知られざる雑誌
歯医者で親知らずを無事抜いてもらうことができました。あごが小さいためか真横を向いて生えている特殊な親知らずだったので、抜くのはさぞむずかしかろうと思っていましたが、意外にあっさり抜いていただけました。
さて、本題です。
筆者の勤務する図書館には、毎月「缶詰時報」(ISSN: 0410-9716)という雑誌が届きます。特に気にもしていなかったのですが、連れ合いに指摘されて、この雑誌が「月刊住職」とか「月刊食堂」などと同じ、ごく限られた世界を対象にした業界誌であることに気づきました。
ちなみに発行元は社団法人日本缶詰協会という団体で、記事の内容は缶詰、びん詰、レトルト食品業界の最新動向や統計資料、缶詰の歴史読みものなどです。
たとえば2004年1月号の記事のひとつに「国産みかん缶詰に想う」というのがあります。・・・業界の外の人にはわからない感慨が国産みかん缶詰に秘められているのでしょうか。
また、缶詰史を取り上げた記事の中に「アペール」という名前がひんぱんに登場します。アペールさんというのは現在の缶詰の原形になるものを開発した、いわば「缶詰の父」にあたる方らしいです。ちなみに上記協会のサイトによれば、今年は「缶詰・びん詰が生まれて200年目」だそうです。まめ知識、メモメモ。
不思議なレギュラー記事としては、「魚肉ソーセージコーナー」というのがあります。目次を見て矢も楯もたまらず記事の内容をチェックしたところ、なんと、魚肉ソーセージの生産量などの統計表に加えて魚肉ソーセージの販売などに関する最新動向が掲載されていました。なぜ魚肉ソーセージだけ特別にページをもらえるのかが謎です。チーズかまぼこやサラミソーセージは無視してもいいというのでしょうか?
―と、ツッコミどころ満載の雑誌ではありますが、毎年缶詰の最新技術について研究発表を行う技術大会が開かれていること、それから、缶詰を初めとする食品保存技術について研究する日本缶詰協会研究所というのが存在することを、この雑誌の記事を見て初めて知りました。最近の研究内容としては「果実びん詰製品の食品添加物調査」「加熱処理条件が玄米粥中におけるボツリヌス菌の発育に及ぼす影響」などがあるそうです。我々が缶詰を初めとする安全な保存食品を口にすることができるのもきっとこの方達の知られざる努力のたまものなのでしょう。今度缶詰を食べる時には研究所の皆さんに思いを馳せながらいただくことにしましょう。
この雑誌以外にも知られざる雑誌というのはおそらくたくさん存在します。今後それらについて少しずつ内容をチェックし、このblogに記録を残していけたらと考えています。何しろ飽きっぽいのでどこまでできるかの保証はありませんが。
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