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2005.02.28

『図書館学と情報学、法情報学』感想

 図書館員の愛弟子で連載され、先日完結したコラム「図書館学と情報学、法情報学(1)(9)」について、ずうっと気になっていましたが、本日ようやく読了することができました。
 正直法学についてよくわかっているわけではないので、的はずれな点も多いかもしれませんが、以下にメモ的な感想を述べさせていただきます。

(『法情報学』のあり方について)
 法学と図書館情報学の共通点というのは、共に実社会に密接に関わる学問分野であるということ。しかし、大きく異なるのは、法学は法の解釈次第で社会の命運を変えうるということ。図書館情報学にその可能性が0とは言いませんが、通常はそこまでには至らないと思います。

(「従来の法学を『情報』の観点で考える」について)
 恐縮ながら陳腐な例えを持ち出しますと、例えば昔は産業スパイの仕事が紙の書類を盗み出すことだったとすれば、現代のスパイの仕事は何重ものセキュリティ対策の施された企業内ネットワークをかいくぐって書類のデータを盗み出すこと。そのように時代が変遷し取り扱う媒体が異なっても、適切に事件・事例の状況を読み取り解釈し、普遍的に裁くことができるのが本来の法学のあり方のはず。わざわざ「『情報』の観点」とか言って、裁き方を区別する必要が果たしてあるのでしょうか。

(2005.3.1補記)
 何だか「法情報学」を否定してしまっているような書き方ですが、別にそうではなくて、法廷や立法府において現実社会に即応していくためには情報関係に限らず新技術を恒常的に取り込むための学問的な検証の場が必要だと考えます。

(『図書館情報学』のあり方について)
「法の解釈と文学の解釈」より:

図書館・情報学は、まさに「情報」とコンテンツとの関わりを一般的に論じうるはずの学問領域であり、そのための方法論が問われているはずです。

これはその通りだと思います。

図書館学と情報学、法情報学(6) : 基礎法学と「法情報」より:

そして少し先取りすれば、情報学と一体となるべき「図書館情報学」には、このような「図書館が扱う情報に関する方法論」が"ない"のではないか…というのが、自分の見解である。

 個々のコンテンツに応じた方法論はそれぞれ存在しますね。ただ、それらを普遍化するものというのは・・・さて存在したでしょうか?もしかして昔受けた「図書館情報学概論」の講義で取り上げられていたかもしれませんが、不真面目な学生だったこともありあまり記憶がありません。
 現場での実践学としての図書館情報学の立場から見ると、方法論をあえて普遍化する必要ってあるんだろうか、とつい思ってしまいます。例を挙げると、やはり現場での実践学である「看護学」がどれだけ学問として普遍化されているかというと、疑問です。
 しかしながら、roeさんがつぶさに指摘されているように、確かに現状のままでは、「図書館情報学」という1つの学問分野を名乗っていながらその名前の意味をこなし切れていないという印象があります。また、学問分野として細分化されすぎてしまっているのが、悔しいですが図書館が社会で今ひとつ軽視されている原因の一つでしょう。
 図書館情報学という学問をもっと普遍化することで図書館学と情報学、その他の学問分野が手をつなぐことが可能になり、結果として図書館情報学という学問分野が成熟し、更には図書館の社会的立場が向上することにつながるのなら、それが良いと考えます。
 今のところ「基礎情報学」というのが、未成熟ながら図書館学と情報学の間を埋めるためのキーになりうるらしいのですが、テキスト内で紹介されている西垣通さんの同名の本を読んでいないのでよくわかりません。

 以上、つらつらと書かせていただきました。長文にお付き合いいただきありがとうございます。それにしてもこういう時、自分が図書館情報学以外に専門分野を持っていないというのが非常に悔しいというか恥ずかしいです。複数の専門分野を持つことで物事を多面的に見ることができると信じておりますので。

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図書館」カテゴリの記事

コメント

 ども、roeです。変なところですが一周年おめでとうございます。
 TBうまくいってないみたいなんで、余分な分は削除お願いします。

 感想ありがとうございました。
 TB先や【稿】の方にさらに感想を書かせていただきました。

 連載の始まりの時点でも申し上げたとおり、延々私のめんどくさい、混乱した議論にお付き合いくださる必要はまったくございませんので、このコメントも、お知らせまで。
 では、失礼いたします。

トラックバック&コメントありがとうございます。
ダブっていたトラックバックについては最新のものを除いて全て削除させていただきました。
新しい記事、またゆっくり読ませていただきますね。(^^)

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