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2005.02.05

「図書館・情報学」?「図書館情報学」?

 「図書館員の愛弟子」様の記事にコメントをつけさせていただいているうちに、そういえば「図書館 情報学」には「図書館・情報学」と「図書館情報学」の2通りの表記法があったな、と思い出しました。
 いつものごとくGoogleで検索したところ、それぞれ次のような結果となりました。

 図書館・情報学:約 116,000 件
 図書館情報学: 約 27,900 件

いずれもなるべくノイズが少なくなるようにフレーズで検索した結果ではありますが、それでも出てきた結果を見るとどうもノイズが多く(特に前者)、ヒット数の多い方がよく使われている、という結論には結びつかないようです。
 これらの表記はおそらく大学によって異なるのでは?と考え、とりあえず学科・専攻、あるいは大学院のレベルで図書館 情報学を銘打っている(司書課程のみのものは含まない)大学をリストアップしてみました。

●「図書館・情報学」派
慶應義塾大学文学部人文社会学科図書館・情報学系図書館・情報学専攻 慶應義塾大学大学院文学研究科図書館・情報学専攻

●「図書館情報学」派
東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻生涯教育計画コース図書館情報学研究室
筑波大学図書館情報専門学群
愛知淑徳大学文学部図書館情報学科
中央大学 文学部 社会学科 社会情報学コース 図書館情報学(記録情報学)専修
京都大学 大学院 情報学研究科 社会情報学専攻 情報図書館学分野
大阪教育大学 大学院 教育学研究科(修士課程) 健康科学専攻 生涯教育組織論講座・図書館情報システム論講座

 どうも中黒(・)を付けない派が圧倒的に多いようです。なぜ2つの流派に分かれたのか、何らかの歴史的経緯があるのでしょうか。
 しかし、鶴見大学文学部ドキュメンテーション学科のように、図書館 情報学の名を冠していない学校も存在します。恐らくは教育・研究内容に拡がりを持たせるために意図的に「図書館」という冠をはずしたのだと推測されますが、そうした理由が「図書館 情報学」という分野への見限りから来るものだとしたら?と考えて少し寂しくなりました。

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図書館」カテゴリの記事

コメント

歴史的な経緯は多分その筋の方に聞けば教えてくれるとは思うのですが、とにかく慶應は「図書館・情報学」であることに(いささか病的な)こだわりがあるようですよ。

garugon様、コメントありがとうございます。
ちなみに旧図情大については、大学昇格を検討するときの呼び方が仮称もついていない頃には「図書館・情報学」「情報・図書館学」、仮称がついてみたら「図書館大学」と二転三転して、結局「図書館情報大学」に落ち着いたという経緯があるようです。何故そういう結論になったかまでは手持ちの資料ではわかりませんでした。
そして、上の自分の記事をよく見ると、京大の分野名が「情報図書館学分野」になっていたりします。学校ごとにこだわりがあるのは確かなようで、たかが名前となめてはいけない雰囲気が漂ってきます。あまり深く追究しすぎると痛い目を見るかもしれません(笑)。

こんにちは。
私はLibraryの訳は図書館でない方がいいのではないかと思うことがあります。では、なんと訳すかと言われると案は無いのですが、、、Libraryにはもっと一般的な意味があるように感じます。

つー様、はじめまして。
library≠図書館 というのは、「図書館」という語に「図書(本)」への縛りを感じられてのことでしょうか?
「本」のイメージにとどまらない“library”の名称としては「情報創造館」、また、最近の『図書館雑誌』を見たところ「図書交流館」というのもあるようです。
個人的には「図書館」という語にも親しみを覚えていますが、活動の拡がりへの願いを込めてあえて違う命名を行うのも素敵なことだと思います。

1966年当時(慶應が「図書館学科」から「図書館・情報学科」になった)の「情報学」って、どんなものだったんでしょうかね。
今の「情報学」は「情報科学」「コンピュータ・サイエンス」とほとんど同義として扱われることが多いですが、果たして学科や図情大も、現在のような「情報学」を目指していたんでしょうか。現在のようなIT全盛の世の中を想像していたんでしょうか。

私見ですが、日本で図書館学が「中途半端」と言われるのは、多くの学部で図書館学課程が(実装の世界とも、権力の世界とも縁の遠い)文学部にあること、ひいては慶應が図書館学課程を文学部に置いてしまったことだと思っています。根拠のない妄想ですが、もし法学部や工学部にあれば、日本の図書館の状況はもう少し変わっていたのではないか、と思うことがあります。

>つーさん
「情報資源」はありがちですかねえ。

Libraryの訳は、、、難しいですね(笑)。

建物のイメージでは無くて、機能というか組織というか役割というか、、、主題分析みたい(笑)。

んー、難しー。

garugonさんと同じゼミだったので、ネタはかぶりますが、先生方はよく「"中黒"をつけなさい」とおっしゃっていました。論文の提出の表紙に専攻を書くのですが、そこに「きちんと中黒をつけてください」と先生がしつこくしつこくおっしゃっていましたよ。

>つーさん
同様に「蔵書」も最近は"collection"のまま「コレクション」と言っている場合もあるようですね。

>鍋田様
手元の『図書館情報大学同窓会橘会八十年記念誌』という本に掲載されている大学の略史によれば、1979年に大学に昇格した当初は、「狭い領域に閉じ込もる学以前の領域」であった図書館学と「工学的なアプローチ」が前提であった情報学(中身は情報科学)とを融合させた「図書館情報学」という新たな学問領域を構築する、という野望が掲げられていたようです。つまり、少なくとも図情大においては、大学昇格以前は現在のような情報学の概念は確立されていなかったのではないかと想像されます。

日本における図書館学の「中途半端」ぶりについて、図書館という存在が結構社会のあちこちに食い込んでいながらそういう状態なのは、もしかしたらご指摘の通りの理由にも一理あるかも?と考えてしまいました。

>つー様
どうも図書館というと建物のイメージから入ってしまうので、何だかとんちんかんな返事になってしまいすみません。
何せ名付ける相手は「成長する有機体」ですし、日本語で一言で定義づけるのが難しいのは致し方ないのかもしれません。

>ばろなごん様
再び上記の『記念誌』によれば、初代学長は、図書館学と情報学を融合させるのだから、二つの間に「『・』はないことに大きな意味がある」とおっしゃっていたそうです。実は想像を超えて根深い問題なのではないかと疑い始めております。

roeです。ご参考まで。
日本図書館学会が日本図書館情報学会に変わるときも議論がありました。関連して、
日本図書館情報学会研究委員会編『図書館情報学研究とその支援体制』
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jslis/publications/sien_taisei_1.html
リンク先でpdfにて全文を読むことができます。
1998年の調査ですが、関連団体の情勢がまとまっていてもっと参照されるとよいと思っている資料です。

大学の学科の来歴なんかはGHQの頃まで遡りますよね。
根本研究室の研究とか。

>roe様
情報提供ありがとうございます。
日本図書館情報学会の名称については怖いので触れなかったのですが、やはりそのへんの議論はあったのですね。
『図書館情報学研究とその支援体制』は初めて読ませていただきました。米国と異なり各団体が細分化し、それなりに活動領域がまとまってしまっているが故に、この学問分野が(当初の志に反して)一大勢力になり得ていないということを痛感することができました。大変参考になりました。

 図書館学と情報学の問題、自分なりにひと区切り付けましたので、TB入れさせていただきました。
 コンテンツの問題には届かなかったけれど、私の方のコメントに書いていただいた「知識」と「経験」の間の話に少しは届いたかな…届いていてほしいな、と思っています。

 まあ、巻き込むつもりはありませんので、ご報告まで。

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