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2013.11.24

第15回図書館総合展駆け足参加報告(2013.10.29)

ご無沙汰しております。こちらのブログ、ほとんど季刊化しつつある気がしますが、まだ一応更新は続けております。
さて、ご報告が遅くなりましたが、今年もパシフィコ横浜で10月29~31日に開催された「図書館総合展」に行ってまいりました。
今回は本業の関係で、ぎりぎりまで予定が読めなかったため、まる1日の参加を断念。半日だけえいっと休みをいただいて――と言っても休日の半ドン出勤の振替を取っておいただけですが――会場入りしたのは15時過ぎのことでした。しかも翌日は朝から普通に出勤なので、あまり夜遅くまでは横浜にいられないという状況で。

余談ですが、実は前日に携帯が壊れてしまい、音声通話ができない状態になってしまいました。本体のバックアップだけは何とか行ったものの、しかもメールと電話帳のバックアップパスワードをど忘れし、時間がないのでそのままお店に預けるという軽く自分にいらつく状況だった上、全く使い慣れない携帯と時間の無さ加減に気もそぞろなまま横浜へ向かったのでした。
到着後すぐに、目当ての「Library of the Year 2013」(LoY)の選考会場近辺へ。
……え?何?この待機列。ええと、着いたら少し近隣のブースを見てから、と思っていたけど、これじゃすぐここに並ばないと間に合わないよ?と、渋々列に並ぶ自分。何とか選考会場に入れて、ようやく息をつくことができました。
選考会では、メインイベントである優秀賞のプレゼン開始前に、特別賞として、映画『図書館戦争』の表彰がありました。大串先生からの講評後、受賞者代表として、TBS映画事業部の辻本プロデューサーが登壇されていました。
辻本Pの受賞挨拶によれば、自衛隊が、実在の「自衛隊」の組織名が登場しない(作中で活躍する組織はあくまで「図書隊」)映画に撮影協力を行ったのはこの映画が初であったとのことです。初耳でしたが、そう考えると画期的な映画だったのでしょうか。

ご挨拶の終了後に、いよいよメインイベントの開始です。
今回のLoYの優秀賞は、伊那市立図書館、千代田区立日比谷図書文化館、長崎市立図書館、まち塾@まちライブラリーの4団体でした。
トップバッターの伊那市立のプレゼンターは青山学院大の小田先生。
「知の消費ではなく知を育む」取り組みを行っている、という言葉が印象に残りました。旧・高遠町(現・伊那市)は内藤藩に属していたので、内藤新宿の繋がりで、新宿区立四谷図書館ともコラボしているとか。
また、図書館が地域通貨「りぶら」を発行し、除籍本の交換券として使える商店街との連動イベントを開催したという話は、図書館と地元のリアル社会との繋がりを重視した面白い試みだと思いました。
実は「図書館で地域通貨を発行」という事実のインパクトが、イベントの時にはあまりピンとこなかったのですが、良く考えると普通「図書館」で地域通貨を発行する事例はあまりないのではないでしょうか。

(参考)
長野県の伊那図書館が除籍本と地域通貨を絡めたイベントを実施 | カレントアウェアネス・ポータル(2011-12-16掲載)

2例目の日比谷のプレゼンターは、六本木ライブラリーの小林さん。
小林さんはかつて、都立日比谷図書館を千代田区に移管する際の検討委員(?)を務めていらして、その際に、
「本を読みに来る場ではなく、人と情報が交流する場にして欲しい」
という意見を述べたそうです。
プレゼンの評価としては、個人的に、この小林さんのプレゼンが最も高かったです。
小林さんのプレゼンを拝聴していて、日比谷図書文化館は何となく場の綺麗さが強調されがちですが、地域との繋がりや知的文化の魅力への導きを意識的に行っている、と気づかされました。資料費の少なさには賛否あるかも知れないけど図書館の魅力の正体について考えさせられたりもして。
LoYの候補館としては、
「日比谷はもうさんざん高評価を受けてるんだからいいじゃん」
的な心境があったのは否めませんが、こういう聴き手に「気づき」を与えてくれるプレゼンは良いですね。

3例目は長崎市立図書館。プレゼンターは川崎市の舟田さんでした。
地元の医療健康情報の情報入手の入口的役割を果たすプロ司書集団「チーム・ナガサキ」。このネーミングが格好良かったです。
数年前、「長崎市には図書館がなかったのでこれからできる」という話を聞いて、あんな大都市に市立図書館がなかったなんて!とかなり衝撃だった覚えがあります(調べたら、公民館図書室を束ねる図書センターはあったようです)。その図書館がこういうLoYという場で採り上げられるまでに成長したということで、図書館運営側は感慨深かったのではないでしょうか。

トリの4例目、まちライブラリーのプレゼンターは、ダイヤモンド社の千野さん。
小林さんとは異なる意味で、印象の強いアグレッシブ過ぎるプレゼンでした。
本を持ち寄り「植える」という意図で開催された「植本祭」。そして「蔵書の見せびらかし」というコミュニケーション。大阪中心に活動が広がる「大阪流 知の方程式」。
これはLoYの実況ツイートでも書いたことですが、こういう活動を可能にする大阪という商都のエネルギーの正体は一体何?という点にそこそこ関心があります。人同士の繋がりを重視した結果、パワーを生み出す一方で、お上に依存しない個々の人間の力に自信があるから、関東だと躊躇するような人を知事や市長に担いでしまう民意も生ずるのかなあ、と思ったりして。

で、個人的にはこの横紙破りの「まちライブラリー」を推していたのですが、蓋を開けると大賞を受賞したのは伊那市立図書館でした。
まちライブラリーは会場票では最高票を獲得していました(82票)。次点の伊那市立図書館(44票)の倍近くでしたが、逆に審査員票ではまちライブラリーが0票だったという事実が面白いです。
会場にいた癖にあまり細かい講評を聴いていないのですが、何となく、最近の公共図書館界のトレンドは「地域振興」であり、伊那市立はそこを既存の公共図書館の枠内で奇をてらわず新しく、かつ地域にお金を落とすことにも貢献している、という点で評価されたのだろう、と理解しました。
そして選考会終了後、閉館までの40分ほどで会場内を駆け足見学しました。
ポスターセッションは3分の2ぐらい見られたでしょうか。キハラ&カーリルブースで、くまモン、kumoriほかの可愛いミニブックトラックや『夜明けの図書館』コラボパネルに見とれましたが、図書館ゲームはやり損ねました(泣)。
入口から向かって左側の壁ブースで、saveMLAKで旧知の皆様にはご挨拶したのに南三陸町図書館や国立教育政策研や皇学館大の皆様にはご挨拶し損ね。当然豆本教科書や伊勢うどんは自力ではゲットしておりません(後から別口で入手)。
あと、帝京大学メディアライブラリーセンターの「共読ライブラリー」に、先程LoYの優秀賞だった「まちライブラリー」ブースだけはどうにかチェックしましたが、時間がなくあまりゆっくりじっくり堪能できず残念でした。

こういう慌ただしい参加の仕方、やはりあまりやるべきではありませんね。フォーラムを聴講するか、会場巡りに専念するかのどちらかにしておくべきでした。色々とおざなりになってしまった……。

そんなわけで今年はトンボ返りになってしまった総合展でしたが、その代わり、FabLibブースのLEGOコーナーに、折り紙で作った豆本をこっそり何冊か展示していただきました。その中に私の髪の毛を筆にして描いた(信じないように)絵本を1冊紛れ込ませておいたところ、「羊図書館」のブログに写真を載せていただきました\(^o^)/。

羊図書館 第15回図書館総合展に行ってきました!@羊図書館

ちなみに折り紙豆本の折り方は、最初に参考にしたブログが何故か消えてしまっていたので(泣)、同じ折り方で作っている別の方のブログへのリンクを貼っておきます。

2-663)折り紙・豆本 : 三百六十五連休(一)

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