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2006.12.29

図書館2題

 先日ここでチェックが終わっていない!と大騒ぎした某イベントのカタログは、一昨日の夜、無事チェックすることができました。まずは一安心。仕事納めも過ぎて今日から年末休みですが、また6日後にはいつものように働いているかと思うと、あまり感慨も湧かないと言うものです。

 さて、最近なかなか図書館ネタを拾えていませんが、本日12月29日の朝日新聞に図書館関係の記事が2つほど出ていました。

 1つは「天声人語」。浜松市のイトーヨーカドー浜松駅前店の「子ども図書館」(130㎡、蔵書約10,000冊)が、店舗が年明けに閉店になることに伴い、閉館の危機に見舞われたが、地域の署名活動により別の店舗に移転して存続することになった、という話。開館19年にもなるので、「親子2代で親しんできた」(記事より)方もいるそうです。子供の頃なじみの図書館というものを持っていなかった(田舎だったので……)自分に取っては、純粋に羨ましい話であります。

 もう1つは同じ朝日の国際面(9面)の「お寒い文化行政」と題された「特派員メモ」。モスクワ在住の劇作家が、作曲家ショスタコービッチと亡父との間で交わされた書簡や指示つき楽譜、演奏テープなどを大量に所蔵しているが、保管先の部屋の家賃の負担が難しくなってきたため、モスクワの公文書館に寄贈しようと考えた。ところがロシアはエルミタージュ美術館で盗難事件は起きるわ、国立音楽博物館は料金滞納で電話が通じなくなっているわで不安に。更に、
「予算難で老朽化した文化施設は火事や水漏れの恐れもあり、文書館勤めの友人ですら寄贈を勧めなかったという。」(本文より)
ということで、困り果てる持ち主。さて資料の行方は?という内容でした。
 国や自治体が確実に資料を保存してくれる保障が失われてきているのは、ロシアに限った話ではなくて、多分今の政治のまま進むと日本もそうなるんだろうな、という気がします。同時に、日本のそういう体制を煽る尻馬に乗った朝日新聞に言われたくねーな、とも考えてしまいますけれど。

 今こそ、国の省庁や自治体の枠に縛られず、そういう文化を守る人的ネットワーク作りが必要なのだろうと思います。当たり前に享受していたものがそうではなくなる日も遠からずやってくるのだと、どれだけ多くの人が理解してくれるでしょうか。
 最初のヨーカドー子ども図書館の記事に戻りますが、1つ気になったのは、この館は、いくら地元が声を上げようが、ヨーカドーの経営状態次第でどうにでもなってしまう、ということです。継続的に文化の質を保ち続けるにはお金が不可欠なのだけど、今や国も自治体もそっちにかけるお金がない、という間違ったことになっています。財団法人やNPOが文化施設の経営を預かって、利用者が年会費なり募金なりで支えていけば良いのかも知れないけれど、それって言ってみればNHKの受信料みたいなもので、かなり収入源が不確実。うーん、どうしたら良いのやら。ということで、妙案の出ないままひとまずこの記事は終わりです。

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