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2010.11.29

ARGフェスト(11/23)&第12回図書館総合展(11/24のみ)に参加して考えたこと

 11月23日にARGフェスト、24日に図書館総合展にそれぞれ参加してきました。

 ARGのイベントは、第1部のカフェ(LT)には都合により参加できず、第2部のフェスト(懇親会)のみの参加となりました。以前お会いしたことのある方の顔を覚えてたり覚えていなかったりして、私的にはかなりすみませんな感じだったのですが、それでも、こうした業種を問わない場(まあ、図書館系の方が多いと言えば多いんですが :-p)でないとお会いする機会がない方に、たくさんお目にかかることができました。
 当日は横浜泊だったのを良い事に、2次会にも最後まで参加し、米国の図書館情報学修士課程のお話や、同じく米国への短期留学・図書館インターン体験のお話など、貴重で興味深い話題を色々とお伺いしてまいりました。楽しい時間を過ごした一方で強く再認識したのは、こういう場では「もらう(take)」一方でなく、できればもらった物に相応の、何らかの中身のある体験談、あるいは自己の確固たる言葉などを「あげる(give)」または「返す(return)」ことができるのが最良なのですが、自分はまだまだそれができていない、ということです。
 無論、今の自分に何も蓄積されていないというわけではなく、むしろ調整と気遣いの要求される仕事で毎日貴重な経験を積み重ねている、と自負しています。でも、それらにより得たものを普遍化、一般化して自分とは立ち位置の違う相手に伝え、理解してもらうコミュニケーション能力があるか?というと、考え込まざるを得ないのでした。この能力を伸ばすことは一個人として、というより社会に生きる人として大事だと思うので、社会に身を置く限りはずっとテーマであり続けることになりそうです。

 他にも、年若い友人の近況を聞いて、こういう有能な若者がいる限りは日本の公共図書館は簡単には潰れないに違いない、と確信する一方で、能力ある若者が将来に不安を感じずに心置きなく働くことができるようなしっかりした足場作りを誰も疎かにしてはいけないし、足場の必要性を継続して訴えていかないと、いつでも簡単に潰れちゃうよ、と考えたりしていました。ただ話を聞くことしかできない自分がもどかしくて仕方ありませんでした。
 確かに試練は若いうちに、とは言いますし、どちらかと言えばその考え方には賛同する口なのですが、ちょっと今の図書館業界(特に公共図書館)には厳しい試練が多すぎるよ、と思います。
 もちろん、昨今の社会情勢下、試練が多いのは図書館業界に限った話ではなく、税金の使い途は慎重に考えるべきでしょう。あるいは企業が指定管理者を請け負っている場合も、ボランティアでない以上雇用者に配慮するだけではなく黒字経営を目指さなければいけないのだとは分かりますが、それにしても、です。

 24日の図書館総合展では、10:30からのフォーラム「Code4Lib Japan Meeting & Exhibits 2010」を聴講しました。
 当日の詳しい内容は、
 Togetter - 「Code4Lib JAPAN Meeting & Exhibits 2010 #c4ljp」
 Code4Lib Japan Meeting & Exhibits 2010(図書館総合展フォーラム参加記録その1) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
をご覧いただくとして(他力本願。でもTwitter実況には少しだけですが協力しています)、パネルディスカッションの、岡崎市立中央図書館の事例を題材にした「笑点」の大喜利のような1問1答形式は面白かったです。
 パネラーの皆さんの回答の中で、あくまで行動様式の上において自分に最もしっくりきたのは高久さんのそれでしたが(「最近、図書館のサーバがよく止まってるんだってね?」→とりあえず「サーバ室」へなど)、他の皆さんの回答もそれぞれの立場に照らして納得のいくものばかりでした。
 もう少し岡崎事件の話から離れた立場での「システムと図書館」のお話も聞きたかった気もしますが、図書館総合展という、幅広い人の参加を想定した場のことを考えるとまあこんな感じかな?と思います。
 午後は、ブース展示や、ポスターセッションをじっくりと時間を掛けて見てきました。
 ポスターセッションの投票は、本来の主旨から考えると、図書館情報学としてより学術的な内容のもの、あるいはより先進的なテーマを取り上げたものが評価されてしかるべきだと思います。しかし現状では、そうした題材のポスターと、図書館における積極的な活動の紹介ポスター、そして単なる「図書館の活動紹介」を行うポスターとが混在して参加しているため、それらをひと絡げにして「1枚だけ」投票可、というのは少々無理があるのでは?とも感じました。ごく私的には、「優秀賞」と「敢闘賞」と「かわいいで賞」が欲しい所です(^_^)。「もっとがんばりま賞」のハンコを押したいポスターも何枚かありましたが、それについて触れるのは止めておきます。

 最後にこのブログの更新がしばらく止まっていた理由について少しだけ。
 10月初め、自分の大学の同級生でもあった職場の同期が一人、辞めていきました。彼女とは同じ部署で働いたことは一度もありませんでしたが、仕事上関わりは深く、私が遠方に単身赴任していた時も出張の際会いに来てくれたありがたい友人でもありました。
 彼女は最後の勤務先だった部署ですっかり疲れ果て(その引き金になった事情の詳細は伏せますが、どうしようもなく憤りを覚えるものでした)、職場の関係者の誰とも面会を拒んだまま去っていきました。私自身も「職場の関係者」である以上、コミットすることは許されませんでした。
 それでは私にはこうなる前にできることは何もなかったのか?
 最近忙しさにかまけて、彼女に「最近どう?」と話しかけることすら怠っていたのは誰だ?
 生真面目で悩みがちであった彼女を避けてしまった所があったのではないか?
 そういう、とても近くにいる人間の一人も救えずに、何が図書館の未来だ!未来に限らず、図書館どころかその周辺領域についてすら語れる資格があるものか!
……と、そんなことを考えてしまったわけです。
 しかし、今回の図書館総合展等に参加して、様々な方とお話しし、例え先に記したとおり、自分自身が大して語れる中身を持っていないとしても、またそれが赤面する程に拙いものであったとしても、自分はやはり、恐らく一生涯「図書館」というテーマから離れられず、それについて語ることを止めないだろう、と気づきました。
 と申しましても、自分は今図書館とは関連の薄い仕事をたくさん抱えている身なので、どうしても今の立場では「趣味語り」にならざるを得ないと思います。また、ただでさえ少ない時間を、恥ずかしいながら趣味の方(主に観劇)に費やすことも多々あるので、ブログよりもTwitterで即興的に語る方が多くなってしまうかも知れません。
 まだ友人の件から完全に立ち直れているわけではないのですが、また少しずつ、機会を見てこちらを更新してまいりたいと考えております。気長にお待ちいただけましたらと思います。

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