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2006.10.13

公務員の海外出張

 昨日のニュースから。
 asahi.com:衆院職員「海外研修」実は、国政調査費で欧州芸術の旅 - 社会

 いつもの朝日新聞の釣り記事だ、と思っても、つい擁護したくなる私。とは言え、衆院事務局側の、
「(前略)研修中の余った時間をいかに活用し、海外の知識を深めるかという意味を含めて海外研修が行われている。(後略)」
「(美術館の入場料を公費から支出することについて)意識の問題。本人は行きたくないのに、職務として行っていることもある。(後略)」
等の発言を見ると、例え本当に予算消化だったとしても、もっと上手な言い訳をせんかー、といらだちます。いや、当事者側が「予算消化のための慣習なんてなくなれ」という深慮遠謀の元にコメントしてるんだったら話は別ですが。

 ごくごく個人的には、公務員の海外出張に目くじら立てる国というのは、何て味気なくつまらない国だろうと思うのです。もちろん、今回の事例では世論の支持は得られないだろうと感じますし、「無駄のない海外出張をすればいいじゃないか」という意見があるかと思いますが、実際のところこういうことがあると、内部の審査が極端に厳しくなって、本当に「無駄」であると言い切れない出張まで取り下げられたりするのが現実です。

 例えば図書館関係の国際会議など、海外と業務上密接な交流のある図書館だったら公費で行かせて欲しい、できれば若い有望株に大舞台を経験してきてもらいたい、というのが人情ではないかと考えますが、そういう伺いが「若いから」「具体的な業務上の交渉に行くんじゃないから」、という理由で却下された例を耳にしました。確かに国際経験を積むには必ずしも公費を使う必要はありませんが、ノンキャリアの若手を送り出すにはベストな選択肢だと思ったのですが…。海外出張の支度金とか美術館の入場料(笑)なんて要らなくて、飛行機のチケットと最低限の宿泊代さえあれば十分なのに。
 そんなに行かせたければ有志がカンパでもして送り出せば?と言われるかも知れません。けれど日本はいつからそんなに余裕のない国になったんでしょう。…って、嘆いてばかりじゃ仕方がないのですけどね。

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コメント

「余裕のない国」
うまい表現!! 今年の流行語大賞、狙えるかも!(笑)

確かに言えてます<余裕のない国
ギスギス音がしそうですもんね・・・

日本は本当に金銭的な面で余裕のない国(=赤字大国)なので、金の使い道にシビアになるのは、ある程度仕方ないかなとは思っています。全く無駄とは思われない出張でも、コストパフォーマンスが悪ければ、優先順位が低くなってしまうのかなと。

でも、省全体を見渡して本当に業務上の交渉のための出張費しかないならともかく、そうじゃないなら、年度末の予算消化のための出張は一切なくして、必要のある出張はちゃんと行かせてほしいと私も思います。

縦割り行政で予算が割り振られているために、未だに無駄な年度末出張が消えませんよね。その陰で、こういう出張話が却下されてしまうというのは、釈然としない気分です。

>くるとん様
ありがとーございます。(^^)

>ゆーりん。様
下のムラサキさんの書き込みにもあるとおり、精神的にだけじゃなく金銭的にも本当余裕がなくて窮屈なのが辛いですね。

>ムラサキ様
「未だに無駄な年度末出張が」
同感。年度末にお金を余すぐらいならあの時使えただろう、と思うことが多々あります。
公の予算を使うにあたって、予算を監督している人を説得できないような支出計画は所詮それまでであり、却下は役所的に間違ってはいないのかも知れませんが、たまには言葉尻を捉えて押さえつけるような真似はせず、自らを説得される方向に誘導してみて欲しいなあ、とつい甘いことを考えてしまうのです。

そう言えば、時を同じくしてdoraさんの地元でこんな記事がありました。
>> 鶴岡千葉市長、夫人も公費でスイス出張-http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000610130003
一国の首相ならまだしも、市長クラスでは公私混同と取られても仕方無いかも...。こういうのは、行った後に効果と必要性を事後審査して認められる事例だったら費用を支出すればいいのかもしれませんね。

今は現実には海外はおろか今や県外でも宿泊研修は認めてもらえません。尤も、自分の懐を痛めずに意味がある研修ができるのかどうかという疑問もありますけど、せめて往復の交通費(実費)だけでも後で清算できると有り難いかなと思いました。

>dora様
元記事を読む限り、市長夫人の扱いについては自治体により対応が分かれているようですね。精査したとしても厳密に公費にすべきかグレーな事例ではありますので、私費で行っていただくのが最も無難におさまるのでしょうけれども。

県外での宿泊研修旅費が認められないというのはかなり辛いと思います。国立国会図書館の研修だと関西館が会場の場合も多いですし。本当に役立つ研修であれば私費ででも行ってやる、と私も思いますが、業務への活用のために行くのだから、できれば何とかなって欲しいものです。

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