「大学図書館は学生の強い味方」
昨日G.C.W.さんの「愚智提衡而立治之至也の取り急ぎブックマークしました」経由で見つけたコラム。
第20回 広い,24時間開館! 大学図書館は学生の強い味方:ITpro
執筆されているのは、ニューヨークの日本企業でシステムアナリストとして勤務しながらニューヨーク大学(NYU)の大学院に社会人入学されている方なのですが、修士論文を書くために実質的に初めてきちんと大学図書館を利用したところ、実に便利で頼りにできることがわかり感動している、というのがこのコラムの要旨です。
このくらいのことは、国内でもある程度学生数を抱えていて図書館の運営をきちんと行っている今どきの大学であれば、完璧とは言わずともかなり対応できると思うのだけど、と思って筆者の方のプロフィールをチェックすると、1991年に京大農学部を卒業されています。世代的には自分とそんなに変わらないようです。つまり、この方がご存じの日本の大学は、15年以上前の姿ということになります。確かに例え図書館を使ったことがあったとしても、夜間開館をしている館は極めて少なかっただろうし、ましてやInternetなどあるわけがありません。
当時の大学というのは今みたいに学生生活のノウハウを学生に手取り足取り教えるのではなくて、学生が先輩や同級生と情報交換し、先生方に質問しながら自主的に動いていくものだったように思います。で、そういう時代だったからこそ、図書館に直接行かなくても生きて行けたんではないかという気がします。
まあ、いくら当時の大学であっても図書館のオリエンテーションぐらいはやっていたように思いますが、京大の場合、小耳に挟んでいる学生気質として、あまりそんな説明に真面目に耳を傾ける人間もいなかったのではないでしょうか。また、理系の学部ということで、もしかしたら図書館利用より実験の方が中心だったのかも知れません。自分は兄弟も含めて文系だっただけでなく、通っていた学校の専門の関係上、図書館の資料を使いまくらないと単位の取りようがなかったので、ここは想像するしかないわけですが。
……と、ごちゃごちゃ突っ込んでおりますが、別に図書館の使い方を今頃知ったからと言って、他人様の頑張りにけちをつけるつもりはさらさらありません。むしろ、折角図書館の使い方を会得されたのですから、ぜひ図書館を使い倒してレベルの高い修士論文を仕上げられた上で、これからもこうして図書館の効果を宣伝していただきたい、と思っているぐらいです。
もっとも、この方が日本に戻られてからどこかの図書館を利用されたとして、万一その館の対応がしょぼかったりしたら……と考えると、妄想だけで気が重くなってしまうのですけれど。いつ、誰が、どんな依頼を持ってきても、少なくともしょぼくない対応のできる図書館であることって、つくづく大事だと思います。相変わらずオチなしの記事ですみません。
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