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2007.02.04

所謂、生活お役立ち科学情報バラエティ番組について

 捏造騒動の起きた例のあるあるだけでなく、ガッテンや目がテン!やおもいっきりTVといった諸々の生活お役立ち科学情報バラエティ番組について、ずっと気になっていたのだけど、一応研究のお手伝いの端っこを背負っている仕事柄、人ごととして軽く書き散らせないものがありました。
 かつて自分がライブラリアンとして在籍していた機関の研究成果や、それに携わった研究員の方も取り上げられたことがあったので、何回かはこの手の番組を視聴したことがあります。

 これら番組の作り込みはそれぞれ異なりますが、共通なのは、例えば食材の成分の効能についての学説を紹介するために、実験をやってみせたりグラフを出してみたりと科学的な切り口で取り上げてくれている(いた)ということです。
 例えば番組の実験のやり方が専門家から見てちゃんちゃら可笑しいものであったとしても、科学的な見せ方で取り上げてくれることで、その学説の裏には、実験や分析をして学会での口頭発表や学術誌への論文発表を行っている研究者達が存在する、ということに思いを馳せてくれる視聴者が少しでもいるのなら、例えダイエットや健康増進といった目先の目的であっても、それがこういう番組の存在意義なのだろう、と思っていました。

 ところが今回の捏造事件。もちろん誠意を持って番組を作っている下請け、孫請けの制作会社も多いとは存じていますが、打ち切りになった番組においては、所詮「科学的な切り口」はテレビ的な演出効果の1つに過ぎなかったようです。視聴者に飽きずに見てもらう為のバラエティ的演出が全く不要とは言いませんが、少しでも彼らが、取材源である研究者や彼らの携わっている研究の中身に対し敬意を払っていたなら、あのような結末を迎えることにはならなかったと思います。
 番組制作者は、もし「エセ科学番組」と言われたくないのであれば、どんなに制作スケジュールに追われていても、研究成果の美味しい部分だけをちぎり取って持って行くのではなく、奥に隠されている実験の積み重ねや苦労をも汲み取りつつ、研究者にもきちんとアドバイスをもらい、番組を見て科学に興味を持つかも知れない人々を裏切らないよう、丁寧に番組を作っていただきたいものです。少なくとも、取材申込みの時点でそうした姿勢の見て取れる取材者には、研究機関の広報部門等でも門前払いを喰らわせたりはしないでしょうから。

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