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« 『ダンス・オブ・ヴァンパイア』観劇記(7/17ソワレ) | トップページ | 浴衣 »

2006.07.25

知りたいことを専門機関に訊く前に

 本日、結構あちこちの方から業務上のサポートを求められたこともあり、ちょっと仕事に余裕がなかったので心がとげとげしくなりかけていましたが、家に帰って家族の顔を見て、買ってきた夕食(ここちょっと情けない(^^;))をいただいて、ようやく心がほぐれつつあります。でも、少しだけ図書館ネタで現実逃避させていただきます。

 図書館雑記&日記兼用:全ての人の時間を節約せよ - livedoor Blog(ブログ)

 図書館でレファレンスを受けた事項を、ほとんど下調べもせずにいきなり専門機関に訊く、というのは図書館員にとってはある意味確かに「負け」だと思います。その意味で、上の記事の作者さんのご意見には諸手をあげて拍手します。レファレンス協同データベースの存在意義なんて、まさに「次に備える」ためにあるわけですし。
 ただ、まだ図書館に来てくれる人は良いのです。むしろ筆者が専門機関側の立場から問題にしたいのは、図書館に訊かないでいきなり専門機関に訊いてくる人がいることです。確かに専門機関に尋ねればより確実な内容の答えは得られますが…ますが…。その専門用語と学術的レトリックとでふんだんに彩られた答えであなたは本当に満足できますか?というケースも時々見受けられます。
 もちろん専門機関にも、相手のレベルに合わせて話の内容をコントロールできる専門家というのは存在しますが、そうではないタイプの方もいらっしゃいます。加えて、どんなに易しく語ろうとしても限度のある専門分野というのも厳然としてあります。
 そうした機関にはたいがい広報部門というのがあり、そこでも当然、難しいことをわかりやすく伝えるための工夫はしていますが、一方で常に専門家の言葉を「正確に」伝える努力も求められており、「平易さ」と「正確さ」という時に相反する方向性の狭間に陥ってしまうこともしばしばです。
 ちなみに筆者の職場関係では、実は図書館部門が機関の広報業務も兼務しているところが大部分で、司書資格を持つ職員が渉外対応を担当することも珍しくありませんが、そうした担当者を持ってしても二つの方向性のバランスを取るにはかなり知恵が求められます。

 長々と書きましたが、だからこそ、何かを調べたい人はまず最寄りの図書館に出向いていただきたい、と心から思います。そして、資料を自分の手に取ってページをめくって調べてほしい。どの資料を手に取ればよいかがわからなかったら、図書館の人に訊いてみるということをしてほしい。訊いた先の人が外れだったらご愁傷様と言うしかありませんが(おいおい)、もし自分の足で歩くことにより満足な道筋を見つけることができたなら、きっと、まっさらな状態でいきなり専門家の懐に飛び込むよりも多くの収穫がその人にもたらされることでしょう。
 先日某所のセミナーで「検索するのが好きなのはライブラリアンだけ」という名言を耳にしましたが、ライブラリアンでない人にも少しは検索する(調べる)楽しみを知っておいてほしい、と願うのは、所詮筆者がライブラリアンであるが故の身勝手なのでしょうか。

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図書館」カテゴリの記事

コメント

はーい。ライブラリアンじゃないけど、検索するの好きです^^
自分で調べるの面白いじゃないですか・・
ただ、図書館はあまりうまく使えてないかもしれません^^;人に聞くのが苦手というか・・・。ネット使うようになってからはついつい足が遠のき・・。
本をめくる快感ってのはネットに無いので、またあの世界にハマりたいもんです。

って、確か昔、世間で言う所の「図書委員」の立場でいらしたような(笑)>ゆーりん。様

かく言う自分も実際に図書館に行くよりも、知りたいことがあるとネットに頼るか、さもなくば書店に出向いて本を買ってきてしまう質です。
気持ちの上ではいつでも図書館サポーターでいたいんですけどね。

 まあ、そんなこともありましたね(実は中学でも図書委員だったり・・)過去形なわけで・・・。
子どもの小学校の図書室で時々PTA関係の委員会があったりするわけなのですが、本が乱雑に突っ込まれていたりするとつい直してしまったり、番号順に並べてしまっていたりします・・。全然几帳面ではないんだけど^^;本は気になるのよね。

お久しぶりです。
今回若干職業柄耳の痛いネタも含まれてたので思わずコメント。
そう、ガッコで「××について調べる」宿題を出すと、同じ質問(しかも要領を得ない)を持った子どもたちが大量に思い思いに図書館に聞きに行ったり、図書館の検索機会を占領したりということが度々起こるという怪現象ですね。
ガッコがちゃんと「こんな課題出しました」って地元の図書館に連絡するだけでもたいぶ違うはずなのに。
実は、某市の図書館で某N高時代の図書館常連だった某氏が勤めているのですが。元同級生のよしみか当時勤めてたガッコの調べ学習で図書館を利用したときに検索機械が混んだことについて率直な苦情っぽいことを言われたのです。「機械以外の検索の仕方も指導したけどウチのガッコは市内で一番生徒数が多いからどうしても混んでしまう」由を説明したら「そこまで指導してくれているなら」と納得してくれました。かなり前述の問題で悩まされているようです。
私はたまたま司書志望くずれのキョーインなので、セートには検索のしかたとか教えるし(前のガッコで同僚から「十進分類法の女」というあだ名を進呈されました)、調べ学習をするときには相手先に内容を連絡したり(生徒が質問する予定のことをリストにしてfaxで送ったら、生徒が質問する前に全て答えられてしまって質問できなくなったりする確率が90%ですが)するのですが、それだけで図書館や訪問先の機関からわざわざほめていただくことが多いです。ってことは、通常どれだけそれがされていないかっていう……。
いや実はまさに昨日、年若い同僚から「司書教諭の資格って、一応とったけど、あれって何の役に経つの?」って尋ねられて(前のガッコでも別の年若い同僚に全く同じ質問をされたことがあったけど改めて)軽くショックを受けたところだったのでした。
なんぼ学校教育法があらたまって一応ガッコに司書教諭を配置するようになってもこれじゃぁなぁ。
というわけで、この件は図書館だけてなくてガッコというところから啓発が必要だということを痛感しました。生徒より先に教員の……
長文になってしまったスミマセン

幾狭様、お久しぶりです。
丁寧な現場レポありがとうございました。というわけで、こちらも長文コメント返し(^o^)

読ませていただいてこんなこともあるのか!と思ったのは、
> 機械以外の検索の仕方も指導したけどウチのガッコは
> 市内で一番生徒数が多いからどうしても混んでしまう
の件。先生の指導だけではどうにもならないこともあるのですね。

でも、実際、先生方が皆、このように意識して指導していただけるだけで、質問を受ける側の印象はかなり違うと思います。対応もし易いですし。
…って、今図書館の実務から離れてしまっている自分が言うのも何ですが。
あと、専門機関側でも、限りはあるかもしれないけれど引き続き様々な年齢層に自分たちの仕事を分かり易く伝える努力というのも続けていかなければ、と思います。

それから、若い先生の司書教諭は役に立つのか?発言。司書教諭の研修を受けてるかとか、研修後の実践の機会のある無しとか色々要因はありそうですが、最終的にはやはり先生の意欲にかかってくるということでしょうか。研修を受けるかどうかも結局意欲の問題ですし、実は結構大きい課題なのかもしれませんね。

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