誰が図書館を守るのか
#大仰なタイトルを付けてしまいましたが、あまり中身のあることは書けておりません。
先日書いた「図書館2題」の記事に、
からトラックバックをいただきました。別にうちのブログを引用しているわけではなさそうなので、一瞬削除しようかとも考えましたが(笑)、結構面白げだったので読ませていただきました。
以下、読ませていただいた感想というか意見みたいなものを少し書かせていただきます。
なお、筆者の場合、論理的な思考が得意ではない(論理的思考は得意な人に任せておけば良いと思っている)上、経営学とか経済学はかなり不得意な分野である為、相変わらず直感での言葉になってしまってます。ちなみにリンク先の他の記事は全然目を通してません。すみません。
また、図書館(ここでは公共図書館のこと。)というのは確かにどうしても必須とされる公共財ではないけれど、図書館を必要としているのは個人の利用者だけではない、ということについては、記事のコメントで「図書館員の愛弟子」(何故RSS配信止めちゃったですかー?チェックし忘れるじゃないですかー!)のroeさんがすっきりと反論されているので、今更筆者ごときが言うものでもありませんが、それでも少しだけ。
まず、図書館に税金を使うべきか?という話ですが、筆者は基本的に、
「必ずしも使わなくてもいいけど、国や自治体が全面的に民間企業に託す話ではない」
と考えています。
そもそも自身は民主主義というものを100%信用しておりません。一般市民は「あって当たり前」のものをあえて必要とは考えないと思います。行政による一方的な押しつけは確かに良くありませんが、何らかの形で公共の立場で図書館の存在を担保するというのは必要ではないでしょうか。
roeさんのコメントにもあるように、図書館というのは日常生活においてこれがなければ生きていけない、というわけではないですし、また、図書館の存在を担保するために使うのが税金である必要は必ずしもないと考えます。しかし、それでも、誰もがアクセスできる文化の蓄積というのはどこかで必要だし、蓄積されたものに誰でもアクセスできるためのインタフェースとして、やっぱり図書館って必要だと思うのです。「誰でも利用できる」インタフェースの存在を、営利とは無関係に最も確実に保障できるのは、やはり国や自治体だと考えます。
図書館の運営は確かに民間でも良いかも知れません。では逆に、何故国や自治体で図書館の存在を担保してはいけないのか?どうして国や自治体が事業主であってはいけないのか?という疑問があります。
現時点では恐らく、PFI方式がその辺に折り合いを付けた運営方法ではないかと思われます。今週号のAERAに載っていた、PFI方式で運営されている桑名市立図書館の話(立ち読みのみ)や、「日本初の図書館PFI事業 / 三重県桑名市」を読む限りでは、問題点こそよく分かりませんでしたが、結構有効そうに見受けられます。
ただ、図書館以外にも色々国や自治体で削っても良いサービス、代わりに充実させて欲しいサービスがある、という考え方には同感です。何を削って何を残すか?というのは、我々が民主主義の下に役割を託した議員や、根性のある役人に、提案なりなんなりをして託するしかないのですが。
つまり、取っかかりに書いたように市民の意思とやらを100%信用してはいないけれど、最後の決めは実際に施設を使う人の意思に託されてしまうわけで。日頃の国や自治体による、市民に対する社会教育がいかに大事かという話なのだと思います、結局。この辺、自分で書いてて啓蒙主義的なニオイがして結構嫌ではありますが、やはり重要なのではないでしょうか。
それから、これは付け足しですが、韓国の図書館サービスは発展途上とはいえ、昨年IFLAの大会が開かれたこともあり、結構図書館振興には力を入れているぞ、とアピールしているようです。国立中央図書館も良い仕事をしてるっぽいですし(カレントアウェアネス(季刊) CA1578 (No.286) - 動向レビュー:韓国における図書館情報政策の動向 / ジョ在順)。
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» ブログを消したいとき(1) 現状の報告 [図書館員の愛弟子]
※1/9にアップ。 ここのところのこのブログの状況報告をば。以前書くかも書かな [続きを読む]
MIZUKIさんのように簡潔に書けるといいんですけどね。自分が書いたところをまとめていただいた上、論旨を押し込んでもらったようでありがたいです。
↓でさっそくやっつけられています(苦笑)。
http://d.hatena.ne.jp/REV/20070107/p3
投稿: roe | 2007.01.08 20:13
くだんの記事については、roeさんのコメントを頼りに頭を整理させていただいたようなところがあります。ありがとうございました。
私も人が書いた物に対して、いらない重箱の隅を突く傾向があり、時々家族にもそれをたしなめられたりしていますが、大概の場合は大意が明快になっていればそれで良し、と考えます。
引用されたURLの記事はツッコミは明快なのですが、だから何じゃい、という気がしないでもありません(笑)。
投稿: MIZUKI | 2007.01.08 22:22
上記記事中脱線ネタにつき、TB入れておきました。アクセス解析見てると、こちらのブログからおいでになる方多いんですよ。圧倒的に。だから昨年MIZUKIさんがこちらのブログの現状をお気づきでないと知ったときは、ありゃー見に来てないんだ当人は、とむしろ驚きました。
投稿: roe | 2007.01.09 21:59
ちょっと悔い改めようかと思っております。
図書館、よさそうですね。
個人的にはもっと充実すべきだと思います。ただ、どのように充実させるかかが重要そう。
ただ、効率改善というお題目で政府が図書館を支援すべき根拠はないので、あとは個々人が図書館にどれだけ価値を見出すか、どれだけ負担してよいと思うかにかかってきます。
投稿: solidarnosc | 2007.01.10 03:38
>roe様
もっぱらブログ巡回はRSS配信に頼ってまして、そちらのフィードが更新されていないことには早々に気づいていたのですが、増える一方の巡回先を追いかけるのが手一杯になってしまっていました。
今回の件で、あまりRSSに頼りすぎるのも良くないと思い直しております。
RSS非対応サイトについては、そちらのブログでもご教示いただきましたが、はてなアンテナで何とかなりそうだということがわかったので、活用したいと思います。
>solidarnosc様
あくまで公共図書館の立場で考えると、旧態依然のままでは生き残りは難しいでしょうね。
問題は、それを公共図書館の中の方たちが認識しているかどうかということ、また、認識していたとしても、図書館のニーズを高める為に新しい試みに取り組んでいる人と、旧来ベストとされてきたノウハウから抜け出せない人がいるということかと思います。
公共図書館は門外漢につき机上の空論になってしまいそうなので、とりあえずこんなところで。
投稿: MIZUKI | 2007.01.10 12:41