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2012.11.26

第14回図書館総合展に行ってきました : 『LRG』感想編

 第14回図書館総合展に参加してきた話は、前の記事でも述べさせていただきましたが、今回楽しみにしていた企画の1つに、図書館専門誌『ライブラリー・リソース・ガイド』の創刊号発売がありました。
 『ライブラリー・リソース・ガイド』(以下、『LRG』とします。)については、次の記事をご参照ください。

2012-11-14(Wed): 「ライブラリー・リソース・ガイド」創刊号、通信販売と会場受取の先行予約、開始のお知らせ | ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) / アカデミック・リソース・ガイド

 発行人、編集責任者のいずれも旧知の方であることもあり、彼らの図書館に関する知見を持っていかなる雑誌に仕上げるのか?という期待を持って待ち望んでいた次第です。 一足先に図書館総合展に出向いた家族が入手してきてくれた『LRG』を、自らが図書館総合展に出向く道中で読み始めました。

 この雑誌についてはたくさん賞めたい点があるので、まずは僅かに「惜しい」と思った点を先に述べさせていただきます。

 まずは雑誌のタイトルについて。どうも出版者側は『ライブラリー・リソース・ガイド』を正規のタイトルとしたかったらしいのですが、所謂日本目録規則(NCR)やNIIのコーディング・マニュアル等のルールに従うと、標題紙及び表紙にでかでかと“LRG”という名称が大きく示されている以上、この雑誌の書誌は『LRG』を主タイトルとして起こさなければならないのでした。ただもちろん『ライブラリー・リソース・ガイド』を並列タイトルとして起こすことは可能なので、出版者側の意図が完全にスルーされるわけではありません。
 また、号数として「創刊号/2012年 秋号」とのみ記されていますが、雑誌として図書館に受入登録することを考えると、できれば数字の号数が付与されていた方が親切であったと思います。

 以下は評価したい点です。

 創刊号ということで、前国立国会図書館長の長尾真先生による特別寄稿「未来の図書館を作るとは」が掲載されていました。
 p.9~48という40pに渡る、専門用語も少なからず使われた内容であるにもかかわらず、脳にすんなりと入り込み溶け込んでくる、不思議な文章でした。
 一見使い古されたかに見える「電子図書館」という言葉を、読者に対して光り輝く未来の可能性として提示し希望へと導いてくれる、貴重な文章でもあると感じました。
 文中で専門用語がさりげなく自然に解説され、解きほぐされているのが、こうした印象を抱くに至った一因であると思われます。良記事です。

 そして、編集責任者の嶋田綾子さんによる特集記事「図書館100連発」。

 こういう「もしかしたらうちの図書館でも真似できるかも知れない」あるいは「既にこんなバリエーションでうちの図書館でも実施している、と手を挙げられる」知恵袋的な企画は結構好きです。
 その昔、雑誌『暮しの手帖』に「エプロンメモ」や「すてきなあなたに」という日常生活を送る上でのちょっとしたアイディアや、話の種になるお洒落な話題についてのコーナーが、連載されていました。今回の一連の記事を読み、ふとこのコーナー記事を思い出しました。
 見慣れた図書館業務の風景の中にさりげなく生かされている知恵を再発見し、採り上げ評価、紹介するというこの企画は、実は図書館業務に相当目が肥えていて、「気づき」の視点を有していないと成り立たない、絶妙な性質のものであると思います。

 ところで、最初に「携帯使用者のために電話ボックスを設置」(file048, p.100)を読んだ時、
「これ、公衆電話機を撤去したボックスをそのままリサイクルしてると思うんだけど、何故そのリサイクル精神に言及しないのかな?」
と思い、著者の方にもその旨ツッコミを入れてしまいました(行動する前に深く考えないのは私の悪い所です)。しかし、よく考えてみたら本文にもあるとおり、
「携帯電話の使用を制限するのではなく、使用できる場所を用意する、という利用者の立場に立った解決策」
を用意していることが最重要点であって、リサイクルかどうかは実際の所どうでも良い点でした。反省。
 なお、100連発の一覧については、図書館総合展1日目(11月20日)に開催された以下のフォーラムのレポートでも紹介されています。

図書館100連発-フツーの図書館にできること | 第14回 図書館総合展

 定価2,500円(税抜)という価格については、世間の「雑誌」全般から見ると相対的には決して安い方ではありません。ただし「学術誌」として捉えると、必ずしも高額ではないと、個人的には考えています。

 『LRG』は、少しずつ、噛んで含めるように図書館の面白さ、そして可能性を味わえる雑誌であるというのが、創刊号の全体的な印象です。2号目にも期待しています。

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