「町の本屋さん」が無い町の住人より
以下は、先日の毎日新聞の記事「発信箱:本屋がなくなる=中村秀明(経済部) - 毎日jp(毎日新聞)」を読んでの感想です。
子供の頃、家から歩くと30分ぐらいかかる「町の本屋さん」にたまに連れて行ってもらって、そこで主に「なかよし」等の女の子雑誌や、時々児童書(うちの親は偉人伝を読ませるのが割と好きだったなあ)を買ってもらえるのは確かに嬉しかった覚えがあります。
引っ越しで一旦その町を離れて、8年後に再び戻ってきた時、町に駅ビルなんかができて栄えているのに反比例してその本屋さんが品揃えも店内の雰囲気もすっかりさびれまくっていたのは悲しかったです。今思えば取次から本が回ってこないとかの問題もあったんでしょうね。町の本屋さんが消費者へのアピールに知恵を尽くしたとしても、取次の体制として小さい書店に本が回って来づらくなっているんだからどうしようもありません。
で、一消費者としては、本がなかなか入ってこない町の本屋さんよりはAmazonさんなどネット書店を利用したいというのがやはり人情です。というより、筆者の現住地はここ40年ほどで造成された研究学園都市なので、そもそも所謂「本屋のオヤジさん」がやってるような小規模書店というのが皆無な訳ですが。
また、所謂リアル書店――地元の中規模書店や郊外型書店、それから大手チェーン書店――においても、東京都区内に電車で1時間、車で2時間もあれば出られる地方都市であるにもかかわらず、新刊書がなかなか発売日に入ってこないという欠点が存在します。飛行機に乗らないとその日のうちに東京に行けない場所に住んでいた経験から申し上げると、雑誌が発売日に入手できるだけでもマシと言えばマシなので、あまり贅沢は言えないのですが、それにしてもあんまりと思うことがちらほらあります。
と言うことで、そういう場所に生活している消費者としては、郷愁だけでネット書店を全否定することは出来ないなあ、と考えるわけです。ネット書店だと、Amazonのレビューやbk1のブログトラックバック受付等、読者のレビューも見られて参考になるという利点もありますし。ちょっとマニアックで出版年次がやや古めの本も、リアル書店だと返本されちゃったりしてて、取り寄せにも時間を要することが多いけれど、ユーズドで見つかることが多いですし。
まあ、昔よりつくばと東京が近くなったと言っても、それはあくまで電車の話であって、取次からの書籍の運搬手段である自動車の交通インフラは何ら変わっていないので、仕方ないかも知れませんが。いっそTXで貨物を扱ってくれればいいのに、とか非現実的なことを言ってみるテスト。
あ、こまごまと色々書いてますが、今回は全部、リアル書店の取次に対して、もうちょっと何とかせい、と言ってます。取次の事情、井狩春男さんのエッセイでしか知らない素人だから言えるご託ではありますけれど。
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