『図書館雑誌』2004年6月号
土曜日に届いたので、ざっと目を通しました。
本来は特集「指定管理者制度と公立図書館経営」について着目したいところですが、この分野についてはほとんど関心がありません。見どころについては愚智提衡而立治之至也やBlog -T.Shinto's Library-が詳しいのでそちらをご覧ください。
ただ、上記二つのblogでも取り上げられている、山本宏義氏の執筆記事「日本図書館協会こそ指定管理者に!」(投稿FORUM ; p390-391)について申し上げれば、ちょうど『ず・ぼん 9』の栗原均氏インタビューで、日図協納本事業部から図書館流通センター(TRC)が作られた経緯を読んだばかりなので、「日図協がやる気にさえなれば指定管理者だってできるんじゃないか」と単純に思えてしまいます。それから、今回の制度と直接関係はないかもしれませんが、山中湖情報創造館のように最初からNPO法人を中心として設立された図書館のケースに今後学ぶところも大きいのではないかと思います。
むしろ今回興味をもって読んだのは「北から南から」(p402-404)のコーナーでした。まず、石山洋氏による図情大閉学に寄せての記事。あまり式そのものの内容に言及されていないのが惜しいですが、感慨深く読みました。それから、奥泉和久氏による、某私立短大図書館で起きた事件のあらましについて述べた記事。大学当局による労組問題がらみの内部調査で図書館利用者の個人情報を含むデータの提供が図書館に要求され、「図書館の自由」の観点から個人情報部分を除いたものを提出した女性司書に対して、後日地域の図書館協会による永年勤続表彰への学校推薦が3年間拒否されたという事件が起きたそうです。よく労働組合の機関紙で、十数年、はては20年近くもの泥仕合になってしまった企業労組の事例を見かけますが、今回のケースは約4年間で当局と和解しているのでかなり幸せなケースであると思います。私立学校の場合は教育機関としての面の他に一企業としての経営の都合に左右される側面も無視することができないということが今回の記事から読み取れました。その点で企業附属の専門図書館・資料室と通ずる点があります。
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