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2005.07.11

図書館員の広報イメージ戦略

自分にしては随分長いこと(5日間も!)ブログを更新していませんでした。いや、PCにはほぼ毎日触れていたのですけど、何故かモチベーションが下がりっぱなしで、まとまった文章を書こうという気が起こらなかったのです。こことは別に書いているキャラクターものメインのブログなど、写真が中心だというのにそれすら1回更新するのがやっとで。しかも土日にやろうと思っていた家事もほとんどこなせず(家事の貯めすぎという説もありますが:-p)。どれもこれも、梅雨明け間際の辛い蒸し暑さのせい、ということでお茶を濁しておきましょう。

さて、本題です。先日職場に届いた『情報の科学と技術』の55巻7号(2005.7)に、早稲田大学図書館の方が執筆されたこんな記事が載っていました。

仁上幸治:学術情報リテラシー教育における広報イメージ戦略―司書職の専門性をどう訴求するか―

この雑誌は普段もっと「司書」や「サーチャー」といった枠を超えた「情報スペシャリスト」向けの記事が多いと感じていたので、上記のような「司書」とその「専門性」をテーマにした記事が載るのはそれだけで珍しいと思いました。内容としては概ね次のとおりです。

 

テレビドラマに登場する図書館員は何故か皆、「親しみにくい」「融通が利かない」「単純定型作業を地道に反復しているだけ」「司書はお手軽な資格」というマイナスイメージで設定されている。それは図書館員自身が抱く自己イメージとは裏腹に、現実の視聴者が理解している図書館現場の実情を反映しているに過ぎない。そういったイメージを打破するために、図書館員は新しいイメージを創造しなければならない。そのためには次のような多面的なアピールが必要。
図書館員自身による旧来の小役人的イメージの逆を行く図書館広報の立案・実施。講習会の運営・指導および講習会配付資料のホームページ公開による「司書の仕事」のアピール。情報探索ツールの羅列から一歩前に出たパスファインダの作成。利用者満足度アンケート調査での積極的姿勢アピール。図書館に教員別のリザーブ図書棚を設け、授業の進行状況と連動させて複本数や貸出期間を調整するなどして学生の自習を支援するという教員への協力、などなど。

つまりは図書館の外に向けて「図書館員はこれだけ仕事してるんだぞ」と宣伝するためには、まずは組織の中の人に図書館を活用していただくべくイメージ変革を図ることが大事だということなのだと思います。実はそんなに目新しいことを言っているわけではないのに(著者の方すみません)、おおそうですね、要は小さな事からコツコツと、それでいて堂々と組織の中に食い込んでいけばいいんですよね、と、どこか希望を持たせるものが今回の記事の中にはありました。
しかしここで問題になってくるのは、図書館員の多くは「凝り性」だということです。つまり、せっかくがんばって仕事をしたとしても、それが組織の中の人たちに活用されない限り「独善的」「自己満足」に陥る危険性も高いと思われるわけで。それを防ぐためにも、記事本文中にも触れられているように自館の他の職員と協力して組織的に取り組み、また、利用者と向き合いその意見に耳を傾けることが重要になってくるのでしょう。やはりスキルアップと人間関係の両輪あって成り立つ仕事なのだと思います。
図書館員が専門性を高め、かつアピールするには本当、目新しいことなんて何もない。ただ職業人としての正しい基本を積み重ねていくだけ。なのにどうしてこんなに難しいのでしょう。そんなことを考えさせられた記事でした。

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