日本ペンクラブ会長、公貸権導入に慎重か?
日本図書館協会と日本ペンクラブ両団体が公貸権を推進する共同声明を内密に検討していることについて、ペンクラブの理事会でペンクラブ会長の井上ひさし氏が「慎重であらねばと思う」と苦言を呈されたそうです。(Copy & Copyright Diary@JUGEM 2004.5.20付け記事より) 井上氏は遅筆堂文庫(山形県川西町)の開設、運営に関わるなど、作家の方の中でも図書館には縁の深い方なのでそのような発言に至ったのかもしれません。井上氏と図書館との関わりについては『本の運命』(井上ひさし著. 文藝春秋, 1997.4)に詳しく述べられています。
大学の卒業研究の関係で井上氏の業績について少し調べたことがありましたが、テレビの構成作家、児童文学、演劇、小説、社会評論から、果てはゴシップの主役まで相当に幅広い分野での活動や発言を繰り広げられていることに非常にわくわくしながら調査を進めたのを覚えています。特にコメの輸入問題に関する政府批判など実に楽しいものがありました。
今はまぎれもなく大家のお一人であり、立場上発言なども限られてしまう面があるのかもしれません。しかし今回の発言を知って、氏の本質には揺るぎがないことを確信しました。ペンクラブの幹部の中でどれくらい賛同する方がいるかは不明ですが、図書館に関わる者としては公貸権導入推進の急速な動きに少しでも歯止めがかかってくれればと願っています。
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