2009.11.24

図書館総合展参加報告(3) : 第6回ARGカフェ&ARGフェスト@横浜

 図書館総合展のメイン会場の隣りのパシフィコ横浜会議棟で開催された「第6回ARGカフェ&ARGフェスト@横浜」。参加してから10日以上が過ぎてしまい、今更ですがレポートを記させていただきます。
 第1部は、若干加筆いたしましたが、ほぼその場で取ったメモそのままの内容です。第2部では遠方かつ翌日通常出勤につき1次会で失礼してしまいましたが、本当に名残惜しかったです。

第1部:ARGカフェ
《岡本さんの開会の言葉》

  • ARG400号達成、ARG企業化のご報告
  • 雑誌『情報管理』2009年10月号:長神さん、岡本さんの執筆記事へのアクセスが1位でした。

《ライトニングトーク》

  1. 文学資料はどこにある?」岡野裕行さん(文学館研究会)
    図情大での修士論文:三浦綾子の書誌作成
    三浦綾子記念文学館での調査経験→図書館情報学の観点からの文学館研究への取り組みにつながる。
    文学館:文学資料を専門的に収集し保存し公開している施設
    2つの系統:文学博物館、文学資料館
    文学館研究:文学館は博物館の一種と考えるのが妥当、との意見をもらったこともあるが異議あり
    「文学館研究会」の発足:2009.1 個人的に設立
    文学館という建物を図書館の一種(専門図書館)として捉えることにこだわり
    しかし文学館という用語を用いている限り図書館畑は注目してくれない。
    「文学館研究」を個人的に創刊:図書館情報学、博物館学、アーカイブ学などの観点から研究

    【私の感想】
    後からフェスト会場でご本人と少しお話しする機会がありました。文学館は博物館的要素(保存・展示)だけではなく図書館的要素(利用提供)も有しているので単純に博物館と断じることはできない、という考え方に大変納得しています。


  2. 「あなたの疑問に全国の図書館員が答えます―レファ協私設応援団のひそかな野望」宮川洋子さん(福井県立図書館)
    レファ協私設応援団副団長(団長は宮城県図書館の熊谷さん(ブログ「レファ協ほめまくり」の中の方))
    レファ協参照三位:アントニオ猪木座右の銘
    レファ協を見た方からある日電話:作者判明
    →あえてレファ協は「未解決」にしてある(該当事例)。
    福井県立「覚え違いタイトル集」:情報募集中!
    自分の覚え違いも混じっている。
    →Twitter→はてブ→ITmediaの記事に
    記事になった直後は多数電話をいただいたが……情報募集中。
    図書館の定番事例から、ちょっとくすっと笑える事例をぜひ教えてほしい。

    【私の感想】
    長いことレファ協の参照ランキングで「猪木座右の銘」は1位だったのですが、少し見ない間に別の調査が1位と2位になっていたという事実に驚きました。


  3. 「研究コミュニティを俯瞰してみよう」大塚真吾さん(物質・材料研究機構)
    研究会やシンポジウムのプログラムを解析したらその研究コミュニティの生々しい人間関連が見えた。
    シンポ等のプログラム:Webなどで公開
    セッションが同じ発表者:異なる大学や研究所の関連付けとみなし過去10年ぐらい、40回分の研究会等を解析
    →Graphvizで解析、図を作成
    ・先生と弟子の関係なども明確に。
    ・ハブ的な人は若手の研究者だった。→将来的な活躍を期待
    結果があっているかどうかの判断は自分の知っているコミュでしかできないので客観的評価が難しい。

    【私の感想】
    今回のお話はあくまで本来の大塚さんの研究の隙間から生まれた内容なのかも知れませんが、本気で『情報管理』辺りに載っても良さそうな内容だと思いました。


  4. 「目は口ほどにものを言う?-Web情報探索行動における視線情報の分析」江草由佳さん(国立教育政策研究所)
    Web情報探索行動の研究
    CRESプロジェクト:全員所属も分野も違う。
    ・利用者に実際に検索を行ってもらい、操作記録、操作画面の映像などの分析を実施、眼球運動を測定
    視線情報の分析方法:見た場所をブロック(Lookzone)に分けて人手でカウント(担当:佐藤翔さん(笑))
    眼球運動測定装置をつかって情報探索行動のこんなところをとるとおもしろい、などのアイディアをぜひ。

    【私の感想】
    あの「かたつむりの人」こと佐藤さんはこんな所でもお手伝いをされていたのか(笑)、ということはさておき、もしこれを使って人体の動きからウェブアクセシビリティを測定できるとすれば面白いです。


  5. 「内と外-勉強会@中央線2年の軌跡」福林靖博さん(国立国会図書館)
    中央線に縁のあって情報ネタに興味があるメンバー3名で勉強会を続けてきた。
    2008.2から実施している。月一回、19:30~22:00開催
    これまで20回開催
    テーマ:図書館(NDLのマンガ雑誌の保存とデジタル化など)、スパムメール、ラーニング・コモンズ、出版流通, etc.
    必然と偶然による「場」の設計
    ・参加者(中央線)、内容(情報)、開始終了時間の設定:ゆるいシバリ
    →ゆるい=グダグダではない
    2年続いたがあまり長く続けるのは難しいのでそろそろやめたいが、次も何かやりたい。

    【私の感想】
    「中央線沿線の住人であること」をスペシャライズする人は結構多くて、地方者がそれを見ると鼻につく時もあるのですが(沿線の皆様ごめんなさい)、こういうゆるくて前向きなスペシャライズは歓迎です。


  6. 「図書館員の視点で見た学び直し講座-私の“あはっ”体験」下地雅美さん(沖縄県立看護大学附属図書館)
    社会人の「学び直し」講座
    なぜ図書館で?:図書館の人員と部屋確保のため
    2008.3まで:那覇市立図書館に在職
    図書館からの転職も考えていたので事務局(事務員)の仕事は苦にならない。
    図書館の窓口担当として、受講者の資料探しの手伝いが求められる。
    野良司書として次につながる仕事と考えている。

    【私の感想】
    「野良司書」「次の仕事に向けたキャリアアップ」は今の司書のビジネスモデル上避けて通れないのだと改めて思いました。
    あと私的には、下地さんのように「能力を発揮できて高められるなら別に働くのは図書館という場でなくても構わない(変な思い入れがない)」方の存在はとても大事だと考えています。


  7. 「劇的!図書館ビフォー・アフター」坂本成生さん(横芝光町立図書館)
    デパート婦人服売場での体験を生かした図書館運営:説明が大変
    というわけで今回は横芝光町立図書館の紹介です(^^)。
    よく言われること:ネットだけの仮想空間図書館では?→そんなことはない。
    横芝光町の場所:チーバくんの頸動脈位置(笑)
    横芝光町は:合併で生まれた町。合併により面積が倍になった。
    ご本人:体重-25kg減
    『ず・ぼん』No.15の特集記事もご覧ください。

    【私の感想】
    「横芝光町の場所はチーバくんの頸動脈」に爆笑させていただきました。
    フェストでもお話を伺いましたが、図書館業界に横芝光町立図書館の実力の評判が広まる一方、図書館運営に吹く風は必ずしも追い風だけではなさそうで、坂本さんがまた減量されてしまうのではないかと気がかりです。


  8. 「絵本のお医者さん細うで繁盛記」佐藤あづみさん(岩沼市図書館)
    「絵本のお医者さん」とは?
    破れてしまった絵本を図書館の修理道具で直して見せるイベント
    企画・意図・背景
    汚損本・破損本を何とかしたい
    「かたい」(礼儀正しい)利用者
    マナー啓発展示:利用者の嘆き
    →嘆かせるのではなくもっと楽しく呼びかけられないか?
    セロテープで直してくる利用者→正しい対応を知って欲しい。
    そこで「おもちゃのお医者さん」から発想
    「本」だと大変なので「絵本」に限定→ほかの職員に受け入れられた→実施
    成果:参加者の笑顔、喜び , etc.

    【私の感想】
    司書の方はやはり、こうやって利用者の反応や感想を直に知るのが好きだからこそ皆司書という職業をやっているのだと思いました。



  9. 「反論のススメ-M・R的ライブラリアンの育て方」茂出木理子さん(お茶の水女子大学附属図書館)
    東大職員として採用時:国家公務員はほかの仕事に口出しならず、との講話→ふつふつと怒り
    この怒りがエネルギーの原点に。
    現場の職員:実証しないと反論にならない
    MR的ライブラリアンとは?
    「Modeki Rikoの略ではありません」
     R:うさぎ(Rabbit)
     M:向こう見ず
    ある日向こう見ずうさぎが柵を越えた、という説話。
    うさぎはただ向こう見ずだっただけ。図書館業界のことを考えたとかそういうわけではない。
    そもそもメインのイベントである総合展の会場ではなく、この場にいる人は「向こう見ず」
    →会場で自分を向こう見ずだと思う方!
    →手を挙げられた向こう見ずさんな女性お二人にうさぎをプレゼント

    【私の感想】
    公務員の業務の縦割りについて、深ーく頷かされました。この仕組みはかつて国の直轄であった大学や研究機関が法人化されようが何しようが関係なく、未だに根強く残っているという現実があります。
    図書館ではそんなこと言ってられない局面が多く存在する、と言いたいのですが、大きい組織の場合は図書館でもそういう状況が発生しても何の不思議もありません。
    状況を打開するために「柵を越える」こと、そして柵越え仲間を増やすことはやはり大切だと、柵の真下で思案しながらもたもたしてばかりのうさぎとしては思いました。
    そしてフェスト会場に行ってから、実は「向こう見ずさん」お二人ともTwitterで会話したことのある方(しかもうちお一人は以前からブログでも交流あり)だったと知り驚きました。


  10. 「論文ったー作ってみた。」山田俊幸さん(山形大学工学部図書館)
    論文ったー(@ronbuntter)について
    CiNiiのウェブAPIコンテストに応募→落選orz
    CiNii×Twitterの組み合わせ
    buzztter→Twitterで話題になっている(ばずっている)キーワードの抽出→「空気を読む」論文のレコメンドを行う。
    例1)鳩山総理の所信表明演説の話題でばずる→歴代総理演説の分析論文をおすすめ
    例2)漫画「とある科学の超電磁砲」でばずる→レールガン論文をおすすめ(笑)
    とあるTwitterユーザ(研究者?)の感想:通常仮説や解決すべき課題が明確な論文しか見ないので新鮮である。

    【私の感想】
    「何故こんなに面白いAPIがCiNiiのコンテストに入選しない!?」と疑問でなりません。
    恐らくは、図書館の業務として作られたAPIではない、という点で他のAPIの方にプラスポイントが加えられたのではないかという推測はできますが。でも論文ったー、見ていて楽しい、APIってこんなこともできるのか、という面白さを教えてくれるbotとして、もっと評価されて良かったと思うのですけれど。


  11. 「沖縄県の図書館コミュニティ-沖縄県図書館協会誌発行・FLU40開催をとおして」大谷周平さん(琉球大学附属図書館)
    沖縄県図書館協会
    協会誌:年一回発行、有志10人程度による編集、現在通巻24号、Webでも公開
    メンバーの固定化や減少による危機感
    →FLU40沖縄会場の開催
    沖縄会場参加者25名(図書館情報学研究者や公文書館も含む)
    ここでできたつながりを継続的にもっと大きくしていきたい。

    【私の感想】
    沖縄県内でのつながり。県外とのつながり。そして異なる世代間のつながり。シンプルではありますがどれも大事なことだと思うのです。
    ……いいなあ、FLU40。行きたかったなあ(まだしつこく言ってます)。


  12. 「みんなの共有財をつくるためのプラットフォームをデザインして」杉浦裕樹さん(ヨコハマ経済新聞、横浜コミュニティデザイン・ラボ)
    大学時代は脳内神経化学専攻、であったが、大卒後舞台監督に。
    地域商店会の「仕掛け」に協力→今に至る
    ・地域SNS立ち上げ
    ・過去の写真のアーカイブ(CCライセンス)
    今後のヨコハマ経済新聞:イベント情報などへのひも付けとともに「本」に関係する知識とのひも付けも。

    【私の感想】
    図書館総合展の関係からか今回の登壇者が図書館情報学系・情報学系に偏っていた中、数少ない別分野=マスコミ関係の方でした。こういう他分野の方のお話が訊けるのは、やはりARGカフェならではです。

《岡本さんのまとめ》

  • 今回の登壇者:飲み会で口説いた人も。
  • 逆に3名ほど再登壇の方は遠慮いただいて申し訳なかった。
  • 『丸善ライブラリーニュース』7・8号に執筆しているのでよろしく。
    今回は佐藤翔さん、井上真琴さんも執筆。
  • 「本のある時間」:慶応の先生と岡本さんのコラボ
  • WebDBフォーラム:長尾館長、百度・井上社長(元・ヤフー)も参加

第2部:ARGフェスト
 昨年と同様、関内82ALE HOUSEでの開催でした。
 ライトニングトーク登壇者の方とももちろんお話ししましたが、それ以外の方ともたくさん出会い、お話しすることができました。ネットでお名前だけお見かけしていた方ともリアルにお会いして、日頃暴言を吐いている自分としては結構恐縮しまくったりして。
 でも、後から名簿を読み返すと、あの方にも、この方にも、全然話しかけられなかった!と後悔しまくりです。これは次の機会に賭けるしかあるまい、と思いましたが、でも次回のARGカフェ会場って確かつくば……。自分は地元なので不測の事態が起こらない限りは何とかなりそうだけど、いくらTXが開通して数年経ったとは云え、東京や他の地方からの「遠い」イメージがなかなか払拭できないこの地。果たして皆さんいらしていただけるのだろうか?と、主催者でも何でもないのに大きなお世話でちょっと心配ではあります。

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2009.11.16

図書館総合展参加報告(2) : ポスターセッション

 第11回図書館総合展報告その2です。
 今回、時間的制約から、フォーラムは“Library of the Year 2009”しか聴いておりません。
 「ポスターセッション」も当初展示会場のみで見る予定でした。しかし、成り行きで正午を挟んで実施されていた、ポスターセッション出展者によるミニプレゼンを少しだけ拝聴する機会に恵まれました。と申しますか、2Fのミニフォーラム会場でそんなプレゼンが行われているなんて、パンフを見る限りでは知るよしもなかったわけですが(^_^;)。ちなみに私はポスターセッションの出展者経由で知りました。

 で、ミニプレゼンの感想ですが、会場にマイクなし、しかも皆が行き来するメイン通路の真横の部屋だったので、実はあまり発表者の声が良く聞こえず難儀いたしました。廊下で呼び込みされている方の声の方が良く響くような状態で、プレゼン慣れしていてお腹から声の出せる方とそうでない方の明暗がくっきり分かれたように思います。例えば慶應義塾大の田辺さん(Next-L)のプレゼンはお師匠様直伝(?)のアグレッシブさで、後ろの席までよーく聞こえました。
 ごくごく個人的に悔しかったのは神戸学院大有瀬キャンパス図書館の「図書館コミュニティ『喜・楽』」。このコミュニティでは図書館の学生ボランティアによる積極的活動が行われているのですが(お茶女大のLiSAのような感じ)、ふと、
「もしかしたら、こんな風に図書館の学生ボランティア活動を学生教育そして研究の対象として位置付けるようなやり方を、20年近く前の図情大の『公開図書室』でできていたら、あの図書室は『市立図書館ができたから』と言って閉鎖されずに済んだかも知れない」
と考えてしまいました。もちろん当時の公開図書室の学生ボランティアにせよしっかり意志を持って活動していたでしょうけれど、あの活動にそうした教育・研究上の位置付けがきちんとなされていたか?というと、そうではなかったと思うのです。まあ、実際にボランティアをしていたわけでもない人間(月2回程度サークル活動はしていました)が、今更そんなことを言ってみても詮ないわけですが、使いようによってはあの図書室、興味深い実験場になったのではないかと妄想すると、なくなったのは実に惜しいことでした。というわけで、神戸学院大やお茶女大の学生ボランティアさん方には是非これからも面白い実験的取り組みに励んでいただきたいと思います。

 ポスターセッション展示会場は、午前の到着直後と“Library of the Year 2009”の終了後のわずかな時間のみ見ることができました。会場で1対1で説明をいただいたのは、渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターの小出さん、そしてお茶の水女子大の茂出木さんのお二人でした。
 小出さんからは大変折り目正しく、丁寧に情報センターの取り組みを説明いただきました。うぅ、こういう穏やかにして重みもあり、それでいて時代の流れに的確に対応できていそうな、そういうベテラン司書さんに私はなりたい、と思っていたのですが。その道は遥かに遠そうです。
 茂出木さんはまずご衣装に圧倒されまして(参照:お茶の水女子大LiSAブログ記事)、すみません、こんなんで隣りに立ってごめんなさい、と真剣に謝りたくなりました。女性としては、あのご衣装をすんなり着こなせる体型に素直に頭が下がります。
 お茶女大図書館の皆さんに、図書館の良い所を書いてもらったという、寄せ書きのようなポスターが、キャンディのようにポップでパステルな色合いで本当に綺麗でした。そして、自分で、こんな風に働いていて「良い所」を言えるような環境作りを果たしてこれまで行ってきただろうか?と目を開かされる内容でした。仕事への誇りと愛着ってやはり大事です。

 他のポスターも駆け足で拝見しましたが、どのポスターもそれぞれに作った人の「思い」が伝わってくる良い内容だったと思います。ビジュアルや色合いで目を引いたのはやはりお茶女大、国立国会図書館(ゆるキャラ(?)「れはっち」あり)、渋沢財団情報センター、神戸学院大、和光大学(ゆるキャラあり)、農林水産研究情報総合センター、Project Next-L、Museology-Labo(Next-M)あたりでしょうか。
 なお、Next-LとNext-Mには相関関係は特にありません。ポスターが隣り合わせに貼られていましたが、きっと事務局のささやかな遊び心だと思われます。ちなみに両方のポスターにはメッセージを書いた付箋を貼れるようになっていましたが、それぞれの付箋が、

「ついに名前をまねられるくらいのプロジェクトになったことに感動しています」(Next-Lポスターの付箋より)
「NEXT-“L”の次だから“M”」(Next-Mポスターの付箋より)

となっていて、笑わせていただきました。
 ポスターセッションについてはとりあえず以上です。次回はARGカフェ&ARGフェストについて書く予定です。

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2009.11.14

図書館総合展参加報告(1) : Library of the Year 2009

 11月12日、第11回図書館総合展3日目に出向いてきました。まず軽く展示を見た後に、成り行きでポスターセッションにエントリーされた方のミニプレゼンを聴くことになり、それはそれで軽く思うところがあったのですが、その話はひとまず置いときまして。
 当日13:00から1Fの展示会場内の特設B会場にて「Library of the Year 2009 最終選考会」(主催:NPO知的資源イニシアティブ(IRI))が開催されたので、会場で聴講し、大賞の投票にも参加してきました。
 “Library of the Year 2009”とは何ぞや?というのは上のリンクをどうぞ。また、優秀賞(大賞候補)の3館およびプレゼンター、そして図書館の選考基準はそれぞれ次のとおりです。

優秀賞:

選考基準:

  1. 今後の公共図書館のあり方を示唆する先進的な活動を行なっている。
  2. 公立図書館に限らず、公開された図書館的活動をしている機関、団体、活動を対象とする。
  3. 最近の1~3 年間程度の活動を評価対象期間とする。

 会場から携帯電話を使いTwitterでリアルタイムレポートを流しました。誤変換や用語の不統一もありますが、以下、そのまま再録いたします。補足事項は当該投稿の下に赤字コメントで示します。

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Library of the Year 2009(勝手にLY09と略す)会場。携帯接続状況いまいちにつき多分つだれませんが、最初に昨年最優秀の千代田区立館長の挨拶、今年の最終候補紹介、只今選考方法と審査員紹介。 #sogoten
※つだる=tsudaる
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審査員代表で小林さん@六本木libからご挨拶。 #sogoten
※小林麻実さん(六本木ライブラリー)
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大阪市立中央の館長さんご挨拶。糸賀先生プレゼン。座長がやってよいのかと自ら呟かれながら開始。 #sogoten
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知識を創造する情報の図書館へ@大阪市立 #sogoten
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商用DBを地域館全館のOMLISで提供@大阪市立。オムリスでなくオムライスと呼んで欲しいという先生のあおり。 #sogoten
※DB=データベースのこと。一応補足。
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商用DBはサイトライセンス契約。地域館からの利用実績高。OPACとの連動と企画力、指導力、変革力、交渉力故であり評価すべき点。 #sogoten
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渋沢財団情セプレゼン。小出センター長ご挨拶。図書館という館名ではないが図書館として評価されたのがうれしいとのこと。 #sogoten
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岡本さんプレゼン開始。公共的役割を果たしている図書館を評価するというLoYの選考基準をひいて渋沢財団をリスペクト。 #sogoten
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生み出されている情報・知識:情報:・知識の典拠を明示→安心して利用できることを評価。 #sogoten
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4.5人の司書、アーキビスト、学芸員のスタッフ構成。 #sogoten
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財団経営=「民間公共」の力を評価。 #sogoten
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奈良県立情報のプレゼン。館長多忙につき代理の方がご挨拶。賑やかな図書館を目指し多目的活動。 #sogoten
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宮川さんプレゼン開始。何故奈良県立か?それは奈良県立が好きだから。 #sogoten
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創立100周年で、現名になってからは4年目。伝統ある図書館の果敢な挑戦。館自らが文化発信の主体。有料企画や企業とのタイアップやスタジオ・IT機器貸出など。 #sogoten
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blogによるイベント情報発信@奈良県立。図書館フロアを使った演劇なども。 #sogoten
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図書館の有料イベント。寄席も開催。有料でもお客を呼べるイベントの企画力。 #sogoten
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これらの取り組みは奈良県立の資料充実あってこそ。(このへんもう少し突っ込んで聞きたいなあ) #sogoten
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プレゼンテーターディスカッション。糸賀先生から全DBが地域館から使えるわけではない(大半は利用可)との補足。契約額1084万円。 #sogoten
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岡本さんコメント。期せずして「図書館が主体に」が3館の共通点。情報が溢れる中情報を産むだけなら簡単だが知識に基づく情報を示せる渋沢財団を推奨。 #sogoten
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宮川さんコメント。いつも岡本さんの後にコメント、と会場に笑い。奈良県立はなんと言っても「おしゃれ」。つくりこんだ図書館の情報は探しづらい。奈良県立は作り込まれていない分探しやすい。 #sogoten
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糸賀先生コメント中。大阪市立の粘り強い交渉力をやはり評価。携帯バッテリがやばいので以後ははしょりつつ。。 #sogoten
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渋沢財団のスタッフには海外も含めあちこちで出会う。茂原さんは専図協メルマガも運営。 #sogoten
※岡本さんのご発言。「専図協メルマガ」は「専図協専門図書館メーリングリスト」の言い間違いと推測(専図協メルマガも実在)。(2009.11.15 15:10訂正)
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LOY会場投票中。 #sogoten
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会場票最多は大阪市立。審査員票最多も大阪市立。大賞は大阪市立に決定。 #sogoten
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表彰式後、大賞館投票者から抽選で5名に図書カードプレゼント(私は他館に投票(^^;))。以上でLoY終了。 #sogoten
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 最後に選考会の感想を一言述べておきますと、大賞候補の3館、どれも本当に甲乙付けがたい素晴らしい活動をされていることが、プレゼンターの皆様の言葉から伝わってきました。その中から、

  • 図書館として先進的・型破りであるだけではなく、従来の図書館に期待されてきた(今も期待されている)業務に根ざした先進性を有していること
  • 図書館職員の経営能力が存分に発揮されていること

をアピールすることに成功したプレゼンが大賞につながったのだと思います。ちなみにレポートをお読みいただくと分かりますが、自分自身は大賞館には投票していません(^_^;)。自分が利用者として出かけたならきっと一番楽しいだろう、と思った館に投票したのですが、選考結果には大いに納得しています。
 というわけで、参加報告、多分次に続きます。

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2009.11.12

横浜へ

 最近全く図書館に縁のない生活を送っていますが、めげずに本日横浜の「図書館総合展」に参加します。
 出足がかなり遅れてしまい、現地には11時過ぎ着見込みです。自腹で前泊しておくべきだったと後悔しつつ、展示とポスターセッションを駆け足で見て、席が空いていればフォーラムを1つ聴き、その後ARGカフェ&フェストに参加予定です。未だに人見知り気質から抜けられませんが楽しめると良いな、と願っています。
 最大の心配事は、最近かなり体力が落ちていて翌日に疲労が残り易くなっていること。極力負担をセーブしつつ、翌日無事通常出勤できることが小さい目標です。恨むぞ、今年の火〜木開催。

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2009.11.04

図書館員の服装・リターンズ

 本日、以下の図書館系なブログ記事を読み、私の中で「これは一言語りたい」スイッチが入ってしまいました。

 WITH11月号に出てくる司書さんの話 - とはずがたり

 『With』2009年11月号に載っていたという、司書のお姉さんのコーディネート記事、気になっていましたが雑誌を買い損ねていたのでありがたいレポートです。
 ただ、記事で司書ファッション(笑)を纏っているお姉さんはどうやらプロのモデルさんのようですね。プロフィール欄の記述は「そういう(いかにもありそうな)設定」ということなのでしょう、きっと。

 しかしこのお姉さんが「なんちゃって司書」かどうかはこの際関係ありません。
 実際、数年前に自分が働いていた図書館に、ブリーチヘア・パンツが見えそうなミニスカ・ヒール高めのロングブーツのギャルファッションの子なら実在しました。既に辞めて別の図書館に移ってしまいましたが、いつまで経ってもギャル喋りが抜けなかった上、仕事の出来と姿勢がちょっと残念だったのが惜しまれます。
 司書の服装についての自分の考え方はこちら(図書館嬢な衣装(2004.12.19記))やこちら(図書館員の服装(2004.12.21記))やこちら(図書館のクールビズ(COOL BIZ)(2005.06.03記))にも書いたことがあります。あ、あとこっち(セクスィー司書(2008.03.08記))も入るかも:-)。要は、まあ、私個人として好みな服装傾向は多少ありますが、一般的には来館者に対する節度を守りつつ、自分が働きやすければ何でもよろしい、というのが持論です。

 自分自身の場合は、

  • 不器用なので爪が長いとキーボードが上手く打てない。
  • 長髪が好きだが首筋に髪が垂れるのがうざったいので髪を下ろしておけない。
  • 花粉症等目に出るアレルギー持ちなのでコンタクトはNG(4年程頑張ったこともありますが断念)。
  • 遺伝的要因で足首が絶望的に太いのでミニスカ姿が美しくない。
  • 若い頃から下半身肥大継続中につき、おしゃれ服(9号・11号が主体)が着られない。
  • 夏は暑がりだが冷房に弱い面倒な体質、冬は極度の寒がり故に下半身をさらせない。
  • 服装をバッチリ決めている時に限りかなりの確率でなりふり構わない作業姿勢を強いられる(例:脚立に載る/机の下に潜り配線をする , etc.)
  • 足形が極端な甲高幅広のため、おしゃれなハイヒールを履くと地獄を見る(普通の足形の人にこれは理解してもらえないでしょう)。
  • 足が脂性なのでブーツ履きっぱなしだと脱いだ時地獄を見る。

等の事情により(またまた長い自分語りごめんなさい)、内勤を良いことに地味で「綺麗なお姉さん」のかけらもない服装で通常勤務しています。
 しかし、だからと言って司書が「綺麗な(素敵な・ダンディな)お姉さん(お兄さん・オバさん・オジさんでも可)」を目指すことを少しも止める気はありません。但し、それぞれの職分をきっちり(体力のある人・仕事意欲が溢れるほど強烈な人は更に余録を付けても可)こなすことが大前提です。おしゃれな格好を厭わずホコリをかぶりつつ書庫整理とか、資料入りダンボール箱運びなんてやられたり、図書館システムの未来について語られたりなんかしたら、女性でも萌えます。
 あと、図書館の母体組織や、派遣司書さんである場合の派遣元との契約により、制服やドレスコードが定められている場合は話が別かと思います。とは言え高校時代から制服のない生活を送ってしまった自分には、そうした「明確な服装規則」の存在は逆に羨ましかったりもしますが(贅沢?)。

 とにかく、身近にそういう「綺麗で素敵な司書さん」が現れたら全力でリスペクトしてしまいそうです。いえ、綺麗で素敵な女性やダンディな男性は身の回りに結構いるんですけどね。何しろ自分が現時点で図書館現場にいないのがネックです。
 あと、自分でも「綺麗で素敵」を目指すことをまだ諦めてはいけない、と思います。思うだけなら罪でも贅沢でも何でもない……ですよね?

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2009.09.27

第36回生物医学図書館員研究会(2009.9.12)

 9月12日に順天堂大で開催された「第36回生物医学図書館員研究会」という集まりに初めて行ってきました。
 参加者の何人かの方にはつくばで「医学情報サービス研究大会」が開催された時にお会いしたことがありましたが、実際にこの研究会に出るのは初めてでした。
 2週間も経ってしまってやや鮮度落ち気味、ついでに自分的に消化できていない所も多く後ろめたいのですが、とりあえずレポートを落としておきます。
 なお、同じ会のレポートは既に「次世代OPACのお話 - かめの歩みとライブラリアン再考」でも公表されています。あちらの方が内容が十分消化されていて遥かに分かりやすいと思うので、こちらは参考メモ程度ということでよろしくです。

テーマ:図書館はOPACを超えられるか?―新しい情報探索ツールがもたらすもの―

司会:矢沢さん(東邦大)
 この会は1年9ヶ月ぶりの開催とのこと。

参加者全員自己紹介
 本当に1人1人自己紹介することに驚き。図書館関係、出版関係、卸関係と有名・無名関係なく幅広く参集しているようです。

 全部ノートを載せると大変長いので、以下、色々割愛したつもりです。
 また、事例紹介ではサンメディアさんの"AQUABROWSER"やユサコさんの"Primo"のプレゼンもありましたが、図書館システムの門外漢がぐだぐだ書くより各ベンダーのサイトを見ていただいた方が分かりやすいと思うので、申し訳ありませんが割愛します。

(基調講演)
「次世代OPAC」について考える
 田辺浩介さん(Project Next-L)

 田辺さんとは何度もお会いしているのに、実際にこういう場での発表を聞く機会は何故かありませんでした。
 次世代OPACとは一体何であるか?という具体例を交えた初心者向け説明から、次世代OPACのあるべき姿、またシステムを運用する主体としての図書館・図書館員への、前向きな運用ポリシーの提案までを、親しみやすく平易な語り口で語ってくださいました。

 次世代OPACって何?については、
「ライブラリアン目線ではなく情報の探索システムとしてユーザー目線で作られたもの」(岡本さん(ARG)の定義)
に全て集約されるかと思います。
 そして、意外と波紋を呼んだらしい、以下のコメント。

  • 大学図書館の利用者たる学生はOPACの詳細画面など見ない。授業の指定図書の所蔵場所さえ分かれば良い、という調査結果もある(日本図書館情報学会での慶應大の発表)。

 この調査結果は、今までのOPACが結果として「ライブラリアン目線」で作られていたということを象徴するものであり、その後にコメントされた、

  • 「理想の未来」は何か?単一のDBにすべての書誌が収録されることである(横断検索にあらず)。世界モデルならOCLCのWorldCat Local。国内モデルならNACSIS Webcat。という考え方。

と合わせて過激に挑発的に論じようとすればいくらでもそうできてしまうと思うのですが、田辺さんはそういう展開には持っていかず、では、個々の図書館および図書館員はどうすべきか?を、次世代OPAC=Webで公開されている投稿レシピ集(クックパッド等)に例えて、次のように提案されていました。

  • 利用者がOPACに期待するのは「特定の用途に向くように加工されたデータ」つまり「調理済みの食材」。それを提供するのがこれからの図書館の役割である。
  • 今のWebは「中食産業」が真っ盛り。次世代OPACも中食である。料理を出す相手(学生 or 教員 or 図書館員?)の顔や用途(教育用途 or 事務作業用途?)を思い浮かべて作ろう。図書館員だって美味しいものが食べたいのである。
  • ではそれをたくさんの人に食べてもらうには?→大きなお店で公開し、Google検索結果からたどれるようにする。
  • 公開により料理の評価を通したコミュニケーションが生まれる可能性が出てくる。そうしたコミュニケーションを行うことすなわち図書館・図書館員の存在感を示すことである。

 個人的に感じ入ったのは、「図書館員だって美味しいものが食べたいのだ」という一言です。うんうん、最も大事なのは利用者だけど、図書館員が作っていて楽しいと思うシステムじゃなきゃ運用意欲も利用意欲(どっちも食欲?)が湧かないよね、と納得。自分はAPIを作れる知識も技術もないけれど、「書誌データと基本システムを切り離せる」次世代OPACを美味しくサーブするためのAPIにこだわる図書館員の存在がすとんと腑に落ちた一言でした。

※参考リンク:えんじゅ図書館
  [人気のあるタグ]の[生図研9月12日講演資料]から関連資料をたどれます。

(事例紹介)
Wikipediaと図書館情報資源のマッシュアップ

 清田陽司さん(東大情報基盤センター学術情報研究部門助教)

 東大とリッテル社が共同開発した、図書館情報資源(OPAC上の分類体系(BSH, NDC))とWeb情報資源(Wikipedia)を連携させてパスファインダーを自動生成する「リッテルナビゲータ」の概要説明。

 こちらは残念ながら、次世代OPAC以上に自分的に消化できていない面が多いのですが(清田先生ごめんなさい)、Wikipediaに付与されたカテゴリと図書館資源を結びつけるという発想は大変面白いと思いました。

 Wikipediaの特色として「カバレッジ」「組織化」「信頼性」を挙げ、Wikipediaを橋渡しとして(図書館情報資源という)信頼性へ導けないか?という考え方は、私的に目からウロコでした。Wikipediaの信頼性の揺らぎをウィークポイントとして考えてはいても、他のシステムとの連携でそれをカバーする、という発想はなかったので。Wikipediaのリダイレクト機能の「表記ゆれ辞書」「シソーラス」という見方も面白かったです。

 図書館屋の立場から贅沢を言えば、Japan Knowledge、ブリタニカ(有償)とか、Yahoo!百科事典(無償)のように公刊されて初めから信頼性が高い(とされる)コンテンツと連携していれば、このシステムをもっと安心感を持って使えたのに、とつい思ってしまいます。いや、私が勉強不足なだけで、そういうシステムはきっと既にあるのだろう、とは思いますが。
 ただ、1利用者としては、そうじゃなくて集合知の塊のようなWikipediaと連携するから良いのであり意義があるのだ、と理解していますし、そういう意味でこういう実験的なシステムは歓迎します。現実として、研究成果とは言え一企業の商品であり、息の長い商売につなげていくには改良の持続が課題になるのかな、と考えています。

 残りの事例紹介である、

AQUABROWSER -利用者が図書館資源のすべてを有効に活用するために-
 
松下茂さん((株)サンメディア)

Primoのご紹介
 平野覚さん(ユサコ(株)システム販売事業部)

と、最後の質疑応答タイムについては割愛しますが、自分の古い時代の図書館システムに凝り固まった頭には大変良い刺激になりました。

 近隣の居酒屋で開催された夜の懇親会にも1次会のみ参加しましたが、実に楽しかったです。特に某医薬科系大学&某ベンダーのお姉さま方、ありがとうございました!

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2009.09.19

司書のIT化の話

 丸山さんのブログで取り上げられていた日本の司書のIT低順応性問題の話(先輩方がIT化の流れについていかなかったこと)について思ったところをごく簡単に、例により考えの浅い人間なのでぼろが出ない程度に一言だけ書いておきます。

 IT化=人間軽視とされていた時代はかつて確実に存在しましたし、そんな時代が20年ほど前の私にもありました、と思い返しました。公共図書館においてはIT化よりも利用者との対話だとか、実地のOJTで学ぶ実務経験の積み重ねが大事だという思い込み。
 今にして思えばそれはコンピュータ嫌いだった自分への言い訳だったような気もしますが。今でもそっちの才の無さにため息尽きっぱなしですが、それはさておき、少なくとも20年前にも図書館情報学の教育課程にコンピュータ関係の演習科目は存在していました。司書講習は知りませんが大学の司書課程の科目にもあった筈です。
 しかしどういう訳か、図書館でのIT技術において要は使う心構え次第であるという意識が進んだのは意外と最近かと思われます。どこで図書館界、特に公共図書館界は間違えたのか?と考えて、前記のような人的要素重視のあまりそうした意識改革が遅れたんじゃないか?という考えに至ったわけです。「多分」であり、それが本当に正しいかは分かりませんけれど。

 まあ、今は少なくともIT対応なしでは生きていけない図書館が多数なわけですし、少なくとも20ン年前からITもそうじゃないものもきちんと勉強していた人はしてたのですから、そういう人が反省を込めてこれから考えていけばいいんじゃないですかね、と無責任なことを考えています。所詮この分野では外野ですので、放言すみません。

 あ、上のブログで言及されていた、「図書館の非正規職員が何か言っている」「図書館の非正規職員が何か言っている2」はともに読んでます。確かに図書館だけが人生ではなく、能力の発揮は他でも可、というのはそりゃそうだと思いますが、少なくとも現時点で図書館の正規職員ではない人(あ、これは自分も『図書館の』という意味では同じです)が、上から目線で非正規職員をdisるなよ、ついでに既得権益を守ろうとしている正規職員を鼻で笑うような真似はいくら匿名でもするなよ、と、ちょっと悲しかったです。

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2009.09.06

学校司書と学校図書館について考える

 半月ほど前、公立中学校の非正規職員の学校司書として勤められている方の実録同人誌を某所で入手してまいりました。そのサークルさんの本は初めて入手しましたが、学校図書館で働くことの楽しさも息が詰まるような苦しさも、どちらも赤裸々に綴られている重い内容でした。

 学校図書館ってワンパーソンライブラリの宿命とはいえ、担当教員との相性がかなり仕事の要になってるっぽいのはちと辛そうだとか、管理職(校長や教頭)は逃げちゃあかんよ、とか、また、仕事へのプライドは主張しすぎると日本では遠吠えに聞こえてしまいがちだよね、とか、いくつか考えさせられる点はありました。
 しかし、一番身につまされたのは、その学校司書が選書権はしっかり与えられていながら、経費支出の権限などがない故に、例えば折角選書した図書の発注が先述のような担当教員関係のトラブルで中断する等、ある局面で歯噛みするしかないというエピソードでした。
 もう一つ問題の根深さを感じたのは、実はこれが今回一番言いたいことなのですが、学校司書が、業務運営に不満を感じていてそれを上に訴えようとしても、非正規の立場であるが故にそれを行うための技術、特に文書作成技術が鍛えられていないということです。
 今回読んだ本の中に、作者の方が学校図書館間の連絡会議に提出されたという意見書が掲載されていたのですが、切々とした言葉から「今の状況では不満で苦しい」ということは分かっても、んではどうして欲しいの?ということが理路整然と伝わってこないのです。

 自治体が「役所」により運営されている以上、その中で何事かを成すための文書は「役人が、役人として、役人のために書いた文書」でなければならないと常々考えています。つまり、伝えたいことがどんなに複雑であっても簡潔な説明にまとめられていて、その説明を裏付けるためのデータが数値や図表で明解に示されている文書。

 しかし役所の文書も、一般から見ると分かりづらい書き方をしてるじゃないか、と言われればそれまでですが、あれはあれで役所の中の人には理屈として成立する書き方になっています。批判はあるでしょうけれど、残念ながら所謂お役所な書き方をしないと、書類に目を通してすらもらえません。
 図書館業務のスキルアップは、図書館員が意欲と持続力さえ有していれば正規・非正規の別を問わず行うことができ、実際に、非正規職員で正規職員を遥かに超える高い図書館業務の技術を身につけている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。しかし、文書作成技術だけはそうは行かないのではないでしょうか。
 学校司書さん、もしかしたら日本のどこかでは正規職員のケースもあるかも知れませんが、非正規雇用の方がほとんどという印象があります。経費支出権限や業務の決裁権がない以上、初めからそういう能力は求められていないし、発揮する機会もない。だからいつまで経っても役所向けの文書能力は鍛えられない。そういう側面はありそうです。

 とは言え、本来そうした業務改善の汲み上げと訴えを行うべきは、図書室の運営責任職員である管理職、あるいは担当の教諭なのだと思います。というわけで、これからもずっと非正規職員の学校司書を便利に使い続けるつもりなら、そうした人達――これからは「司書教諭」資格を有した先生方も多くなるでしょうか?――が、児童・生徒の教育技術だけではなく、もっと学校司書と連携し、かつ学校の経営母体=自治体の施策とも連携するために、一自治体職員として、自治体の一業務として学校図書館業務を動かしていく技術を身につけていく必要があるのではないだろうか、と考えました。

 実際に司書教諭課程を受けたことはないので間違っていたら申し訳ないのですが、恐らくは図書館を活用した教育を効果的に行うことが、司書教諭に最も求められている役割ではないかと考えています。しかし、それだけではなく、学校図書館を効果的に運営するための考え方や動き方についても是非学び、実践してもらいたい、と思うのです。

 と、偉そうなことを書きましたが、現実問題、先生方は本当に忙しいのだとは思います。なかなか理想通りにいかないとは分かっているつもりです。
 それから、文書作成技術について申しますと、自分もあまり人のことは言えません。未だに文書を作ると上司その他に真っ赤っかに添削されて戻されたり、そのまま突っ返されたりしています。
 この件、もうちょっと早く、できれば8月中にブログに上げたかったのですが、どう書いても問題が問題だけに重くなり、また、自分の悪い癖で長文になってしまうのを何とか短くしようとしているうちに、今日になってしまいました。しかも相変わらず文章なげーよ>自分。結局8月は1回しかブログ更新しなかったなあ。

 なお、これは蛇足かも知れませんが、非正規雇用=悪 とも、非正規の立場で働いている方=悪 とも、どちらとも考えてはおりませんことを申し添えます。

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2009.08.11

極私的「図書館広報」論……と言いつつ大幅脱線しますが

 「図書館広報」という語をちらほら見かけても、自分が間接的に関わっている図書館の利用主体は内部の人だし、利用者が仕事を進める上で必要なコンテンツを保ち続ける努力は誰も厭っていない筈だから、うちには関係ないよね、と心のどこかで思っていました。

 また、現在既に図書館を利用してくれている人、あるいは潜在的な利用者に向けたアピールとも考えていました。
 更に言えば、予算面の便宜獲得や部署生き残りを図る上で、そうした組織内部向け、そして一般利用者向けのアピールとしても、各部署の活動についての広報はとても大事なことです。でも「図書館広報」と言われても、ええと、図書館だけ?とあまりピンとこなかったのが本音でした。

 しかし、「図書館広報」というのは、「そこで働きたい人」へのアピールでもあるんじゃないかと最近考えています。
 ちなみに考えているのは、あくまで正職員の採用に向けてのアピールです。非常勤職員については正職員では担い切れない部分の重要な担い手として捉えていて、なくてはならない存在だと常日頃実感していますが、今回は横に置きます。

 当然ながらうちの職場でも、就職希望者へのアピールは熱心に行われていると思うのです。
 但し、大学さんと違って、司書職の採用試験が今は行われていないのでした。情報系の採用は行ってますが、それは「情報工学」とか「電子工学」の方であり、所謂文理がクロスオーバーしている所の「情報学」ではありません。
 これまで図書館は組織における縁の下の力持ち、あくまで支援的立場だと考えていました。自分はこれまで組織の機関誌・広報紙の編集事務局や、PCのLAN接続事務局等も回されてきましたが(主体的に「回ってきた」と言えないのがちょっと弱いです。ついでにそれは図書館をコアに知らないということでもあります。)、そこでも「縁の下」な立場には変わりなかったわけで。

 ところが気づいたら、自分の組織の採用情報の「採用者の声」的な欄に、図書館系、あるいは情報系の事務局担当者が一切載っていないのです。
 そりゃ最近は採用一発目でいきなりこういう専門色の強い部署を担当する職員も少ないですし、確かに今年はそういう職員はいませんでした。
また、そもそも普通の事務仕事を担当するつもりで入ってきた、図書館情報学あるいは情報学のバックボーンの全くない若者が、図書館系・情報系の仕事を務めるには荷が重いでしょう。
 しかし「採用者の声」から、そういう図書館系や情報系の業務もありますよ、というのが見えないのはあまり良い傾向ではないなあ、と思わずにはいられません。

 もちろん図書館では小規模ながら外部向けにWebで情報も提供していますし、小規模すぎて対応が追いつかない所を除いてOPACにも外部向けに所蔵情報を公開している所は多いです。
 でも就活者向け情報を発信しているわけではありませんし、前記のとおり就活者が受けて確実に図書館に配属されるような職種も用意されていません。
あまりぐだぐだは書きませんが、まあ、図書館系や情報系に限らず職員の採用は減り気味、コツコツな手仕事は非常勤職員さんにお願いする機会が増えている、というのが現状です。

 ただ、人は減ってもそれでも何故かお仕事は減ることはありません。特に情報系の色合いの濃いお仕事はしっかりとたくさん待ち受けています。
 異論はあろうかと思いますが、例えコツコツな手仕事が大好きであっても、職員数が少なければ、ちょっと中間マネジメントが入った仕事をする機会は徐々に増えてきます。
 実はまさに今自分がやっているのがそんなお仕事だったりします。と申しましても、今は図書館ではなく図書館にコミットする機会の多い別の部署で働いていますが。
 表舞台でもないけど決して縁の下に潜りっぱなしではいけない。それでいてコツコツ仕事を自分だけで背負うことなく、自分より若い世代(今の所は少ないですが(^_^;))あるいは非常勤職員や派遣職員に分担して、彼ら・彼女らを育てるついでに自分もちゃっかり育てられるような立場。
 こうしてみるとマネジメント――あくまでまだ「もどき」ですが――も、結構面白い仕事じゃないか、と思えてきます。

 ここで自分が組織の実名出してリクルーターになれれば一番手っ取り早いのですよね。でも諸事情で出せません。
 あとは、やはり、即効性はないかも知れませんが自分達が組織内で切り捨てされないよう結果を出して、図書館系、情報系の人材をもっと増やしてくれ、と、人事担当者に地道に訴え、外部へのアピールの強化と採用&育成ルートの確実化を実現していくという方法になってしまうのでしょうか。
 そこでまた、何故正職員でなくてはいけないのか?という理屈を、何らかのデータで証明していかなくてはならないのは必至ですけれど。有効な統計分析手法とかプレゼン手法の勉強も必要になりそうです。

 と、またもや即効性のある結論が出ないまま今回も終わるのでした。

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2009.07.23

『図書館雑誌』のカード目録必要論を超訳の上ツッコミを入れてみる

 既に、

吉田壽治郎氏 緊急提案「カード目録」は不要なのか(「図書館雑誌」2009年7月号 p.478-480) - 読書ノートのつもり?なつれづれ日記

等で取り上げられてますが、『図書館雑誌』2009年7月号の「としょかんCHATTERBOX」の投稿「緊急提案『カード目録』は不要なのか」がかなりかっ飛ばしてます。
 実は上の記事を拝読した時、自分のブログのスペースをこんなネタに割いて、総務省の調査まで典拠に引いてツッコミを入れるとは何とマメで偉いんだろう、自分には到底真似できないな、とイヤミでなく本気でそう思っておりました。
 しかし、そのまま引っ込むのは何だか悔しかったのも事実です。とは言え、原文に逐一ツッこむには約2p分と長過ぎるので、自分流に原文を超訳して逐一ツッコミを入れる形で感想を書き残しておきます。

 何となく、以前も同じような不純な動機で書いた別ネタの記事があったように思いますが、この際気にしないことにします。

【以下、超訳】
※カギ括弧内は原文からの引用です。
 また、1~6の各章タイトルは原文のものをそのまま流用しています。

1.カード目録が消えた
図書館の資料検索用カード目録の消えた原因はOPACが現れたためであり、「OPACの便利さを認めるにはやぶさかではないが」、カード目録も有用であるのに何が原因で消えたかを考えてみた。
(1)カードケースの置き場の問題
(2)「OPACではダウンロードするだけで目録がほぼ出来上がるのであれば、分類や件名標目などを考える苦労から解放される」

 (1)はその時点で館内スペースに占めるカードケースの割合が大きくかつカードケースの優先順位が低かった(既に機械化目録への遡及入力が完了していた)故の処置であり、 決してカード目録、そして先輩方の業績を軽んじた結果ではないでしょう。
 分かって差し上げてください、図書館という場所は、貴殿の現役時代も、時代に合わせて柔軟に、とは言えないかもしれませんが、変化していくものではなかったですか?と一言申し上げたくなります。
 (2)は、MARCに付いている分類をそのまま使うという選択肢も十分ありだと思います。分類、装備も外注しているケースも多いでしょうし。
 ただ、件名については確かにOPACではかなり軽視されがちな部分ではあるので、そこは仰るとおりと思います。
 しかしまあ、かつてのようにカタロガーが(司書が)「分類や件名標目などを考え」る必要性が減った分の労力を回す先を一体何にするか?について、これはもう唯一絶対司書の技能が必要だろう、という決定打になるものが今に至るまで見つかっていないという事実は辛いですね。
 もっとも、そういう「この職種に唯一無二の技能」の決定打がなくても連綿と生き残っている職業はほかにもあるわけで、何で司書ばかりそういうことを言われなきゃあかんねん、とたまに思ったりもするわけですが。

2.カード目録が必要な人もいる
友人が市立図書館でカード目録がなく職員に「パネルタッチ端末」の操作を教わったが「あんな面倒なことができるものか」と怒り、書架の端から端まで見て回って探した。職員は一声かけてくれれば、というがいちいち依頼するには抵抗があり、従ってカード目録が必要。

 人生の大先輩にただケチを付けたくはありませんが、将来老後を生きていく上でこういう意地の張り方はしない方が良い、という反面教師にさせていただきます。

3.カード目録の利点
市立図書館(注:原文には組織実名掲載)の司書時代に感じたカード目録の利点
(1)OPAC端末は台数が少なく利用者を待たせる。カード目録は他の検索語から探せるので待たせない。
(2)類似標目が前後に並んでいるので、類書に行き当たる率が高い。
(3)OPACには分出という概念がないがカード目録にはある。
故にカード目録にはOPAC以上の効果があると思うのに、司書は手間のかかる分類、目録の作業から解放されホッとして、カード目録は消えたままである。

 (1)は図書館に端末台数を増やして、と要望すればいいんでないかい?という気もしますが、実際、通覧のし易さではスタンダードなOPACよりもカード目録に1日の長があると思います。書名順、著者名順、分類順でそれぞれカードが整理されているわけですし。
 問題は、ここで「OPACにはできない」としていることが、OPACにおいてもシステムの作り込みによりできる可能性がある、という視点が放棄されているという点にあるわけですが(^_^;)。
 ただ、自分はシステムライブラリアンではないので、これについて、「需要があるかはさておき、多分できるだろう」ということは分かっても「作ってみた」と言えないのは悔しいところです。
 なお、これはあくまで個人的好みではありますが、私はカード目録よりも冊子体目録の方がより通覧し易くて好きでした。当然冊子体目録には加除はないですし、立ったまま手に持って調べると重かったですが。

4.カード目録作りは大変
伝統がある大学図書館の中にはある年度より古いOPAC未収用の蔵書はカード目録を提供している館があるようだ。これは良心的。公共図書館も同様にすべき。
I市立図書館(注:原文では実名。恐らく筆者の旧勤務先)では謄写版で苦労して作ったカード目録をOPACと引き替えに簡単に廃止してしまった。

 仕事でカード目録を作ったことこそありませんが、大学の目録の演習では何枚も作らされたので、どれだけ大変かぐらいは分かるつもりです。また、ノスタルジーの存在も理解できます。
 しかし機械化目録=手のかからないもの、みたいな言い方には何か問題があるかと。違う所に手とお金をかけてるのですけど。例えばカード目録を廃棄した、ということはすなわち機械化目録への遡及入力が完了したということで、何故それに対する後輩の努力を誉めてくれないのか、と思うと寂しい気持ちになります。

5.今後の対策
「カード目録を必要とする利用者がある限り、利用者に提供しなければ、本当のサービスではないと考えるのである」
そこで、カードを書いた経験のない今の司書にカード目録の作り方の講習会を。大学でもカードの書ける司書の養成を。
「便利なコンピュータに惑わされて紙の台帳を疎かにしたつけが回ってきたということである」
「カード目録作りは重く苦しいものであるが」それでも不要ではない。

 ……そういった司書の、バリアフリーサービス精神を頑迷に拒んだのが、正に投稿者の方のお友達ではないかと(^_^;;)。
 それと、今の司書課程教育を知らないのですが、カード目録の書き方って教えないんでしょうか?就職して扱うのはコンピュータ目録が中心でしょうけれど、カードが現役の図書館もあると思いますし、また目録規則を理解するための基礎なので、教えていないわけはないと思いますが。
 職業の基礎を形作る古典的技術の勉強は当然大事ですが、現代の図書館業務を進める上において「システムライブラリアン」の域まで行かなくともコンピュータを使える司書の存在も重要なので、まずは古典と最新技術を並行して勉強すべき、と、かつてコンピュータ嫌いなぐうたら学生だったおかげで今苦しんでいる当事者としては考えるのです。

6.私の提案
(1)カード目録記入知識のある人に、目録規則を踏まえた入力と「パソコンに接続した印刷機」での原紙印刷ができるソフトを作ってもらう(原紙はハガキ用のコピー機で必要枚数印刷)。
(2)ただし「郷土資料、調査・研究用の資料などの検索」に必要な横断検索がカード目録ではできないのでCD-ROM化を前提としてコンピュータでのカード目録作りを。「これができておればCD-ROM化は不可能ではないと考えられる」。

 (1)の場合、ソフトを作らずとも既存のワープロソフトのテンプレで事足りるように思います。
 大体「ハガキ用のコピー機」って何だろう?ハガキ印刷も可能な複合機のこと?良く分かりません。
 (2)については、あえて横断検索が必要な対象として「郷土資料」等を事例として挙げる理由が良く分からず。ついでに「横断検索」って自館の他の検索データベースとか他館OPACとかを同時検索する場合に使う言葉のような??

 ……以上の要約文だけみると一見(あくまで一見ですが)真っ当な主張に見えるのが怖いです。
 今回の記事を読んで、何と申しますか、
「こんなノスタルジックな記事を載っけてJLAダメじゃん」
ではなく、
「投稿が少ないからってこんな記事を載せなければならないなんて、JLAも大変だな」
と同情する気持ちになりました。

 要約文はあくまで「超訳」なので、興味のある方は是非原文をどうぞ。
 ただ、この投稿は「としょかんCHATTERBOX」の掲載記事1通目でしたが、この約2p分で脱力・脱落して、2通目の、
「図書館員向け研修会・集会に聴覚障害者対応の環境(手話通訳、要約筆記等)を整備して欲しい」
という、1通目の「緊急提案」よりも緊急度、重要度ともに遥かに高そうな要望を読み逃がす人がいるのではないかというのが心配ではあります。

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