバー3名で勉強会を続けてきた。
    2008.2から実施している。月一回、19:30~22:00開催
    これまで20回開催
    テーマ:図書館(NDLのマンガ雑誌の保存とデジタル化など)、スパムメール、ラーニング・コモンズ、出版流通, etc.
    必然と偶然による「場」の設計
    ・参加者(中央線)、内容(情報)、開始終了時間の設定:ゆるいシバリ
    →ゆるい=グダグダではない
    2年続いたがあまり長く続けるのは難しいのでそろそろやめたいが、次も何かやりたい。

    【私の感想】
    「中央線沿線の住人であること」をスペシャライズする人は結構多くて、地方者がそれを見ると鼻につく時もあるのですが(沿線の皆様ごめんなさい)、こういうゆるくて前向きなスペシャライズは歓迎です。


  6. 「図書館員の視点で見た学び直し講座-私の“あはっ”体験」下地雅美さん(沖縄県立看護大学附属図書館)
    社会人の「学び直し」講座
    なぜ図書館で?:図書館の人員と部屋確保のため
    2008.3まで:那覇市立図書館に在職
    図書館からの転職も考えていたので事務局(事務員)の仕事は苦にならない。
    図書館の窓口担当として、受講者の資料探しの手伝いが求められる。
    野良司書として次につながる仕事と考えている。

    【私の感想】
    「野良司書」「次の仕事に向けたキャリアアップ」は今の司書のビジネスモデル上避けて通れないのだと改めて思いました。
    あと私的には、下地さんのように「能力を発揮できて高められるなら別に働くのは図書館という場でなくても構わない(変な思い入れがない)」方の存在はとても大事だと考えています。


  7. 「劇的!図書館ビフォー・アフター」坂本成生さん(横芝光町立図書館)
    デパート婦人服売場での体験を生かした図書館運営:説明が大変
    というわけで今回は横芝光町立図書館の紹介です(^^)。
    よく言われること:ネットだけの仮想空間図書館では?→そんなことはない。
    横芝光町の場所:チーバくんの頸動脈位置(笑)
    横芝光町は:合併で生まれた町。合併により面積が倍になった。
    ご本人:体重-25kg減
    『ず・ぼん』No.15の特集記事もご覧ください。

    【私の感想】
    「横芝光町の場所はチーバくんの頸動脈」に爆笑させていただきました。
    フェストでもお話を伺いましたが、図書館業界に横芝光町立図書館の実力の評判が広まる一方、図書館運営に吹く風は必ずしも追い風だけではなさそうで、坂本さんがまた減量されてしまうのではないかと気がかりです。


  8. 「絵本のお医者さん細うで繁盛記」佐藤あづみさん(岩沼市図書館)
    「絵本のお医者さん」とは?
    破れてしまった絵本を図書館の修理道具で直して見せるイベント
    企画・意図・背景
    汚損本・破損本を何とかしたい
    「かたい」(礼儀正しい)利用者
    マナー啓発展示:利用者の嘆き
    →嘆かせるのではなくもっと楽しく呼びかけられないか?
    セロテープで直してくる利用者→正しい対応を知って欲しい。
    そこで「おもちゃのお医者さん」から発想
    「本」だと大変なので「絵本」に限定→ほかの職員に受け入れられた→実施
    成果:参加者の笑顔、喜び , etc.

    【私の感想】
    司書の方はやはり、こうやって利用者の反応や感想を直に知るのが好きだからこそ皆司書という職業をやっているのだと思いました。



  9. 「反論のススメ-M・R的ライブラリアンの育て方」茂出木理子さん(お茶の水女子大学附属図書館)
    東大職員として採用時:国家公務員はほかの仕事に口出しならず、との講話→ふつふつと怒り
    この怒りがエネルギーの原点に。
    現場の職員:実証しないと反論にならない
    MR的ライブラリアンとは?
    「Modeki Rikoの略ではありません」
     R:うさぎ(Rabbit)
     M:向こう見ず
    ある日向こう見ずうさぎが柵を越えた、という説話。
    うさぎはただ向こう見ずだっただけ。図書館業界のことを考えたとかそういうわけではない。
    そもそもメインのイベントである総合展の会場ではなく、この場にいる人は「向こう見ず」
    →会場で自分を向こう見ずだと思う方!
    →手を挙げられた向こう見ずさんな女性お二人にうさぎをプレゼント

    【私の感想】
    公務員の業務の縦割りについて、深ーく頷かされました。この仕組みはかつて国の直轄であった大学や研究機関が法人化されようが何しようが関係なく、未だに根強く残っているという現実があります。
    図書館ではそんなこと言ってられない局面が多く存在する、と言いたいのですが、大きい組織の場合は図書館でもそういう状況が発生しても何の不思議もありません。
    状況を打開するために「柵を越える」こと、そして柵越え仲間を増やすことはやはり大切だと、柵の真下で思案しながらもたもたしてばかりのうさぎとしては思いました。
    そしてフェスト会場に行ってから、実は「向こう見ずさん」お二人ともTwitterで会話したことのある方(しかもうちお一人は以前からブログでも交流あり)だったと知り驚きました。


  10. 「論文ったー作ってみた。」山田俊幸さん(山形大学工学部図書館)
    論文ったー(@ronbuntter)について
    CiNiiのウェブAPIコンテストに応募→落選orz
    CiNii×Twitterの組み合わせ
    buzztter→Twitterで話題になっている(ばずっている)キーワードの抽出→「空気を読む」論文のレコメンドを行う。
    例1)鳩山総理の所信表明演説の話題でばずる→歴代総理演説の分析論文をおすすめ
    例2)漫画「とある科学の超電磁砲」でばずる→レールガン論文をおすすめ(笑)
    とあるTwitterユーザ(研究者?)の感想:通常仮説や解決すべき課題が明確な論文しか見ないので新鮮である。

    【私の感想】
    「何故こんなに面白いAPIがCiNiiのコンテストに入選しない!?」と疑問でなりません。
    恐らくは、図書館の業務として作られたAPIではない、という点で他のAPIの方にプラスポイントが加えられたのではないかという推測はできますが。でも論文ったー、見ていて楽しい、APIってこんなこともできるのか、という面白さを教えてくれるbotとして、もっと評価されて良かったと思うのですけれど。


  11. 「沖縄県の図書館コミュニティ-沖縄県図書館協会誌発行・FLU40開催をとおして」大谷周平さん(琉球大学附属図書館)
    沖縄県図書館協会
    協会誌:年一回発行、有志10人程度による編集、現在通巻24号、Webでも公開
    メンバーの固定化や減少による危機感
    →FLU40沖縄会場の開催
    沖縄会場参加者25名(図書館情報学研究者や公文書館も含む)
    ここでできたつながりを継続的にもっと大きくしていきたい。

    【私の感想】
    沖縄県内でのつながり。県外とのつながり。そして異なる世代間のつながり。シンプルではありますがどれも大事なことだと思うのです。
    ……いいなあ、FLU40。行きたかったなあ(まだしつこく言ってます)。


  12. 「みんなの共有財をつくるためのプラットフォームをデザインして」杉浦裕樹さん(ヨコハマ経済新聞、横浜コミュニティデザイン・ラボ)
    大学時代は脳内神経化学専攻、であったが、大卒後舞台監督に。
    地域商店会の「仕掛け」に協力→今に至る
    ・地域SNS立ち上げ
    ・過去の写真のアーカイブ(CCライセンス)
    今後のヨコハマ経済新聞:イベント情報などへのひも付けとともに「本」に関係する知識とのひも付けも。

    【私の感想】
    図書館総合展の関係からか今回の登壇者が図書館情報学系・情報学系に偏っていた中、数少ない別分野=マスコミ関係の方でした。こういう他分野の方のお話が訊けるのは、やはりARGカフェならではです。

《岡本さんのまとめ》

  • 今回の登壇者:飲み会で口説いた人も。
  • 逆に3名ほど再登壇の方は遠慮いただいて申し訳なかった。
  • 『丸善ライブラリーニュース』7・8号に執筆しているのでよろしく。
    今回は佐藤翔さん、井上真琴さんも執筆。
  • 「本のある時間」:慶応の先生と岡本さんのコラボ
  • WebDBフォーラム:長尾館長、百度・井上社長(元・ヤフー)も参加

第2部:ARGフェスト
 昨年と同様、関内82ALE HOUSEでの開催でした。
 ライトニングトーク登壇者の方とももちろんお話ししましたが、それ以外の方ともたくさん出会い、お話しすることができました。ネットでお名前だけお見かけしていた方ともリアルにお会いして、日頃暴言を吐いている自分としては結構恐縮しまくったりして。
 でも、後から名簿を読み返すと、あの方にも、この方にも、全然話しかけられなかった!と後悔しまくりです。これは次の機会に賭けるしかあるまい、と思いましたが、でも次回のARGカフェ会場って確かつくば……。自分は地元なので不測の事態が起こらない限りは何とかなりそうだけど、いくらTXが開通して数年経ったとは云え、東京や他の地方からの「遠い」イメージがなかなか払拭できないこの地。果たして皆さんいらしていただけるのだろうか?と、主催者でも何でもないのに大きなお世話でちょっと心配ではあります。

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2009.11.16

図書館総合展参加報告(2) : ポスターセッション

 第11回図書館総合展報告その2です。
 今回、時間的制約から、フォーラムは“Library of the Year 2009”しか聴いておりません。
 「ポスターセッション」も当初展示会場のみで見る予定でした。しかし、成り行きで正午を挟んで実施されていた、ポスターセッション出展者によるミニプレゼンを少しだけ拝聴する機会に恵まれました。と申しますか、2Fのミニフォーラム会場でそんなプレゼンが行われているなんて、パンフを見る限りでは知るよしもなかったわけですが(^_^;)。ちなみに私はポスターセッションの出展者経由で知りました。

 で、ミニプレゼンの感想ですが、会場にマイクなし、しかも皆が行き来するメイン通路の真横の部屋だったので、実はあまり発表者の声が良く聞こえず難儀いたしました。廊下で呼び込みされている方の声の方が良く響くような状態で、プレゼン慣れしていてお腹から声の出せる方とそうでない方の明暗がくっきり分かれたように思います。例えば慶應義塾大の田辺さん(Next-L)のプレゼンはお師匠様直伝(?)のアグレッシブさで、後ろの席までよーく聞こえました。
 ごくごく個人的に悔しかったのは神戸学院大有瀬キャンパス図書館の「図書館コミュニティ『喜・楽』」。このコミュニティでは図書館の学生ボランティアによる積極的活動が行われているのですが(お茶女大のLiSAのような感じ)、ふと、
「もしかしたら、こんな風に図書館の学生ボランティア活動を学生教育そして研究の対象として位置付けるようなやり方を、20年近く前の図情大の『公開図書室』でできていたら、あの図書室は『市立図書館ができたから』と言って閉鎖されずに済んだかも知れない」
と考えてしまいました。もちろん当時の公開図書室の学生ボランティアにせよしっかり意志を持って活動していたでしょうけれど、あの活動にそうした教育・研究上の位置付けがきちんとなされていたか?というと、そうではなかったと思うのです。まあ、実際にボランティアをしていたわけでもない人間(月2回程度サークル活動はしていました)が、今更そんなことを言ってみても詮ないわけですが、使いようによってはあの図書室、興味深い実験場になったのではないかと妄想すると、なくなったのは実に惜しいことでした。というわけで、神戸学院大やお茶女大の学生ボランティアさん方には是非これからも面白い実験的取り組みに励んでいただきたいと思います。

 ポスターセッション展示会場は、午前の到着直後と“Library of the Year 2009”の終了後のわずかな時間のみ見ることができました。会場で1対1で説明をいただいたのは、渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターの小出さん、そしてお茶の水女子大の茂出木さんのお二人でした。
 小出さんからは大変折り目正しく、丁寧に情報センターの取り組みを説明いただきました。うぅ、こういう穏やかにして重みもあり、それでいて時代の流れに的確に対応できていそうな、そういうベテラン司書さんに私はなりたい、と思っていたのですが。その道は遥かに遠そうです。
 茂出木さんはまずご衣装に圧倒されまして(参照:お茶の水女子大LiSAブログ記事)、すみません、こんなんで隣りに立ってごめんなさい、と真剣に謝りたくなりました。女性としては、あのご衣装をすんなり着こなせる体型に素直に頭が下がります。
 お茶女大図書館の皆さんに、図書館の良い所を書いてもらったという、寄せ書きのようなポスターが、キャンディのようにポップでパステルな色合いで本当に綺麗でした。そして、自分で、こんな風に働いていて「良い所」を言えるような環境作りを果たしてこれまで行ってきただろうか?と目を開かされる内容でした。仕事への誇りと愛着ってやはり大事です。

 他のポスターも駆け足で拝見しましたが、どのポスターもそれぞれに作った人の「思い」が伝わってくる良い内容だったと思います。ビジュアルや色合いで目を引いたのはやはりお茶女大、国立国会図書館(ゆるキャラ(?)「れはっち」あり)、渋沢財団情報センター、神戸学院大、和光大学(ゆるキャラあり)、農林水産研究情報総合センター、Project Next-L、Museology-Labo(Next-M)あたりでしょうか。
 なお、Next-LとNext-Mには相関関係は特にありません。ポスターが隣り合わせに貼られていましたが、きっと事務局のささやかな遊び心だと思われます。ちなみに両方のポスターにはメッセージを書いた付箋を貼れるようになっていましたが、それぞれの付箋が、

「ついに名前をまねられるくらいのプロジェクトになったことに感動しています」(Next-Lポスターの付箋より)
「NEXT-“L”の次だから“M”」(Next-Mポスターの付箋より)

となっていて、笑わせていただきました。
 ポスターセッションについてはとりあえず以上です。次回はARGカフェ&ARGフェストについて書く予定です。

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2009.11.14

図書館総合展参加報告(1) : Library of the Year 2009

 11月12日、第11回図書館総合展3日目に出向いてきました。まず軽く展示を見た後に、成り行きでポスターセッションにエントリーされた方のミニプレゼンを聴くことになり、それはそれで軽く思うところがあったのですが、その話はひとまず置いときまして。
 当日13:00から1Fの展示会場内の特設B会場にて「Library of the Year 2009 最終選考会」(主催:NPO知的資源イニシアティブ(IRI))が開催されたので、会場で聴講し、大賞の投票にも参加してきました。
 “Library of the Year 2009”とは何ぞや?というのは上のリンクをどうぞ。また、優秀賞(大賞候補)の3館およびプレゼンター、そして図書館の選考基準はそれぞれ次のとおりです。

優秀賞:

選考基準:

  1. 今後の公共図書館のあり方を示唆する先進的な活動を行なっている。
  2. 公立図書館に限らず、公開された図書館的活動をしている機関、団体、活動を対象とする。
  3. 最近の1~3 年間程度の活動を評価対象期間とする。

 会場から携帯電話を使いTwitterでリアルタイムレポートを流しました。誤変換や用語の不統一もありますが、以下、そのまま再録いたします。補足事項は当該投稿の下に赤字コメントで示します。

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Library of the Year 2009(勝手にLY09と略す)会場。携帯接続状況いまいちにつき多分つだれませんが、最初に昨年最優秀の千代田区立館長の挨拶、今年の最終候補紹介、只今選考方法と審査員紹介。 #sogoten
※つだる=tsudaる
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審査員代表で小林さん@六本木libからご挨拶。 #sogoten
※小林麻実さん(六本木ライブラリー)
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大阪市立中央の館長さんご挨拶。糸賀先生プレゼン。座長がやってよいのかと自ら呟かれながら開始。 #sogoten
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知識を創造する情報の図書館へ@大阪市立 #sogoten
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商用DBを地域館全館のOMLISで提供@大阪市立。オムリスでなくオムライスと呼んで欲しいという先生のあおり。 #sogoten
※DB=データベースのこと。一応補足。
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商用DBはサイトライセンス契約。地域館からの利用実績高。OPACとの連動と企画力、指導力、変革力、交渉力故であり評価すべき点。 #sogoten
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渋沢財団情セプレゼン。小出センター長ご挨拶。図書館という館名ではないが図書館として評価されたのがうれしいとのこと。 #sogoten
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岡本さんプレゼン開始。公共的役割を果たしている図書館を評価するというLoYの選考基準をひいて渋沢財団をリスペクト。 #sogoten
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生み出されている情報・知識:情報:・知識の典拠を明示→安心して利用できることを評価。 #sogoten
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4.5人の司書、アーキビスト、学芸員のスタッフ構成。 #sogoten
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財団経営=「民間公共」の力を評価。 #sogoten
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奈良県立情報のプレゼン。館長多忙につき代理の方がご挨拶。賑やかな図書館を目指し多目的活動。 #sogoten
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宮川さんプレゼン開始。何故奈良県立か?それは奈良県立が好きだから。 #sogoten
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創立100周年で、現名になってからは4年目。伝統ある図書館の果敢な挑戦。館自らが文化発信の主体。有料企画や企業とのタイアップやスタジオ・IT機器貸出など。 #sogoten
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blogによるイベント情報発信@奈良県立。図書館フロアを使った演劇なども。 #sogoten
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図書館の有料イベント。寄席も開催。有料でもお客を呼べるイベントの企画力。 #sogoten
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これらの取り組みは奈良県立の資料充実あってこそ。(このへんもう少し突っ込んで聞きたいなあ) #sogoten
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プレゼンテーターディスカッション。糸賀先生から全DBが地域館から使えるわけではない(大半は利用可)との補足。契約額1084万円。 #sogoten
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岡本さんコメント。期せずして「図書館が主体に」が3館の共通点。情報が溢れる中情報を産むだけなら簡単だが知識に基づく情報を示せる渋沢財団を推奨。 #sogoten
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宮川さんコメント。いつも岡本さんの後にコメント、と会場に笑い。奈良県立はなんと言っても「おしゃれ」。つくりこんだ図書館の情報は探しづらい。奈良県立は作り込まれていない分探しやすい。 #sogoten
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糸賀先生コメント中。大阪市立の粘り強い交渉力をやはり評価。携帯バッテリがやばいので以後ははしょりつつ。。 #sogoten
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渋沢財団のスタッフには海外も含めあちこちで出会う。茂原さんは専図協メルマガも運営。 #sogoten
※岡本さんのご発言。「専図協メルマガ」は「専図協専門図書館メーリングリスト」の言い間違いと推測(専図協メルマガも実在)。(2009.11.15 15:10訂正)
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LOY会場投票中。 #sogoten
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会場票最多は大阪市立。審査員票最多も大阪市立。大賞は大阪市立に決定。 #sogoten
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表彰式後、大賞館投票者から抽選で5名に図書カードプレゼント(私は他館に投票(^^;))。以上でLoY終了。 #sogoten
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 最後に選考会の感想を一言述べておきますと、大賞候補の3館、どれも本当に甲乙付けがたい素晴らしい活動をされていることが、プレゼンターの皆様の言葉から伝わってきました。その中から、

  • 図書館として先進的・型破りであるだけではなく、従来の図書館に期待されてきた(今も期待されている)業務に根ざした先進性を有していること
  • 図書館職員の経営能力が存分に発揮されていること

をアピールすることに成功したプレゼンが大賞につながったのだと思います。ちなみにレポートをお読みいただくと分かりますが、自分自身は大賞館には投票していません(^_^;)。自分が利用者として出かけたならきっと一番楽しいだろう、と思った館に投票したのですが、選考結果には大いに納得しています。
 というわけで、参加報告、多分次に続きます。

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2009.11.12

横浜へ

 最近全く図書館に縁のない生活を送っていますが、めげずに本日横浜の「図書館総合展」に参加します。
 出足がかなり遅れてしまい、現地には11時過ぎ着見込みです。自腹で前泊しておくべきだったと後悔しつつ、展示とポスターセッションを駆け足で見て、席が空いていればフォーラムを1つ聴き、その後ARGカフェ&フェストに参加予定です。未だに人見知り気質から抜けられませんが楽しめると良いな、と願っています。
 最大の心配事は、最近かなり体力が落ちていて翌日に疲労が残り易くなっていること。極力負担をセーブしつつ、翌日無事通常出勤できることが小さい目標です。恨むぞ、今年の火〜木開催。

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2009.11.04

図書館員の服装・リターンズ

 本日、以下の図書館系なブログ記事を読み、私の中で「これは一言語りたい」スイッチが入ってしまいました。

 WITH11月号に出てくる司書さんの話 - とはずがたり

 『With』2009年11月号に載っていたという、司書のお姉さんのコーディネート記事、気になっていましたが雑誌を買い損ねていたのでありがたいレポートです。
 ただ、記事で司書ファッション(笑)を纏っているお姉さんはどうやらプロのモデルさんのようですね。プロフィール欄の記述は「そういう(いかにもありそうな)設定」ということなのでしょう、きっと。

 しかしこのお姉さんが「なんちゃって司書」かどうかはこの際関係ありません。
 実際、数年前に自分が働いていた図書館に、ブリーチヘア・パンツが見えそうなミニスカ・ヒール高めのロングブーツのギャルファッションの子なら実在しました。既に辞めて別の図書館に移ってしまいましたが、いつまで経ってもギャル喋りが抜けなかった上、仕事の出来と姿勢がちょっと残念だったのが惜しまれます。
 司書の服装についての自分の考え方はこちら(図書館嬢な衣装(2004.12.19記))やこちら(図書館員の服装(2004.12.21記))やこちら(図書館のクールビズ(COOL BIZ)(2005.06.03記))にも書いたことがあります。あ、あとこっち(セクスィー司書(2008.03.08記))も入るかも:-)。要は、まあ、私個人として好みな服装傾向は多少ありますが、一般的には来館者に対する節度を守りつつ、自分が働きやすければ何でもよろしい、というのが持論です。

 自分自身の場合は、

  • 不器用なので爪が長いとキーボードが上手く打てない。
  • 長髪が好きだが首筋に髪が垂れるのがうざったいので髪を下ろしておけない。
  • 花粉症等目に出るアレルギー持ちなのでコンタクトはNG(4年程頑張ったこともありますが断念)。
  • 遺伝的要因で足首が絶望的に太いのでミニスカ姿が美しくない。
  • 若い頃から下半身肥大継続中につき、おしゃれ服(9号・11号が主体)が着られない。
  • 夏は暑がりだが冷房に弱い面倒な体質、冬は極度の寒がり故に下半身をさらせない。
  • 服装をバッチリ決めている時に限りかなりの確率でなりふり構わない作業姿勢を強いられる(例:脚立に載る/机の下に潜り配線をする , etc.)
  • 足形が極端な甲高幅広のため、おしゃれなハイヒールを履くと地獄を見る(普通の足形の人にこれは理解してもらえないでしょう)。
  • 足が脂性なのでブーツ履きっぱなしだと脱いだ時地獄を見る。

等の事情により(またまた長い自分語りごめんなさい)、内勤を良いことに地味で「綺麗なお姉さん」のかけらもない服装で通常勤務しています。
 しかし、だからと言って司書が「綺麗な(素敵な・ダンディな)お姉さん(お兄さん・オバさん・オジさんでも可)」を目指すことを少しも止める気はありません。但し、それぞれの職分をきっちり(体力のある人・仕事意欲が溢れるほど強烈な人は更に余録を付けても可)こなすことが大前提です。おしゃれな格好を厭わずホコリをかぶりつつ書庫整理とか、資料入りダンボール箱運びなんてやられたり、図書館システムの未来について語られたりなんかしたら、女性でも萌えます。
 あと、図書館の母体組織や、派遣司書さんである場合の派遣元との契約により、制服やドレスコードが定められている場合は話が別かと思います。とは言え高校時代から制服のない生活を送ってしまった自分には、そうした「明確な服装規則」の存在は逆に羨ましかったりもしますが(贅沢?)。

 とにかく、身近にそういう「綺麗で素敵な司書さん」が現れたら全力でリスペクトしてしまいそうです。いえ、綺麗で素敵な女性やダンディな男性は身の回りに結構いるんですけどね。何しろ自分が現時点で図書館現場にいないのがネックです。
 あと、自分でも「綺麗で素敵」を目指すことをまだ諦めてはいけない、と思います。思うだけなら罪でも贅沢でも何でもない……ですよね?

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2009.11.01

たかが4コマ漫画、されど。

 お久しぶりです。10月は全くブログを書かないまま11月になってしまいました。
 最近かなり精神が停滞気味です。逃げたい現実は多すぎるくらい多いですし、Twitterの図書館クラスタは現場事情に関する知識を最新にアップデートしていないと絡めませんし、U40も遠くから見守るだけでしたし、歯医者で大きい虫歯を治療中に虫歯があと2本発見されて当分通わないといけないことが確定しましたし(長くてすみません……)。

 こういう時の自分は、何か家事などをしている間は良いのですが、ふとした日常の隙間に脈絡のない厭世観に囚われてしまう傾向があります。そこから脱出する方法として、大体次の手段に走っています。

  1. 観劇に出向く→たっぷり半日は時間が必要。資金もそれなりに必要。
  2. 何か甘い物を食べる→手軽だがカロリーの関係で無制限摂取は不可。
  3. ブログやTwitterに何か書く→携帯電話またはWeb接続端末さえあれば可能。
  4. 4コマ漫画を読む→雑誌代・単行本代はかかるが手軽に家の中でできる。

 異論はあるかも知れませんが自分の中でのお手軽度は4>3>2>1の順番となります。1は家ではできませんが2~4は可能。2は確実に体重増加に貢献しますが(加齢により身体の代謝が落ちているので)、3、4は少なくともノーカロリー。また、3は頭を使いますが4は使わずとも可。ポイントは「4コマ漫画」であり、ストーリー物、例えば士郎正宗作品のように欄外にまで細々描き込まれているものではないという所にあります。あれはあれで面白いですが。
 但し、自分が単行本まで買って読む作家はみずしな孝之、小坂俊史、ひらのあゆ、樹るう、といったラインナップですが、前のお二人はともかく後のお二人はどちらかと言えば「ストーリー4コマ」的な作品の方を得意とされています。もちろん4コマの文法を比較的守っている作品も好きなのですが、そうでない作品も好きなわけで、そう言う人間が本当はあまり大きい声で「4コマ漫画が好き」とはあまり言ってはいけないのかも知れませんが。でも「好き」と言わせていただきます。

 ということで、上記の作家さん方の中では、樹るう『わたしのお嬢様』(1巻2巻3巻)に最近癒されています。「なんちゃってヴィクトリアン」と言いつつ19世紀イギリスの空気をしっかり取り込み料理していて、ギャグとシリアスのバランスが取れていて読み応えがあります。Amazonのレビュー(上のリンクはbk1ですが(汗))で「日曜にやっていた名作アニメを4コマホームコメディにしたような」という評価があるように、安心して読めますし。それなりに影を引きずって生きているキャラ達の描写に悪意がないのが上手い、と思います。
 この方の作品では『ポヨポヨ観察日記』や『そんな2人のMyホーム』(1巻2巻)もキャラが立っていて可愛くて、お話も面白いです。
 ちなみに一応図書館系ブログらしいことも書いておきますと、『わたしの―』と『そんな―』にはちょっとだけ図書館も登場します。前者は3巻に、主人公の思い人が通う大学の図書館が登場。館内描写等は背景として出てくるだけなので調べてませんが、恐らく「なんちゃって」だと思われます(^_^;)。後者は1巻に、主人公の舞ちゃんが公共図書館らしき場所のカウンターで、エプロン姿の司書に「忍者文字」についての本のレファレンスを依頼する場面が出てきました。多分作者さんの日常に図書館の存在が割と自然に溶け込んでいるのだろう、と思わせてくれる雰囲気で、割と好感が持てる場面でした。

 というわけで精神的リハビリ手段その3にお付き合いいただきありがとうございました。この次はリハビリではなく普通に書きたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

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