『図書館雑誌』2005年2月号(その2)
引き続き『図書館雑誌』2005年2月号より。「協会通信」内、常務理事会の議事録で個人的に大変気になる記事が2つほどありました。
ひとつは中国瀋陽市鉄路図書館(旧・満鉄奉天図書館)が中国の重要建造物として登録保存されることが決まったという理事長報告。一昨年秋に衛藤利夫元館長のご子息である衛藤瀋吉氏からの依頼を受け、日図協として保存の推薦を送ったそうです。負の遺産とは言え、いや、負の遺産だからこそ残されるのは良いことだと思います。そういえば昨年obaさんに勧めていただいた『遺された蔵書』もまだ読んでいないなあ、まずいなあ、と思いつつ、「満鉄奉天図書館」でGoogle検索したところ、せらび書房の雑誌『朱夏』第12号(1999.4発行)に特集として「満洲の図書館とライブラリアン」が掲載されていたことを発見してしまいました。しかもまだ在庫ありとのこと。さてどうやって興味の虫を抑えましょうか。
もうひとつ、これも理事長報告で、東京子ども図書館の松岡享子理事長から、「著作権への関心が高まるなか、読み聞かせをしている人たちから、権利者に許諾を求めることについての疑問などが起きている」「読み聞かせをする人と権利者・出版社との間に日図協が入って広い視野で考えるようにしていただきたい」との要望があったとのことです。日図協の『図書館活動と著作権Q&A』によれば、「朗読」については著作権法第38条により、聴衆・観衆から料金を徴収せずかつ朗読者が無報酬である場合は著作権者の許諾は不要、とのことですが、図書館での読み聞かせにはこの論理は適用されないということなのでしょうか?あるいは「無報酬」の方が引っかかるのかもしれません。ボランティアサークルが謝金等一切なしでおはなし会を担当する場合には問題ないとしても、図書館で働くことで収入を得ている職員が担当する場合は果たして無報酬とみなしてもらえるのかわかりません。(職員も「上演」についての対価を直接収入として得ているわけではないので良いように思いますが・・・?)
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