都知事とレファレンス
DORAさんのブログ経由で知った以下のブログの記事で、10月20日の定例記者会見における都知事の発言を知りました。
葦岸堂: 石原知事の会見記事から
レファレンスって確かに、端から見ると単に人の話を聞いて、本を調べてるようにしか見えないでしょう。そこには確実に技術と知識の事例蓄積が存在していて、だからこそ都知事のお膝元の図書館の「しらべま専科(レファレンス事例データベース)」や国立国会図書館の「レファレンス協同データベース」などが構築されているのですが、その知識の蓄積過程というのがきっと一般の人には抽象的なものにしか見えないんだろうな、と思います。また、図書館(情報)学以外に専門を持たない人間の参考調査というのは、所詮、過去の書物やデータという他人の褌で相撲を取るものに過ぎないのかも知れません。
都知事にとっては、図書館というのはあくまで「自分の好きな本を読む為の場所」であって、「より良い調べものをする為の場所」ではないのでしょうね。それを知らずに過ごすのは人生損してますよ、と言いたくなりますが、別に知らなくても生きてはいけるのも確かです。また、こういう人生の損を取り返そうと考えようともしない人を選挙で選んだ人たちの大半も、そんなことを知らずに生きていることでしょう。レファレンスがなきゃないでも十分生活できるというのが、今の日本の図書館の姿なのだから、都知事に暴言吐かれてもきちんと言い返すのは難しいと思います。それにしても図書館もなめられたものです。
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