省庁等からのWikipedia編集事件
最近10日ほどの間に話題になっているこのニュース。
総務省や文科省もWikipediaを編集していた 「WikiScanner」日本版語版で判明 - ITmedia News(2007年8月29日付け記事)
asahi.com:ウィキペディア 省庁から修正次々 長妻議員の悪口も - 文化・芸能(2007年9月8日付け記事)
まず、省庁や公的機関からの匿名編集(IPアドレスが晒される)については、ただただ、
「職場でやるな!」
「どうしてもやらざるを得ないのであればアカウントを作成するか、せめてプロキシ経由でどうぞ」
としか言いようがありません。だってWikiScannerを通すまでもなく、Wikipediaの編集履歴を見ればIPアドレスが残るのは一目瞭然なわけですし。
ただ、聞くところによると、記事にあるような個人的な趣味の項目の編集とか、一般ユーザの書き込みの取り消しや隠蔽を目的とした編集とか以外に、国際機関からの業務命令で項目追加や編集を行ったケースもあるらしいので、そこは一緒くたにしない方がよろしいかと思います。
もう1つ、朝日の記事にのみ取り上げられていた、長妻議員を中傷する書き込みの件について。記事によれば書き込みは厚労省内のPCから行われたのだそうです。職場PCからの書き込み行為は当然職務専念義務違反であり、また、相手が誰であろうと誹謗中傷するような書き込みもご法度でしょうけれど、きっと氏から提出された多数の質問主意書に徹夜で対応を強いられた省庁の人間は、氏の「役人は暇なんだなとあきれている。」(アサヒコムより)発言に煮えくりかえることでしょう。
もちろん政府としては、質問主意書が出てきたら徹夜をしてでも必ず回答を出すのが正しい対応ですし、当のWikipediaの「質問主意書」の項目によれば、日本の年間での質問主意書の提出件数はまだまだ低いようですが、更に暴言を言わしてもらえば、
「毎年着々と公務員を定員削減しており、と言うことは寄せ集める知恵の数も減っているのに何を言うか」
という感じです。イギリスなどの海外では省庁をスリム化しても上手くやっているぞ、という意見もあるかと思いますが、日本で同じことを行おうとしている状況を見るに、政治家サイドも官僚サイドも専ら「文句があっても力ずくで(あるいは数の論理で)押し切る」という手段のみを使っているようにしか見えないので、政府の下々の構成員は反発しつつ不満をため込む一方。無茶するとどこかでしわ寄せがあると思うのだけれど。何て転がる石のような組織であることよ。
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