雑誌の製本について
前の記事に雑誌の製本について書いたところ、「それはどんなことをするのか?」という質問コメントをいただきました。回答を書いたところえらく長くなってしまったので、新しい記事に起こしてみました。図書館に無縁の方(そういう人でこちらをお読みの方はいらっしゃるのでしょうか?)には何のことやら?かも知れませんがご容赦を。
主に学術雑誌を購読しているような大学図書館や専門図書館では、バラのままでは傷んだり散逸してしまう可能性の高い雑誌を、保存用に巻や号ごとに1冊にまとめて製本しています。
製本の方法としては、自前の簡易製本機を使用するなどして専用のカバーをつけて製本してしまう方法と、専門の製本業者に依頼して布貼りの上製本にしてもらう方法とがあります。今回ネタにしたのは後者の方です。
例えば、月ごとに1号発行されており、1年間12号分を1巻として数える雑誌があるとします。雑誌によっては、1巻を1~6号分と7~12号分の2冊に分けて製本する場合もありますし、あるいは雑誌の厚さによって1~4号、5~8号、9~12号の3冊に製本する場合もあります。
それから、去年赤い布貼りで製本されていた雑誌が今年は青い布貼りで製本されるようなことがあると書架に配置したとき格好悪いので、気をつけなければなりません。
そういった、どの雑誌をどういう風に製本するかについての指示書を業者さんに提示しなくてはならないので、製本予定の雑誌名と巻号のリストを作成し、製本する巻号毎に仕分け、輪ゴムで束ねて別置するなどの作業が必要なのです。他にも指示すべき事項はいくつかありますが、ここでは省略します。
こうして指示書とともに業者さんにゆだねられた雑誌たちが無事製本されて返ってきたら、今度は製本の受入印を新しく押し直し、元あった書架に再排架するなどの作業を行います。また、時たまこちらの指示通りに製本されていないものなどがあったりするので、リストと照らし合わせてのチェックも欠かせません。なじみの業者さんの場合、逆にこちらの指示から抜け落ちていた事項を補完してくれたりして大変ありがたかったりします。
色々書きましたが、実は自分も製本を依頼した経験は今まで2回ぐらいしかありません。しかも実際の書架作業は非常勤さんにお願いすることが多いので、作業の流れの細かいところは抜け落ちている可能性があります。お目こぼしください。
―と、こんな感じで答えになっておりますでしょうか?(^_^;)>まる3@山中湖様
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