国立国会図書館によるインターネット情報の収集・利用について
国立国会図書館の「インターネット情報の収集・利用に関する制度化の考え方」について。パブコメを送るほどの知見も何も持ち合わせていませんが、ただシンプルに、別に収集して構わないんじゃないか、と考えています。
国会に対する奉仕の責務を果たし、また文化財を蓄積して現在及び将来の国民の利用に供するために、インターネット情報を収集し、保存する必要があります。(上記サイトより)
という主目的もきちんと明示されているわけですし。法定納本制度のもと国内出版物を収集しているのと同じ流れでインターネット情報を収集するというのは悪いことではないと理解しています。
「ネット日記はプライベートなものだから収集してほしくない」という意見もあるかもしれません。しかしインターネットに公開している以上それが「プライベートなもの」であるとは言えないと思います。少なくともパスワード等による認証なしで公開している場合は。個人的には、日記の機能(昔ながらのWeb日記の他ブログも含む)を活用して対象者を限定したコミュニティを構築したい場合を除き、たとえパスワード付きであっても一個人のプライベート情報をインターネットに公開するのは避けた方が良いと考えているのですが。
それから、もし相手が図書館であることを差し引いても政府機関に情報を収集されることが我慢ならない人も出てくると予測されますが、収集については所定の手続きをもって拒否することができると記載されているのでこれも問題はなさそうです。手続きがあまりに煩雑だったら考え物かもしれませんが。
―ということで、きっとパブコメでは筆者などには思いもよらない多様な意見が上がってくるんだろうな、と思いますが、今のところ筆者としては「どんどん収集してください」という心構えです。収集が制度化され、ココログのサーバに載っているデータも対象になるとして、自分のおそらくは心得違いも含むブログが永久保存されるのは確かにこそばゆいけれど、まあ、後世の方に図書館の所蔵資料として使っていただける可能性があるならそれも一興だし仕方ないだろう、と思うのは図書館員ゆえの性でしょうか?
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» 国立国会図書館方針転換 [日々記―へっぽこライブラリアンの日常―]
朝日新聞(東京版)6月30日付け3面に次の記事が掲載されていました。 国会図書館 [続きを読む]
先方にもメールしたのですが、どうしてここにきて、「インターネット情報の収集」なんでしょうかね。僕としては、インターネット情報を否定する訳ではないのですが、テレビやラジオの報道(情報)を収集しないことの方が、不思議でなりません。
新聞のニュースならば、1週間後でも数年後でも、まとめて読むことができるのに、テレビのニュースは過去1週間分まとめて見る事すらできません(昨日のニュースすら見る事ができません)。ラジオも同じです。
Podcasting になれば、タグの付け方で、可能になるとは思っているのですが...。
そういうことについて、国会図書館は、なんと考えているんでしょうか?
投稿: maru3@yamanakako | 2005.04.27 13:40
ご無沙汰しております。
そうした役割をどこが担うかどうかは別として、情報創造館のブログに書かれていた放送ライブラリーのように現在放送局の拠出金や公益団体の補助金で購われている施設を、もっと国の事業として支援しても良いのに、とは思います。名番組も迷番組も、皆時代を生きた貴重な財産なのですから。
投稿: MIZUKI | 2005.04.28 22:43