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2005.12.23

図書館に静脈認証システムが

 既にあちこちの図書館系ブログで取り上げられている
 茨城県那珂市様の市立図書館システム構築を受注(富士通 12月22日付けプレスリリース)
 本の貸し出しカード不要、初の静脈認証で…茨城・那珂(YOMIURI ONLINE)
の件について。

 現在建設中(2006年10月開館予定)の那珂市立図書館では、非接触型手のひら静脈認証技術により、貸出などの図書館サービスを受ける際に図書館カードがいらなくなり、ただ手のひらをかざせば良くなるようなシステムを構築するそうです。本日の朝日新聞朝刊15面の記事(12/23 17:00現在アサヒコム未掲載)や上の読売新聞の記事で日図協もコメントしているように、確かに少なくとも国内の図書館では使われていなかった技術だと思います。
 個人的には、銀行などで財産を保護するためならともかく、図書館の利用の利便化と引き替えに、自分の静脈の情報という結構重要な生体機密データを提供しなければならないというのには、やや抵抗感を覚えます。例えばデータが厳重に管理されるとしてもです。
 恐らくそういう抵抗のある人向けに「開館当初は、ICカードとの選択制」(読売記事から)という運用方法を用意しているのだと思いますが、運用が二通りあるというのは現場的には混乱するのではないでしょうか。特に図書館側としては。

 あと、自宅でこの話題を話していて連れ合いともども気になったのは、今回のシステムのような認証方式を採用するというのは市側(図書館側)であらかじめ仕様書に盛り込んでいたことなのか、それともメーカ側から入札前ヒアリングの段階で提案されたことなのかということです。後者であるとしても、市側が「個人情報の厳重保護」と「利用者の利便化」を両立させる明確なポリシーを持った上で、メーカに入札資格を認めたのであれば良いと思います。
 しかし、Copy & Copyright Diary記事でも取り上げられていましたが、あまり使いやすいとは言えない那珂市のウェブサイトを見るとちょっと引っかかってしまいます。表示文字サイズを調整できるなど、一見ユーザビリティに配慮しているように見えますが、右クリックを許可していなかったり、JavaScriptを使いまくったりと、何かを過剰に意識しすぎて、「ご提案」に流されて空回りしているような気がしないでもありません。市のウェブと図書館システムを扱う部署は別だとしても、ちょっと心配です。杞憂だと良いのですけれども。

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図書館」カテゴリの記事

コメント

確かに。何でも最新技術を使えばいいってモノでもないでしょうにね。ありがちの、提案丸呑みのような^^;

>ゆーりん。様
システムを作る立場よりは使う側の立場に近いので、あのいかにも「提案丸呑み」なウェブサイトを見ると大変歯がゆい気持ちになるのです。
願わくば、図書館システムの方はそうではなくて、進取の気風に富んだスタッフが批判は百も承知の上で考えに考えて取り組んだものであってほしいと思うのですが・・・。

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