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カテゴリー「ニュース」の記事

2011.05.04

2011年3月11日のこと

 お久しぶりです。
 当方つくば市在勤ですが、あの3月11日の「東日本大震災」発生時には職場にいました。その時の自分の状況を、まだきちんとどこにも書き起こせていないことが、ずっと気になっていました。今回ようやく気持ちが落ち着いて書く気になれたので、以下、お目汚しご容赦願います。

当日の状況
 当時の所属グループは私を含めて7名、うち4名が正職員という体制。ほかに隣室に別の1グループがいました。
 同じグループの正職員の2名は東京出張、1名は家庭の事情で休暇という状況でした。

2011/03/11 14:46~
 地震発生。当時、職場の机に向かってました。ゆっくりとした長い揺れが来て、その後、過去の人生で経験したことのない激しい揺れに襲われ、書棚もがたがた揺れ、物も落ち始め、瞬間停電も発生したので、これはやばいと外へ逃亡(後にこれを後悔することになります)。
 ちょうど車椅子のお客さんがいらしていたので、車椅子を外に出すため閉まりかける自動ドアを懸命に押さえました。一息ついて考えてみたら、自動ドアのスイッチを切れば良かったのです(^_^;)。そんなことも思い付かない程動転してました。日頃から早合点な性格とは言え、他の色々も含めてもう少し冷静に動けても良かったんじゃないの?と自戒。
 何度か繰り返された揺れが落ち着いた後、サーバ室へ。高い所の物が複数落ちていたのと、サーバラック1台の金属壁がずり落ちていたのとを除き、サーバは見た目全部無事でした。後日サーバを再起動後にRAIDが1台死んでることが判明しましたが、その時点では分からず。
 ほどなく部長が駆けつけ、当日その場にいた人間と施設の無事を確認して行かれました。
 ちなみに不在の職員3名中、休暇中の1名は近隣にいたため間もなく無事確認。出張中の1名からは地震直後に携帯メールで職場メールあて無事の連絡があるも、こちらが動転していたので確認は1時間後。更に1時間後ぐらいにもう1名の無事も携帯メールで確認。携帯の通話は完全にアウトの状況でした。
 後日訊いた所1名は東京に1泊し翌日帰還、もう1名は動いている交通機関を辿り当日深夜に帰還できたとのことでした。

2011/03/11 16:00頃~
 さて、自分の席に戻ると、床中が書類の海と化していました。日頃から整理整頓とは程遠い生活を送っていたのが仇となり、拾っても拾っても、シュレッダーにかけまくってもなお片付かない海。皆、建物内の確認作業に行ってるのに何故私はこの海と格闘しているのか……。でもこの海を撤去しないと、メールチェックすらできない(泣)。
 作業途中で、本館の建物内のネットワークにトラブル発生の連絡あり(私は別館にいます)。派遣さんを伴い駆けつけると、地震の揺れでL2スイッチの電源ケーブルが抜けてました(^o^;)。それにしても、このスイッチが止まると結構広範囲のエリアでLANが使えなくなる筈なんですが、1時間以上も誰からも通報がなかったのはやっぱり地震でみんな動揺してたか、地震があったから止まったんだと諦めていたのか。謎です。
 この前後に、隣町や東京に暮らす実家の家族や、近隣に勤める連れ合いの安否を確認。その間にも、地震発生直後から付けっぱなしにしていたNHKのニュースでは、状況が時時刻々と明るみになり、東北で尋常ならざる恐ろしい事態が発生していることが分かりました。
 そのような事態なので、非常勤さん達は定時より少し早めに家に帰し、定時後に残っていた正職員、派遣さんも少しずつ退勤し始めました。しかし1名、東京から通っている若者が帰宅難民に。ひとまず彼女が当地の寮に入っている友人とコンタクトが取れるのを待機。その間に東京方面の友人1名の無事を確認。連れ合いの車に彼女とともに乗り合わせて退勤したのが19:30頃だったと記憶します。
 道すがら、交通信号が正常に動いている交差点と真っ暗になっている交差点とが入り交じっていたので、同じ市内でも通電地域と停電地域とに分かれていることが判明しました。若者を送り届け、恐怖におののきながら、20:00頃自宅へ帰還。

2011/03/11 20:00頃~
 今考えると、なんで写真を撮っておかなかったのだろう?と思いますが、玄関のドアを開けると、足元に下駄箱の上のあらゆる物が落ちて、山盛りになってました。あらゆる物。そう、かつて「要らん」というのに半ば泣き落としで嫁入り道具として持たされた、でっかい北海道製木彫りの熊も。熊、軽いささくれ状の傷こそできてましたが、流石嫁入り道具、きちんと形を保っていました。
 とにかく玄関の物をどけないと家の中にすら入れないので、玄関の蛍光灯を付けて(うちの地区は通電していました)、殺伐と撤去。中に入ると、洗面所やキッチンのシンク、リビングやダイニング、書物部屋の床。あらゆるスペースに高い所にあった物が落ちまくっていました。連れ合いのガンプラ等も全部落下。そう言えば人間をヤツメウナギの餌食にすると、あらゆる穴という穴に入り込むんだっけ……とあまり関係ないことを連想しつつ、泣きながら物を片付け、最小限の生活動線のみ確保。食器棚があるため最も被害を心配していたダイニングは、意外にも数客の食器の被害のみで済みました。食器棚が観音開きでなく引き戸だったのと、また、生活に最も使っている食器のある側の引き戸が、内部で落下したプラスチックの容器が絶妙な位置に引っかかり、ストッパーになったのが功を奏したようです。素晴らしかったのは、確か連れ合いの友人の引き出物でいただいた、ティファニーのグラス。食器棚の天辺に箱詰めで置いてあって落下したのに、ひびも入らず無事でした。包装も丈夫だったのかも知れませんが、多分本体も頑丈だったのでしょう。

2011/03/11 21:00頃~

 ついでに断水が予測されたため、連れ合いが浴槽に出るだけの水を溜め始めました。当日の自分のツイートを見ると、21:02に「既に水道から水が出ません」と書き込んでいるので、21時前には完全断水したと思われます。もちろんキッチンのシンクが埋まっていたため料理もできる筈がなく、連れ合いが素早く確保していたカロリーメイト等乾物とペットボトルの水で夕食を済ませました。
 そんなこんなしている間に、TwitterのTLを眺めると、続々情報が入ってきていました。東京の交通機関は全滅らしい。TXの線路は2箇所陥没。東京勤務の友人の何人かは帰宅難民に。逆につくばで足止めとなり、何故か大学の学生さんのUstream番組に出演している方もいたり。明日観に行く予定だったお芝居も公演中止の可能性あり(これは実際公演中止となり、その後友人の尽力で振替公演を観に行くことができました)。
 その時個人的に情報収集してTwitterにRT等もしていた記録は、自分のTwilogに残っています。翌日の記録も見る限り、深夜3:00頃までは起きていたようです。

 ――以上、ひとまず地震当日の出来事のみ記しました。かなり記憶が薄れてきており、上記のTwilogや当日のメールから記憶を掘り起こしましたが、まだ抜けがあるかも知れません。

 当日中の図書館界の動きとしては、まず図問研がブログ(ともんけんウィークリー)の「3月11日三陸沖→東北地方太平洋沖地震についての情報をお寄せください」 で情報を募集していたのが、最も早かったと思われます。その後が、savelibrary@ウィキ(現在はsaveMLAKに統合)でしょうか。
 また、自分の所のシステムの状況を振り返りますと、他の地元研究機関のシステムやネットワークの多くが壊滅していたあの状況でも止まらなかったうちの職場のネットワーク……凄いです。ただ、これは地震の翌週以降の話となりますが、電源の一部に故障が生じた関係で、システムがしばらく縮退運転になっていました。また、自分自身も計画的でない計画停電に振り回され、早朝出勤でサーバを止めたり、「緊急停電可能性あり」の報に泣きながらサーバ停止を決定したりしていました。
 連れ合いのいる図書館は地震で資料が落下しました。閉架書庫は現時点で未だに復旧できていないと聞いています。東北に比べたら軽いのかも知れませんが、まだまだ地震の爪痕は消え失せていないのでした。

2010.08.12

最近の図書館&情報関係ブックマークネタ(2010/8/3~8/12)

 最近、図書館関係、情報関係のネタをここにちっとも書いていないので、いい加減何か書かねば、と思いました。
 しかし、実生活で図書館から離れて久しい上、今の仕事にもあまり書けるような内容がないので(というか書くと気持ちがネガになるような話だったりする)、取りあえずここ1週間ほどの間にはてなブックマークに登録した図書館、情報関係のネタを以下に列挙しておきます。補足コメがある場合は矢印で示しました。

8月3日(火)
電子書籍の全文検索 国会図書館が実験へ - MSN産経ニュース
→NDLの電子書籍のシンポジウムの時、出版社の人でTwitterに張り付いてひたすらdisってる人がいたことにぞっとしました。電子書籍はたまたま「電子的な書籍」という形をしているだけの表現コンテンツ、と思ってます。上手く言えませんが、「書籍」という形態に縛られない、「こんなビジネスモデルがあったのか!」というアイディアが出版側から出てこないかな、と思ってます。

中日新聞:貸出証の情報を流用 県図書館職員が条例違反:岐阜(CHUNICHI Web)
職員個人の問題というより図書館が「図書館の自由」ではなく「セキュリティ」の観点でどれだけ個人情報の利用を認識していたかが気になる。

8月4日(水)
読みたい本、図書館になぜない? :日本経済新聞
レファレンス業務充実の「鍵を握るのが技術革新と業務の外部への委託」。前者で司書の雑務が減るとはとても思えない。後者についてももう少し紙面を割いて欲しかったな。

佐賀県武雄市長,市立図書館蔵書の電子化をぶちあげる: 愚智提衡而立治之至也
最初、え?と思ったが、1)この人の経歴から見るに当てずっぽに吹いてるわけではないようだ。2)事をなすのに反発食らうのは厭わない(ビビリではない)タイプと見た。ということで興味を持って経過観察しよう。
→この市長、市の職員にTwitterアカウント取得も命じたらしいのでそっちも要観測。

8月6日(金)
千葉市:千葉市職員のソーシャルメディアの利用に関するガイドラインについて
→個人のやることは個人の勝手、で済まされない立場である以上、このくらいは必要ってことなんだと思います。

asahi.com(朝日新聞社):ネット閲覧制限ソフト消される 岐阜・土岐の市立図書館 - 社会
そもそもadministrator権限で利用者にPCを利用させていたってことでは?それはダメだろう。対策が取られたようで安心。
→そのまま利用者に使わせていたのではなく、一般ユーザーアカウントを別に設定していたと信じたいです。その場合もadminのパスワードが安易だったり(例:アカウントとパスワードが一緒)、ノーパスだったりしたら最悪ですが。

8月8日(日)
egamiday 3: 業界コント「もしもマクドナルドみたいな図書館が、本のない電子書籍図書館だったら」
通常シリーズの3割増しぐらい黒い展開(^^;)。確かに「7周半遅れ」だと思う。

図書館員によるビジネス課題への回答事例集 : ビジネス支援図書館推進協議会
レフェラルサービスを使っている館が意外に少ない。レフェラルでもう少し掘り下げられそうな事例もあるのだけど。
→後で考えましたが、安易にレフェラルに回す→図書館の資料を活用するというお題の趣旨から外れるから敬遠されたのかな、と推測しています。でもレフェラルの結果得られた情報をいかに図書館から利用者にフィードバックするかも司書の腕、だとも思うのですが。

8月10日(火)
書籍を店頭で印刷・製本・手渡し 「三省堂書店オンデマンド」今秋から - ITmedia News
製本機に良い物を使ってるらしいのは分かったが、プリンタが気になる。普通のレーザプリンタ?あと書籍用紙に印刷してくれるのか?とか。/プリンタ・製本機一体型だそうです。Thanks! > id:myrmecoleon

新文化 - 出版業界紙 - ニュースフラッシュ関連ページ
“出版物の書誌基本情報を納本から数日後に”ダウンロードできるようになるらしい。まずは本当に「数日後」なのか疑ってみる。
→まだあれがJPMARCなのか疑ってます。本当はTRCMARCなんじゃないかとか。

8月12日(木)
高木浩光@自宅の日記 - 国会図書館の施策で全国の公共機関のWebサイトが消滅する 岡崎図書館事件(5)
見出しが微妙に誤解を呼びそう。(表の意味)NDLや文科省はもっと施策の徹底を。(裏の意味)三菱電機ISも採用図書館も一体何やってんだ。
→表裏一体、という意味です。この見出しだとNDLが一方的悪者に見えるのでどうなんだろうと思います。でも業者も疑問に思ったら発注元に提示しようよ。まあ、この場合、きっと疑問にも思わなかったんだろうけど。

 

2010.04.28

4月27日、「事業仕分け」にプチ愚痴る

 現在実施されている行政刷新会議の「事業仕分け」のWGのうち、ごく一部のみの議論ではありますが、本日ネット生中継で視聴いたしました。

 本日の仕分けの議論のある部分には、
「これは突っ込まれても仕方ないさ」
とほんの少しだけうなずき、残り大半については、
「仕分け人さん、それって被告、もとい、法人側の言い分を、あえて分かろうとしてないべ?」
と憤り、しまいには何だかやりきれなくなり疲れてしまいました。
 だって、今まで仕分けられる事業に対しては、
「説明できない責任者が悪い」
とばかり思っていましたが、責任者、きちんと説明すべきことは頑張って説明していましたもの。少なくとも、聞く耳を持とうとする一般大衆が分かるようには説明していたと思うのに、初めから「これは無駄だ切ろう」の姿勢で待ち構える人達の前では、頑張っても無駄でしょう、それは。

 とりあえず、自分が本日Twitterに投稿した発言をそのまま載せておきます。現在もなお、心境はこれ以上でもこれ以下でもありません。

 かつて、軽く叩けばすぐ回収できるような無駄金を、必要以上に大叩きして回収するためにこうした公開裁判パフォーマンスを開催するという、いわば政治家が国政をオモチャにし、
「無駄金の源であることを錦の御旗として立てさえすれば、議論で勢い余った仕分け人がどれほど行政の仕事を侮辱しようが、あるいは自分の尺度でのみ語ろうが(※)、許される」
時代があったということを忘れてはならない。そう考えています。

※事前に視察もし、綿密な検討に根ざした発言なのかも知れませんが、発言者によってはとてもそう聞こえないこともありました。


仕分け人が事業を潰すことを大前提とした、農研機構&農業者大学校の仕分け。 #shiwake_b


事業仕分けB-15について。誰だか知らないけど「農業研究が進まないから現場の農村が疲弊している」呼ばわりした仕分け人。貴様だけは決して許さん。 #shiwake_b


農者大の仕分け議論の時に「そのテーマは現政権において打ち出されたものだから、前政権の下に設置されたお前らが言うな」みたいな発言が仕分け人からあったけど、あれは流石に反則だと思った。前政権で設置された組織は現政権の下で生きることも許されないのかよ。 #shiwake_b


事業仕分けは「金に厳しく」(本日のニコ生徹底検証より)あるのが正しい姿だとは思う。しかし個々の仕分け 人にそれなりの志があったとしても、総体として「前政権の下に築かれた事業」の否定の為に一丸となり仕分けが行われているという印象は打ち消せない。 #shiwake_b


 ……本当はこういう時は笑い飛ばすのが一番賢いやり方だと思うのですけれどね。でも今日はちょっと笑えないのでした。

2009.05.28

言葉が見つからない

 昨夜、作家の栗本薫さんが亡くなられたそうです(栗本薫さんが死去 - ITmedia News)。

 彼女の小説は伊集院大介シリーズとぼくらシリーズを何冊か読んだぐらいで、高校生・大学生の頃、周囲の友人達がはまってわいわい騒いでいた頃にもグイン・サーガも魔界水滸伝も全く読んでいませんでした。中島梓名義の著作も、『にんげん動物園』『美少年学入門』『マンガ青春記』ぐらいしか読めておりません。

 ……の、筈なのに、何故か心の奥底にずしんとショックがのしかかっています。明らかに自分よりはるかに高みの、しかし割合近い場所に立っていた筈なのに、突然この世から姿を消してしまったというのが信じられないのだと思います、多分。
 ガンで闘病中とは存じていましたし、心のどこかで多少の覚悟はしつつも、いつかグイン完結のニュースをこの目で見られるものと信じておりました。

 追悼するための深い言葉がどうにも上手く見つかりませんが、ただただご冥福をお祈りするばかりです。56歳没はお若すぎますよ、やっぱり。

2008.11.06

知恵袋に老婆心を働かせてみる

 最近、それなりに日常で愉快なこととか考えさせられることとか色々起きているんですが、大半は仕事がらみなので流石にここには投下できません。
 先日取り上げた図書館ねこの本は、記事を書いた翌日ぐらいに連れ合いあてにamazonさんから届いて、まだ読んでいる途中。また、最近の最大の趣味の話は別ブログの方で盛り上がっている最中です。

 というわけで、世間様にネタを頼ります。早速、本日知ったニュースから。

Yahoo!知恵袋、All Aboutと連携
Yahoo!知恵袋×All About プロファイル 専門家回答 - Yahoo!知恵袋

 専門家の皆さんがYahoo!知恵袋で回答してくださる部門は今のところ、「住宅」「マネー」「法律」「ビジネス」「キャリア」「医療・健康」の各部門だそうです。

 All About プロファイルにはある「ペット」部門が何故か知恵袋にないのは謎。

 これらのうち「法律」「ビジネス」「医療・健康」については図書館でのサービスも試みられていますが、ビジネス以外はさほど一般的になっているわけではありません。
 今後、分からないことは専門家に直接訊く、が当たり前になる時代がやってくるのでしょうか?
 一応、公共図書館からは「類縁機関」と呼ばれる所に勤めているので、困った時に専門家を頼りにしてくれるのは基本的に歓迎です。私自身で答えることはできないけれど、道筋をつなげることはできますからどうぞご利用ください、という感じです。まあ、類縁機関の図書館の資料もあわせて頼ってくれるならもっと歓迎しますが(^_^)。
 一方で、その前に自分で調べるという文化も廃れないで欲しいと願う気持ちもあります。自分で調べない人を揶揄するググレカスという言葉もありますが、もっとネット以外も含めた幅広い範囲の話。
 こういう考えは普通の人から見て、所詮司書のエゴに過ぎない?と思ったりもします。調べ物を渋々やっている人に取ってはさっさと答えが分かる方が良いでしょうし、それに明らかに調べ物に向いていないタイプの人というのもいます(どういう人か具体的な言及はしません)。大体私自身、レファレンサーとしては圧倒的に修行が足りない上にもう何年も実務を離れているので、レファレンスの勘みたいなのはかなり薄れてきている実感があります。

 迷わず専門家に相談した方が良い事例(上の知恵袋の専門家常駐部門に属するもの、一刻一秒を争うもの等)もあれば、自分で調べることで実になる事例(以前、どう見ても司書課程の宿題だろう、という内容が知恵袋の質問に掲載されていたなんてこともありました)や、自力でとことん調べることでやっと納得できる事例なんてのもあります。
 ……なんてこと、今更私ごときが語らなくても良い、多分杞憂なことなのだろうけれど、物事を調べて知るには色々なルートがあるということを、誰にも忘れないでいてもらいたいものです。

2008.08.09

コミケット緊急告知

 コミックマーケット74が開催されるまで残り1週間のカウントダウンが始まった8月8日付けで、コミックマーケット準備会共同代表名義で「コミックマーケット準備会からの緊急のお知らせ」の告知がコミックマーケット公式サイトに掲載されていました。

 内容は、

 【緊急告知その1】参加者の手荷物確認等のお願い
 【緊急告知その2】開催期間中の一部エスカレータ運用停止のお知らせ

ということで、その2については先日のエスカレータ逆走事故もあったので予想がついていましたが、その1については、とうとうコミケもここまでやらなくてはいけなくなったのか、と慄然としています。手荷物点検によって入場制限解除時刻がずれこむ可能性もあり、スタッフ数も限られた中、準備会としても苦渋の決断であることと思います。
 サークル参加者、一般参加者の別を問わず、ネットはまめに巡回しない、もしくは縁のない人もいるだろうし、全サークルに個別通知する時間もないでしょうから、会場に来て初めて知る、という人も多そうです。ただ、企業や公的機関の主催するイベントと異なり、参加者はある程度エゴの許される「お客様」ではなく、イベントを成立させる一員である以上、滞りなくイベントを進行させるために協力する気持ちを有することが大事であると思います(もちろん普通のイベントでも、主催者側の心配りが可能な範囲や一般常識の範囲を凌駕するお客のエゴの発揮は辛いものです)。
 というわけで、このブログに掲示することに需要があるかどうかは分かりませんが、少しでも一助となればと考え、リンクを掲載させていただくことにいたしました。

 今年も無事に開催され、最終日に皆の拍手で終われることを願っております。どうか、全てをぶち壊しにする愉快犯等の輩が出ませんように。

2008.06.13

人生の価値

 日曜日に起きた秋葉原の事件。アキバのあっち側(電気街)は最近めったに歩かないのだけど、傍観者とは言え健康な人間でも見聞きしていて結構辛いのだから、体調のすぐれない人にはかなりのダメージを喰らわせるに相違ありません。
 正直言って、加害者が社会の谷底で苦しめられていて、オタクで……なんて言う話はどちらでも良かったりします。というか、関連記事をじっくり読むと辛くて胸が締めつけられるので、流し読み状態。
 今回のケースが、裁判の結果どういう判決になるかはもちろん分かりませんが、記事を斜め読みする限りでは、心が疲れ切って正常な状態にはなかった可能性はあるにせよ、しっかり計画性も判断力もありそうですし、まず極刑は免れないかと思われます。

 自分としては、人生の喜びとか生き甲斐とかを味わえない暮らしを送っていたらしき加害者の彼には、本当にそれらが自身にはなかったのか?心に余裕がなくなっていて見失っていただけではないのか?ということを、良く考えて欲しいです。その上で、あの時偶然歩行者天国にいた人々が、大なり小なり謳歌していた人生を断ち切るという行為がどれほどエゴに満ちていたかを十二分に理解してから、刑を受け入れてもらいたいと思います。自分の人生の価値が分からなければ、他者の価値など理解できるわけがありませんから。

 ずっとこの事件について何か一言書き残しておきたくて、何度も書いては消して、やっとこれだけ書けました。彼と全く同じではなくても、かなり近い絶望を抱えて生きている人はたくさんいるのだと考えながら。

2008.04.25

蔵書1469冊盗難事件(神奈川県藤沢市)

 お久しぶりです。仕事で参加したイベントで粘土細工を作ったり、架空の館マンダレイに旅立ってド・ウィンター家当主の美貌に見とれ、歌声にも聴き惚れたり、また、原作未読だけど『図書館戦争』のアニメを視聴したりもしていたら、いつの間にか20日間もこちらを更新していませんでした。そんなわけで本日ちょっと気になった図書館記事でリハビリ投稿です。

 窃盗:神奈川・藤沢市図書館の蔵書1469冊、73歳逮捕 - 毎日jp(毎日新聞)

 窃盗:図書館の本、自宅に1469冊 73歳容疑者「本が好き」--神奈川・藤沢 - 毎日jp(毎日新聞)

 盗まれたのは藤沢市総合市民図書館の蔵書(図書・雑誌とも)で、被害総額は約616万円だそうです。なんで同内容の記事なのに2種類ページが存在するのか、毎日.jpのサイト構築方針がよく分かりませんがそれはさておき。この記事を読んでまず疑問に思ったのは、

○○容疑者は「本が好きで、体が悪くなると図書館に行けなくなるので、その時のためだった」と供述しているという。

という一文でした。この容疑者はある意味立派な図書館ヘビーユーザであるにも関わらず、宅配サービスの存在を知らなかったのでしょうか?ちなみに事件の舞台となった藤沢市図書館で宅配サービスが運用されていることは確認しました(利用案内の該当項目)。
 もし知らなかったとしたら、高齢者に対する図書館の広報が足りないぞ、と言うしかありません。もし知っていてそれでもやったとしたら、そこまで本が好きで、どうしても自分のものにしたかった人間の悲しいエゴに痛みを覚えるばかりです。きっと高齢者故に、こだわりもひとしお強くなり融通が利かなくなっていたのではないか?と考えると尚更に。

 どうしてこんなにごっそり持って行かれるまで、図書館は監視カメラ設置等の対策を打たなかったんだ?とかいう声もちらほら聞こえてきますが、できれば市立図書館という市民に平等に気軽に使ってもらいたい立場では、来館者性悪説に立つような監視カメラ等の設置は行いたくなかったのでしょう。というか、監視カメラを置いたら置いたで、利用者から拒絶反応出まくりになると思うのですけれど。図書館への監視カメラ設置は、図書館が自分の首を絞める行為であり絶対あってはならないことと考える自分は、所詮古き良き時代の図書館情報学徒に過ぎないのでしょうか。
 あるいは、BDSぐらいは出入口に設置していたかも知れない、と推測しかけましたが、通常はかなり見つけづらい場所に貼ってあると思われるタトルテープを、73歳容疑者が巧妙に剥がしたとは考えにくいです。もし剥がしていたとしたら、それはかなり悪質な確信犯である証拠だと思われます。
 でも、この容疑者、本が本当にお好きだったなら、せっかく図書館に納められて市民の皆さまとの逢瀬を楽しめる立場にあった本を、自宅に閉じこめるような真似はしないでいただきたかったです。自分で買うなり正統に譲ってもらうなりした本であれば、自宅で愛でようと何しようと構わないと思うのですけれど。久々に色々考えさせられた図書館の事件でした。

2008.01.30

消費者庁

 本日気になった以下のニュース。

 asahi.com:霞が関、戦々恐々 首相肝いり「消費者庁」構想 - 政治

 はてブの反応等を見てると「各省庁は利権が減るのがイヤなんだろう」みたいなのが多いんですが、これ、役所の上の方はそれも考えてるに違いないんでしょうけれど、下の方の人間から見たら多少違うと思います。

 まず、省庁が増えても、現在まで何百年と続いてきた縦割りの構図を変えるのはそう容易なことではありません。簡単に変えられるようなら、とっくに変わっている筈。
 あと、首相が頑張って新しく「消費者庁」を作ったとすると、記事にもあるとおり各省庁の定員がそっちに持って行かれると思われます。でも、各省庁内に消費者庁との連絡窓口となる部署(どこかの課の班1つ、あるいは係1つレベルかも?)は必要になるわけです。消費者庁からの指示や依頼の内容によっては明らかに担当原課じゃないと対応出来ないものがある、というか、原課に回すのが大原則だから、窓口担当部署から各原課に指示や依頼を連絡……って、今とあまり変わらない気がするのですが。むしろ、消費者対応の省庁が頭1つ増える分、混乱が生じるように思います。むしろ役所の下の方の人が心配しているのはそっちの方ではないかと。
 「下から上に訴えればいいじゃないか」「労働組合は何のためにあるんだ」と言う人もいるかも知れませんが、役所というのは驚くほどに物の決め方がトップ ダウン、と言えば聞こえが良いけれど、トップで決めたことを下に下ろして、どんな無茶なことであってもこれでよろしく、と言われれば「御意にございます」 と実行しなければならないという仕組みが根付いていて、実行部隊である下の者の意識についてもこの状況で生きやすいように慣らされているので、実際には難しいと思われます。

 もちろんそういう苦しい、しかも却って国民の混乱を招くような状況にならないように各省庁で努力すべきであるとは考えています。でも、原則として現在の役所の定員が増えることはない、ということは、窓口部署の定員も簡単には増やせないから、少ない人数で対応を整備していくのは大変苦しい道のりだとは思いますけれど。
 消費者庁側も同じですね。最近の役所の仕事、増えることはあっても決して減ることはないと思うので、仮に設置されてスタートしたとすると、当初想定していたよりも遙かに多くの担当業務が新庁に課せられることになるのではないでしょうか。

 というわけで、「消費者庁」にあまり明るい展望を見いだすことは自分には出来ません。ただ、役人が利権の多寡ばかり意識して生きてるかっていうとそうではないんだぞ、ということだけは声を大にして言わせてもらいたいと思い、このエントリを書かせていただきました。

2007.12.02

おせちの話

 本日のニュースより。
Business Media 誠:おせちを「ひと通り作れる」20代、わずか2%

 ……こちら、30代後半ですが、多分何もあんちょこが無い状態ではおせちは作れません。大好きな伊達巻と、野菜の煮しめ、田作り、それと鶏の煮物以外は。あと、数の子を塩抜きして薄皮を剥くぐらいなら何とか。
 いえ、そりゃ、料理は苦手ながらも、独身時代実家でおせちの準備を面倒くさがりつつ多少手伝う位はしていましたけれど、結婚してからおせちを作る機会はほとんど無くなってしまいました。年末年始は連れ合いの実家に帰省するのが慣例になっているのですが、大体大みそかぎりぎりに帰ることにしているので、その頃には大部分のおせちは出来上がってしまっています。早めに帰って手伝いしながら作り方を覚えるのが一番良いのだけど、自宅の用事もあったりしてなかなかそうも行かないのが現状。どちらかと言えば、正月は料理を作るよりは年始のお客様への給仕の方を引き受けることが多いですね。
 お正月って昔と比べると「ハレ」感が減って日常と地続きになってしまっているのは確かですが、そんなことを言っていると伝統文化の継承というのがままならなくなってくるのもまた事実です。いつかは自力で一から十まで正月料理の準備をする機会が必ず巡ってくると思うので、その時には(何歳になっているか分かりませんが)、例えあんちょこを見ながらであっても自分で料理を拵えていたいと思います。でも、昆布巻きは自分で作るより市販品を買った方が美味しいに決まっていると個人的に考えているので、100%お手製にはならなさそうですけれど。

より以前の記事一覧