お役所にとっての国立国会図書館って?
今更なニュースではありますが、自民党行政改革推進本部のサイトに、国立国会図書館等の法人化について触れた「国会事務局等改革に関する提言」が掲載されました。
(注:PDFファイル)国会事務局等改革に関する提言
内容的には今まで報道されてきたのとほとんど一緒です。しかし想像していた以上に提言の内容は具体的で、かつあくまで「国会の一組織」としての改革が求められているということがわかります。
この提言の掲載についてはLibrary & Copyrightの2月24日付け記事で第一報を得ました。更にその前の記事によれば、わずか5年前には自民党で国立国会図書館の関西館オープン、インターネットサービス拡充等を支援していたそうです。時代の流れで国会の事務局も行革から逃れられないとは言え、「自民党には政策の一貫性というものは無いのでしょうか」(左記ブログより)という意見が出ても仕方ないと思います。
ところでこの2月24日の記事に付けられたコメントには現役の役人らしき方の発言もあり、なるほどと膝を打つ話もちらほら見受けられましたが、その中にご自身の省庁の図書館(ほぼ間違いなく国立国会図書館の支部図書館)を指して「左遷先」「定年までの飼い殺しの部署」「昼休みの職員の居眠り場所」と定義づけている発言がありました。自分の知っているとある支部図書館は決してそのような位置づけにはなっていないので「違う」と反論したかったのですが、聞くところによれば重要業務を非常勤さんや派遣さんに押しつけて職員に士気の感じられないような館や、カウンター業務など一部業務のアウトソーシング化が開始されてしまっている館が存在するのもまた事実のようです。
外野から見る限りでは今回の組織改革で支部図書館制度に影響が及んだら各省庁お膝元の職員が一番困るような気がしますが、肝心の各省庁はシロアリに大事な柱の一つを喰われて手遅れになるまで、柱の重要性にすら気づかないんじゃないかと思えてなりません。それぞれの部署は、自分たちが抱えこんでいるわずかな柱さえ守れればそれで満足なのでしょうから。
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