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« 「『民間企業は図書館の運営には向かない』論のウソ」を読んで | トップページ | 図書館情報大学橘会公開シンポジウム「―絆― 図書館と震災を語り継ぐ」 »

2012.08.20

民間企業による図書館の運営で誰も泣かないようにできないのか?

 本日、以前書いた記事“「『民間企業は図書館の運営には向かない』論のウソ」を読んで”に、大学図書館で委託で働く立場の方から長文のコメントをいただきました。
 その中で、委託で働くことの難しさの一つとして、「元々直営側の立場だった相手からの引継の悪さ」の問題が挙げられていました。
 詳しくは当該記事のコメント欄をお読みいただきたいと思いますが、そちらに書いたことから派生して、
「どうして、図書館の業務委託あるいは指定管理でこんな風に誰か泣かなきゃならないの?」
としばし考え込んでしまったわけです。
 と言うことで、思う所を書き連ねてみました。とは言え、きちんとした文章にまとめる程考えがまとまっていない上、軽く腰痛が悪化しているので、取りあえず箇条書きです。

  • 大体、図書館業務について、業務委託・指定管理の歴史が浅い。

  • 自分の所属機関、ひいては自分の働く図書館以外を知らない職員が、直営以外で管理する事、外部の人間に引き継ぐ事を想定して仕事していない。故に引継がぐだぐだになるのではないか。

  • あるいは業務委託・指定管理に切り替えることを快しとしておらず投げやりな引継しかしないケースもあると考えられる。

  • 歴史の浅い分野故に業者も玉石混淆であり、業務委託・指定管理業務ならではの問題についてきちんと解析し解決に結びつけられず、契約社員・派遣社員の知識・技術レベルに責任を帰する業者がある。

  • 他方で、スキルの高い契約社員・派遣社員を有効に活用する業者が、必ずしも彼らに好待遇を用意するとは限らず、むしろ彼らの熱意と職業意識の高さにつけ込み、スキルに見合わない処遇を続ける場合もある。

  • 総体的に、図書館業務を委託・指定管理により円滑に運用し、かつ契約社員・派遣社員を適切に処遇するための経験が、発注側のみならず受注側においても乏しい。

  • 今後は、図書館の委託・指定管理による運営の質を向上させるためのノウハウの蓄積と、運営技術のオープン化が必要であると考えられる。

  • しかし、司書の職能団体である日図協が、図書館の委託・指定管理に反対の立場を取り続けていること、また、民間企業が受注している関係上、ノウハウが企業秘密の範疇に落とし込まれる可能性が高いことから、どちらかが太っ腹にならないとそれは難しいのではないか?

 ――と、ここまで書いて、ちょっと陳腐化した言葉を使いますと、この集合知が良い意味でも悪い意味でも活用されまくっている時代に、何をせこいことを言ってるんだろうね?と思いました。無茶な運営で誰かに過大な負荷がかかって泣くよりも、知識と技術は共有できた方がいいんじゃないの?とも。

 くどいようですが、以上は、図書館業務の委託元・受託業者、指定管理業者のいずれにもなったことがない者(但し図書館以外の業務なら委託経験あり)のたわごとです。図書館業界の輪の中心から微妙に外れた周辺部にへばりついている、何もできないちっぽけな立場の人間ですが、少しでも、民間企業による図書館運営の下に働くことにより起きる理不尽さに、泣いたり怒ったりする人が減ることを願っています。

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