東京出張物語(1):学術雑誌の引用データについてお勉強
金曜日はとある業界関係の団体主催のセミナーに参加のために東京出張でした。某外資系データベースベンダーの方のお話で、内容は“ISI Web of Science”を使用して学術雑誌同士の引用・被引用関係を分析し、学術分野別に雑誌の相関マップを作成するというものでした。
そのマップから読み取れることはいくつかあって、まず、インパクトファクター(以下、IF)の高い雑誌がある学術分野でコアジャーナル(相関マップにおいて同分野の中心に属する雑誌として示される)であるとは限らないというのがありました。一例としてあげられるのは、NatureやScienceやPNASが特定の分野に属しているか?ということです。逆に、ある学術分野のコアジャーナルのIFが高いとは限らないわけです。従って、ある学術分野におけるコアジャーナルは、雑誌の引用・被引用関係の「絶対数」であるIFだけでなく、マッピングによって割り出された各雑誌への「集中度」も分析した上で割り出されるのが望ましい。他にもISIでは“Average Citation Rates”(出版年ごと、分野別に算出した平均被引用数)、“Percentiles”(出版年ごと、分野別に算出した百分率による目安)など、雑誌の相対評価を行うための指標を用意しているので、図書館の購読雑誌等の適切な評価に役立ててほしい、ということでした。
書いてみてわかりましたが、自分的に目からウロコで感銘を受けるお話ばかりだったにもかかわらず、きちんと脳内で消化し切れていません。ベンダー主催のセミナーでは実際に相関マップの作成実習があるそうなので、機会があれば是非受講してみたいと思います。
実は最初、このセミナーを受講する予定はありませんでした。何故受講することになったかと言うと、今月からセミナーの主催者である業界関係団体に縁あって一委員という形で関わることになったのですが、その委員会の初会合がセミナー終了後に開催されることになったので、じゃあ、会合に出るついでに受講してしまおう、という考えで急遽出ることになったのでした。・・・ごめんなさい、こんなに役立つセミナーなら、最初から真面目に参加表明しておくべきでした。
肝心の委員会にも、もちろん出席いたしました。目上の方がほとんどだったので緊張しまくり。かの団体は、当初大きい目標を持って設立されたにもかかわらず、様々な経緯を経たのちに、現在は親睦団体的な役割を果たすのみとなっています。そこを何とかしたいということで少しずつテコ入れ策が施され始めており、どうも筆者のようなへっぽこが召喚されたのもその一環のようです。諸先輩方のご意見を伺い、自分もほんのちょっと発言して、委員会の当面の活動方向がちらりと見え始めたところで、今回の会合は終了。
緊張の糸がほぐれ、後はバスで家に帰って軽く外食でもして寝るだけ(^^)と思っていたら、世間が夏休みである故か、バスは渋滞に巻き込まれ、東京駅出発から自宅到着までに
2時間以上かかりました。へろへろの状態でそのまま外食に出たためか、軽めのメニューを選んだのに食事中に眩暈と吐き気を催してダウン。何とか帰宅してベッドに直行しましたが、重なる年齢と基礎体力不足とをダブルで痛感した出来事でした。
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