極私的「図書館広報」論……と言いつつ大幅脱線しますが
「図書館広報」という語をちらほら見かけても、自分が間接的に関わっている図書館の利用主体は内部の人だし、利用者が仕事を進める上で必要なコンテンツを保ち続ける努力は誰も厭っていない筈だから、うちには関係ないよね、と心のどこかで思っていました。
また、現在既に図書館を利用してくれている人、あるいは潜在的な利用者に向けたアピールとも考えていました。
更に言えば、予算面の便宜獲得や部署生き残りを図る上で、そうした組織内部向け、そして一般利用者向けのアピールとしても、各部署の活動についての広報はとても大事なことです。でも「図書館広報」と言われても、ええと、図書館だけ?とあまりピンとこなかったのが本音でした。
しかし、「図書館広報」というのは、「そこで働きたい人」へのアピールでもあるんじゃないかと最近考えています。
ちなみに考えているのは、あくまで正職員の採用に向けてのアピールです。非常勤職員については正職員では担い切れない部分の重要な担い手として捉えていて、なくてはならない存在だと常日頃実感していますが、今回は横に置きます。
当然ながらうちの職場でも、就職希望者へのアピールは熱心に行われていると思うのです。
但し、大学さんと違って、司書職の採用試験が今は行われていないのでした。情報系の採用は行ってますが、それは「情報工学」とか「電子工学」の方であり、所謂文理がクロスオーバーしている所の「情報学」ではありません。
これまで図書館は組織における縁の下の力持ち、あくまで支援的立場だと考えていました。自分はこれまで組織の機関誌・広報紙の編集事務局や、PCのLAN接続事務局等も回されてきましたが(主体的に「回ってきた」と言えないのがちょっと弱いです。ついでにそれは図書館をコアに知らないということでもあります。)、そこでも「縁の下」な立場には変わりなかったわけで。
ところが気づいたら、自分の組織の採用情報の「採用者の声」的な欄に、図書館系、あるいは情報系の事務局担当者が一切載っていないのです。
そりゃ最近は採用一発目でいきなりこういう専門色の強い部署を担当する職員も少ないですし、確かに今年はそういう職員はいませんでした。
また、そもそも普通の事務仕事を担当するつもりで入ってきた、図書館情報学あるいは情報学のバックボーンの全くない若者が、図書館系・情報系の仕事を務めるには荷が重いでしょう。
しかし「採用者の声」から、そういう図書館系や情報系の業務もありますよ、というのが見えないのはあまり良い傾向ではないなあ、と思わずにはいられません。
もちろん図書館では小規模ながら外部向けにWebで情報も提供していますし、小規模すぎて対応が追いつかない所を除いてOPACにも外部向けに所蔵情報を公開している所は多いです。
でも就活者向け情報を発信しているわけではありませんし、前記のとおり就活者が受けて確実に図書館に配属されるような職種も用意されていません。
あまりぐだぐだは書きませんが、まあ、図書館系や情報系に限らず職員の採用は減り気味、コツコツな手仕事は非常勤職員さんにお願いする機会が増えている、というのが現状です。
ただ、人は減ってもそれでも何故かお仕事は減ることはありません。特に情報系の色合いの濃いお仕事はしっかりとたくさん待ち受けています。
異論はあろうかと思いますが、例えコツコツな手仕事が大好きであっても、職員数が少なければ、ちょっと中間マネジメントが入った仕事をする機会は徐々に増えてきます。
実はまさに今自分がやっているのがそんなお仕事だったりします。と申しましても、今は図書館ではなく図書館にコミットする機会の多い別の部署で働いていますが。
表舞台でもないけど決して縁の下に潜りっぱなしではいけない。それでいてコツコツ仕事を自分だけで背負うことなく、自分より若い世代(今の所は少ないですが(^_^;))あるいは非常勤職員や派遣職員に分担して、彼ら・彼女らを育てるついでに自分もちゃっかり育てられるような立場。
こうしてみるとマネジメント――あくまでまだ「もどき」ですが――も、結構面白い仕事じゃないか、と思えてきます。
ここで自分が組織の実名出してリクルーターになれれば一番手っ取り早いのですよね。でも諸事情で出せません。
あとは、やはり、即効性はないかも知れませんが自分達が組織内で切り捨てされないよう結果を出して、図書館系、情報系の人材をもっと増やしてくれ、と、人事担当者に地道に訴え、外部へのアピールの強化と採用&育成ルートの確実化を実現していくという方法になってしまうのでしょうか。
そこでまた、何故正職員でなくてはいけないのか?という理屈を、何らかのデータで証明していかなくてはならないのは必至ですけれど。有効な統計分析手法とかプレゼン手法の勉強も必要になりそうです。
と、またもや即効性のある結論が出ないまま今回も終わるのでした。
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