わが家の近所の某ドーナツ屋さん(仮称:M)の店舗が理不尽に混むことは前に書きました。
この店が混む要因としては何よりもまず、このお店の恵まれた立地条件が挙げられます。
1)幹線道路沿い
2)広い駐車場
と、居酒屋さえもが客の自家用乗り物での来店に対応していないと生きのびていけない、と言われるこの街の飲食店において最低限備えているべき二大条件は満たしています。
※居酒屋から運転して帰る不謹慎者も皆無ではありませんが、法律の厳しくなった昨今では代行運転サービスが繁盛しているようです。
それに、ドーナツという食品自体が既に「お子様方、ウェルカム」な嗜好性を持っていることは言うまでもないでしょう。しかもMの景品には手帳など心そそるアイテムが揃っています。
しかし、店員の動きを眺めていても、特に動きが悪いというわけではありません。客のマナーも上出来です。
それでは何故に混むのか?以下の注文から品物受け渡しまでの段取りから検証してみます。
1)客はショウケースを見ながら注文するドーナツを選び、カウンター内の店員に1種類ずつ口頭で伝える。
2)多くの客は店内お召し上がりよりお持ち帰りで注文する。
3)ドーナツ代金が支払われた後、店員がドーナツの箱詰めおよびコーヒーなど飲み物のカップ注入を行い、客に手渡す。
まず、1)について。ショウケースを見ながら注文を1種ずつ伝えるのは洋菓子店などで普通に見られるやり方ですが、Mは自分の店が町のケーキ屋さんではなくファストフードであるということをもう少し自覚した方が良いように思います。一応レジにも下敷き型メニューはありますが文字が小さくあまりユーザフレンドリーではありません。
また、並んでいる客からはショウケースが離れているのでレジ上部のメニューが頼りであるにもかかわらず、レジ上部メニューには飲み物とドーナツ以外の飲食メニューしか記されていないのでした。
続いて2)。お持ち帰り客が多いということは、店員が注文を訊いてかがんでショウケースからドーナツを拾ってはトレイに入れ、また訊いてはトレイに入れるという作業を繰り返すということです。しかも見ていると皆さんかなりの数(10~20個)をまとめ買いしています。
逆に言えば、店内お召し上がりの客はお持ち帰り客の注文中もずうっと待たされるわけです。しかもMにフロア専門の店員というのは存在しません。カウンター内の店員の手が空いたときに食器の片づけなどの対応をしています。
それから3)については一見スムーズに動いているように見えますが、実は箱詰めの合間にも厨房から追加のドーナツが品出しされてきます。品出しの対応は接客しているのと同じ店員が行うので、店員がショウケースに商品を追加している間は箱詰めやコーヒーサーブが中断するのでした。
以上の考察結果から、我が近所のMに必要なのは以下の配慮であると考えました。
- もっとレジ上部メニューを充実させ、行列客から見やすいようにする。
- 更に、行列に下敷き型メニューを回覧/配付して注文内容を決めておいてもらう。まとめ買い客には注文票の記入サービスがあるとありがたい。
- これはMのポリシーから外れるかも知れませんが、ベーカリー方式にして客自身にトングでドーナツを拾わせる。
- フロア係を置いて、店内飲食希望の客は別途テーブルに案内する。
- ついでに品出しは専門の店員が行う。接客・箱詰めは1、2名の店員が行えば十分。
これだけでも随分待ち時間が違うと思うのですが・・・やはり客のわがままでしょうか。
#「そんなMはイヤだ」という批判があるかも知れないことはさておき。
ただし、「行列ができること」がステイタスと化しているならもう筆者に言うことは何もありません。ゆっくり座ってドーナツを食べたい時には家から車で15分の所にある別のMに出向くことにいたします。