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2005.04.18

土曜日の出来事

 土曜日は、5ヶ月近く前から入院している母方の祖父の見舞いにようやく出向くことができました。微細な出来事は人様のお目汚しになるだけですので省きますが、何というか、「老い」という事についてじっくり考えさせられた1日でした。
 入院先に出向く前に祖母が留守番している家に立ち寄ったのですが、実は直に会うのは5年ぶり。齢90歳近くになろうとしている祖母は、視力と膝が弱っていることを除けば頭脳も明晰で健康ではありますが、昔話とどうでも良い世間話と繰り言とが混ざり合った濃い話が大変多くなったなあ、としみじみ。
 そして、病院で祖父に再会。この祖父は昔気質で偏屈でひたすら祖母にかしずかれて50年以上過ごしてきたはずなのですが、今や「皆のおかげでこうして生きていられる」と感謝の言葉を述べ、残された家族の今後をひたすら心配する家長の姿がそこにありました。倒れて以降自力での歩行が不自由になってしまったため、バリアフリーでもなくまた付ききりで介護できる者もいない自宅に簡単には戻れないことはわかっている、病院の暮らしにも慣れたが遠慮していることもたくさんある、などと語る様子に以前の面影は見られません。痛々しさを覚えつつそれに対してどうにもできない自分に無力感を覚えつつ、それでも事前に予測していたより口数も多く歩行リハビリの効果も上がっていたのは良いことだと自らに言い聞かせ、「お見舞いありがとう」と繰り返す祖父を残して病院を後にしました。

 祖父母と言うのは幼い頃から「田舎に帰ると元気に出迎えてくれるのが当たり前」な存在でした。父方の祖父母が比較的早くに亡くなってしまったため、唯一おじいちゃん、おばあちゃん、と呼べる相手でもありました。しかし、そう遠くない将来に、当たり前が当たり前ではなくなるのかも知れない。そのように考えると、胸がいっぱいになります。ブログに書こうかどうしようか迷ったのですが、自分の中で決して軽く外すことのできない出来事だと思ったので、このようにして書かせていただくことにしました。身内話で長文失礼してしまい申し訳ござません。

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